とある“暴言レビュー”に対するアプリ開発者の回答が話題に 「ぐうの音も出ないほどのド正論」と称賛集まる
やめよう、罵倒レビュー。
ショッピングサイトやアプリストアなどでしばしば問題になる「暴言レビュー」問題。そんな中、ある開発者による「暴言レビュー」への回答が「ぐうの音も出ないほどのド正論」などと話題になっています。
毅然とした対応で注目を集めたのは、鉄道ファンのための記録アプリ「乗り鉄撮り鉄」。「三江線が廃線になってねーぞ!!」という暴言レビューに対し、「あなたの今後の人生のために、社会人として必要なアドバイスをして差し上げましょう」とやさしく(?)諭しています。
アドバイスの1つ目は、「他人を疑う前に自分を疑う」こと。そもそも「三江線が廃線になってねーぞ!!」という指摘でしたが、実は最新のデータではとっくに反映済みで、投稿者はつまり、古い路線データを見て「廃線になってねーぞ!!」と叫んでいただけということになります。「やるべきことをやらずに他人に責任転嫁して文句を言うのはいただけません」と開発者。
2つ目は「問題が生じた場合は、サポート宛に直接連絡を取って対応を依頼したり指示を仰ぐ」こと。表示されるまで時間がかかるレビュー欄よりも、アプリ内のメール機能で直接メッセージを送った方がよりスピーディーですし、より的確なアドバイスを得ることができます。
そして3つ目は「他人に敬意を払う」こと。投稿者が他のアプリにも同じような投稿を行っていることを指摘しつつ、「自分が見識のない赤の他人からいきなり同じような言葉を投げかけられたらどう思いますか?」「無料で配信されているアプリにすら感謝せず、不平不満を挙げ連ね、アプリ開発者に敬意を払わない姿勢はいただけません」と開発者。さらに、もしも上記3点を理解できないのであれば、そんな人に「このアプリを使用する資格はない」とも断言しています。
この回答が話題になると、Twitter上では「開発しているものは自分の子供みたいなもんだから、難癖つけてくる奴から守るの大切だよねぇ」「使う側にもモラルというものがある。何でも文句を付けていいという風潮はそろそろ終わりにしよう」「めちゃくちゃ正論で見てるほうもなんか気持ちいい」など、称賛の声が相次ぎました。
ねとらぼでは開発者のShinichi Tanimotoさんにコンタクトを取り、なぜこのような回答を書き込んだのか聞いてみました。
Tanimotoさんによると、こうした「暴言レビュー」は以前から「まれにありました」とのこと。今回の回答の真意を尋ねると、「レビューに対しては可能な限り真摯に向き合うことをポリシーとしています。また回答にも記載した通り、投稿者の今後の人生を案じ、的確なアドバイスが必要だという判断から返信を行いました」と語りました。
Tanimotoさんはまた、「事実に基づかない内容や、投稿者の誤認に基づく内容、無関係な内容の投稿がしばしばなされることがあり、投稿者の誤解を解くためにも、またレビューを閲覧する利用者の誤解を解くためにも、返信機能の実装は多くのアプリ開発者の要望でした」とも語ります。App Storeの場合、開発者がレビューに返信できるようになったのは比較的最近のことで、昔に比べれば「以前より状況は改善されていると思います」とTanimotoさん。また、現在はレビュー閲覧者のリテラシーが向上しており、低評価レビューによる悪影響は少なくなってきているとも。しかし「レビュー欄の品位、秩序」という視点で見れば、依然問題が解決したわけではありません。
併せてTanimotoさんは、こうした「暴言レビュー」を投稿することについて、次のように警鐘を鳴らしています。
「App StoreやGoogle Playにはさまざまなレビューが投稿されていますが、名誉毀損や侮辱、偽計業務妨害などに相当する内容のレビューについては、全てのアプリ開発者が然るべき措置を講じる権利があります。返信のない投稿や、掲載され続けている投稿は単に、『アプリストア運営者やアプリ開発者が何もしていないだけ』であり、法的リスクもあるということを理解したうえで、自分の発言には責任を持ち、レビューの投稿を行っていただきたいと思います」(Tanimotoさん)
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