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» 2019年04月13日 08時30分 公開

ついにネットミームにまで発展した「SEKIRO難しすぎ問題」から考える、フロム・ソフトウェアという会社の“本当の強さ”

「SEKIRO」はイージーモードを入れるべきだったのか。

[池谷勇人,ねとらぼ]

 フロム・ソフトウェアの最新作SEKIROの高難度ぶりが話題になっている。AUTOMATONの記事によると、海外ではチートを使ってクリアしたゲームメディア記者が叩かれ、「You cheated not only the game, but yourself(お前はゲームだけでなく己自身も欺いた)」というワードがネットミーム化したという。とにかくそれくらい「SEKIRO」は難しい。


SEKIRO難しい問題 「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」(フロム・ソフトウェア/PS4、Xbox One、Windows)(画像は公式サイトより)

 僕も現在遊んでいて、昨日ついにラスボス手前というところまで来た。ここまでの感想はというと、「むちゃくちゃ面白い」が、確かに「どうかしてるレベルで難しい」とも思う。中盤のあるボスで4時間足止めを食らった時はさすがに「これなんか攻略順序間違えてないか……?」と不安になったが、倒した後でこれが正規ルートだと分かって今度は別の意味で不安になった。絶対ここで投げ出す人いるだろこれ!


SEKIRO難しい問題SEKIRO難しい問題 思わず倒した瞬間スクショ撮ってしまった(この2枚は僕が撮ったやつ)

 賛否両論ある「SEKIRO難しすぎ問題」だが、僕自身はこの難しさをどちらかというと歓迎している。「モンスターハンター」しかり「ロックマン」しかり、難しいゲームが売れるということは、ハードなゲームを受け入れられるユーザーがまだまだいるということだ。

 「難しいゲーム」というのは、往々にしてユーザーからは嫌われやすい。ゲームの難易度は、ともすれば開発者のエゴイズムと受け取られかねないからだ。実際「SEKIRO」も「イージーモードを用意すべきだ」という声が少なからずある。よく見る意見の1つが「難しいアクションだけでなく、フィールドの美しさや物語を楽しみたい人もいるはずだ」というやつで、確かにそれは一理あると思う。仮に「難しさ」を抜きにしても「SEKIRO」は十分に面白い。


SEKIRO難しい問題SEKIRO難しい問題 たぶん普通のアクションアドベンチャーでも十分すぎるほど面白かったと思う(公式サイトより)

 しかし実際の「SEKIRO」はというと、そういうプレイスタイルを気持ちいいくらいにバッサリ切り捨てている。難易度設定なんてものは存在せず、キャラクター育成でゴリ押しすることもできない。この血を吐くような難しさを突破できた者だけが、先のフィールドや物語を見ることができる。さながら頑固なラーメン屋である。「黙って俺のラーメンを食え」という気概を感じる。これをエゴと呼ぶかはさておき、そこには間違いなく「この難易度に付いていけない人を切り捨てる」という判断があったはずだ。

 繰り返しになるが、僕はこの判断を「アリ」だと思っている。むしろ「よくやった!」と拍手を送りたいと思っている。難しさ抜きでも「SEKIRO」は十分に面白いが、仮にもし難しさを取り払ってしまったら、それはもう開発者が考える「SEKIRO」というゲームではなくなってしまうのだろう。


SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE Gameplay Trailer【2019.3】

 最近のゲームは「ユーザーに合わせすぎ」だと思う(主語デカすぎ問題)。懇切丁寧なチュートリアル、誰でもエンディングまでたどり着ける難易度、さらには同じステージで何度も死ぬとスキップさせてくれる機能まであったりする。そういうゲームは誰が遊んでもそこそこ面白いが、クリアしても心に残る印象は薄い。僕としては、こっちに合わせるんじゃなくて、もっと開発者のエゴを剛速球で投げつけてくるようなゲームが好きだ。

 そういうゲームは実はインディーだとわりとあるんだけど(「壺おじさん」とか「Undertale」とか)、「SEKIRO」がスゴいのはこれを家庭用の、しかもフルプライスのゲームでやった点だ。ゲームの純度を上げるためなら、少数のユーザーから嫌われることもいとわない。そういう選択ができるのがフロム・ソフトウェアという会社だ。

 一歩間違えればただの暴挙だが、「SEKIRO」はそうはならなかった。それはひとえに「SEKIRO」というゲームが面白かったからだ。

 「SEKIRO」にイージーモードは必要か。僕ははっきり「ないほうがいい」と思う。

 では、そろそろラスボスに突撃してくるのでこのへんで。


SEKIRO難しい問題 という原稿を書いている最中、ちょうど200万本突破のニュースが飛び込んできた。マジか(電ファミニコゲーマーの記事

4月14日追記

 ラスボス倒しました!



ライター:池谷勇人(てっけん)

プロフィール

今はなき雑誌「ゲーム批評」でゲームライターデビュー。それからいろいろありまして現在はねとらぼ副編集長に。Twitterではもっぱらゲームの話ばかりしています。特にゲームがうまいわけではないが、難しいゲームは大好きなマゾゲーマー。





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