レビュー
» 2019年04月12日 18時00分 公開

「劇場版名探偵コナン 紺青の拳」ネタバレなし最速レビュー! 「見たかったもの」が詰まっている“王道回帰作” すごい爆破もある (1/2)

園子のかわいさを思い知らされる……!

[赤いシャムネコ,ねとらぼ]

 4月12日、「劇場版名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」が公開されました。シリーズ第23作にあたる本作は、“怪盗キッドもの”にして、京極真が劇場版に初出演しています。キャッチコピーは「真実vs奇術vs蹴撃 雌雄を決する三位一体バトルミステリー」。舞台をシンガポールに移し、コナン、キッド、そして京極の“みつどもえ”の対決を描く――というストーリー。

 僕は毎年コナン映画を朝一で劇場に行って見るようにしています(今年は午前休をもらいました)。いま「紺青の拳」を見終えて一言、「楽しかった……!」と叫びたくなる気持ちでいっぱいです。

 僕はこういうものをコナン映画と呼びたい。できるだけネタバレなしで、本作の魅力を紹介します。

紺青の拳 4月12日公開の「紺青の拳」。ネタバレなしでレビューをお届け(C)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

園子ってこんなにかわいかったのか

 とにかく園子がかわいい! 予告の時点で、キッドや京極さんのかっこよさは予想していました。しかしまさかここまで園子がかわいいとは。23作目にして完全に“ヒロイン”になっているのです。

 園子は基本、劇場版だとサブの役割にまわりがちなキャラクター(中には11作目「紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)」というメインを張った作品はありますが…………)。またシリーズ全体として「お金持ち」「鈴木財閥」といった記号が使われやすいキャラともいえます。設定上描きやすく動かしやすい一方で、彼女の魅力はまだ語りつくされていなかった。

 もちろん、「園子が最高にいい女」というのは、コナンファンはみんな知っています。「瞳の中の暗殺者」では記憶を失った蘭に「(たとえ記憶を失ったままでも)親友」と言い切ったり、「銀翼の奇術師(マジシャン)」のラストシーンで蘭を支えたり。しかしこれまでしっかり描かれてきたのは、「蘭のことを思ってくれる親友」の側面だったと思います。

 ところが今回は、最初っからただただかわいかった……! 前半部分からして「園子がいちばん輝くのは京極真がいるときなんだな」と思い知らされる。ただの「お金持ち」でもなく「蘭の友達」だけでもなく、“1人の女性”として映画の中に存在している。生き生きとして、感情表現が豊かで、園子にこんなヒロインとしてのポテンシャルがあったとは……! とコナンファンとして大反省しました。

“人類最強の男”にいかにして制約をつけるのか?

 そんな園子を輝かせるのが、今回初めて劇場版でフィーチャーされた京極さん。

 登場シーンから「そこまで描かなくてもよくない?」と思うくらい、強さとオーラを見せつけてきます。予告で見ると「さすがにこんな人外っぽいアクションをしないでしょ、シーンをつなぎあわせてそれっぽくしたのでは?」と思いますが、蓋を開けてみたら、予告以上に人外でした。仰天します。

紺青の拳 想像していた以上にすごかった京極さん(C)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 アイデアとして最も興奮したのは、そんな最強の京極真に「どのような制約をつけて、どのように解除するのか」

 京極さんのよさは常に冷静さを失わないところ。そんな京極さんを唯一揺るがすのは園子なんですね。それをうまく“京極さんの制約”として物語に組み込みつつ、「この人、本当に園子のことが好きなんだな……」というのを、多くを語らずとも行動で伝えてくる。

 そして京極さんの制約が、謎解きパートの伏線回収を全て終わらせた次の瞬間に解き放たれるラストのアクションシーン! 完全に「Fate/Grand Order」で言えば宝具演出でしたし、「ドラゴンボールZ」ならスーパーサイヤ人でした。この瞬間の興奮度は、ここ数年でも一番。たったワンシーンに、全身の鳥肌が立ちます

 園子との関係性も、シンガポールに滞在する間でいろいろな変化を見せます。園子に振り回されたり、揺さぶりをかけられ思いつめたり、園子を守ろうとしたり……京極さんのとある“秘密”についてのもめごとは「きっとそういうことなんだろうな」と観客みんなが思うところではありますが、期待していた以上の展開で、一番気持ちよく回収される。しかもコナンファンが一度も見たことがなかった最高の絵で、ですよ! これを見たかった……! と号泣しました。

コナンファンが見たかった“味方のキッド”

 「これを見たかった」はまだまだあります。言うまでもない本作のもうひとりの主人公、怪盗キッドです。なんと今回、キッドは徹頭徹尾コナンと一緒にいます。

 コナンとキッドは、基本的には対立する間柄。劇場版でも度々2人の対決は描かれており、「世紀末の魔術師」や「業火の向日葵」では、お宝を盗もうとするキッドをコナンが阻止しようとします。一方で、飛行機がパニックになって結果的に協力し合う「銀翼の奇術師」、飛行船がテロ組織に襲われたために共闘関係になる「天空の難破船(ロストシップ)」(大名作!)では、“お互いの目的のために一時的に手を組む”2人が見られます。

 本作では、コナン側に“宝石を守る”というミッションがない。始めから視聴者がキッドを味方として見られるように作られています。そういう立ち位置でのキッドがまず新しい! コナンファンが見たかったのは「コナンと共闘するキッド」。本作は、2人のいろいろな関係性が見えてくるんですよね。永遠の好敵手、お互いに得意分野が異なる共闘者、そして最大の理解者。そんな2人のやりとりが惜しみなく描かれています。

紺青の拳 本作のキッドは“味方”。さまざまなピンチに遭遇します(C)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 “味方”であるキッドが、手を替え品を替え、いろいろなアイデアで追い詰められていく。その場の機転やコナンとの協力で、困難を切り抜けていくキッドが本当にかっこいい。文句なしのかっこよさです。

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