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» 2019年05月16日 13時00分 公開

「あなたも加害者になる可能性がある」 なぜ人は「あおり運転」をしてしまうのか?

岡山トヨペット制作の啓蒙動画が秀逸。気持ちを落ち着けるアンガーマネジメントもぜひやりましょう。

[カナブンさん,ねとらぼ]

 危険な運転行為「あおり運転」が社会問題化する中、自動車販売店の岡山トヨペットがあおり運転が起きるまでの加害者と被害者の心理描写を紙人形で表現した動画「STOP ROAD RAGE」を公開しました。

あおり運転

 動画は総コマ数約1320枚におよぶ紙人形のストップモーションアニメで表現した力作。青空の下でさわやかにランニングをする男性が登場します。

 ふと、自転車がベルを鳴らしながら男性の横スレスレを通り過ぎます。男性はその行為に少しイラッとします。動画ではイライラ度を示す体の色がオレンジ色に変わります。

あおり運転 ランニング中の出来事。ひゅんと自転車がすぐ横を通り過ぎ、「なんだアイツは。あぶないなぁ」とイラッとします

あおり運転 続いて、同じくランニングをする親子が登場

 その後も走り続ける男性。時計を気にしており、ちょっと急いでいるようです。横から親子が現れました。親子は楽しそうにゆっくりと走ったり、遠くにいる犬を見るために突然立ち止まったり。男性は前をふさがれて自分のペースを乱されてしまいます。

あおり運転 ペースを乱されてイライラ

 親子に男性に対する悪意など全くないのは明らかです。しかしペースを乱された男性はイライラが募り続け、体の色が「真っ赤」に。ついに怒りとなって親子との距離をつめ始めます。

 異変を感じた親子は男性に道を譲ろうとしますが、男性は蛇行しながらしつように親子を追いかけ続けます。親子の表情は徐々に恐怖でゆがんでいきます。

あおり運転 ついにイライラが爆発

あおり運転 親子を追いかける怒った男性

 逃げ続ける親子。怒り続ける男性。緊迫した状態が目まぐるしく移り変わる背景で表現されます。

 それでも親子を追いかけ続ける男性の体は「自動車の形」に変化します。救急車のサイレンや急ブレーキを掛けた音が響く中、画面は突然ブラックアウト──。

あおり運転 ランニングのはずが交通事故の発生現場に

 「怒りは、速度で、凶器に変わる。」

 このメッセージが浮かび上がり、衝突事故となった悲惨な場面が映し出されます。

 「わたしもあなたも、加害者にも、被害者にもなる可能性がある」。人ごとではないことにハッとさせられます。

「ロードレイジ」の加害者、被害者にならないためにできること

 動画を公開した岡山トヨペットは、怒りの感情とうまく付き合うアンガーマネジメントテクニックも紹介しています。

 走行中の追い越しなどに対して、あおり運転や進路妨害を行うドライバーの報復行動を「ロードレイジ」と言います。同社の調査によると、ドライバーの9割以上が運転中にイライラを体験しながら、約4割が特に何も対処していないという結果が出ました。

あおり運転 90%以上が運転中にイライラしたことがあると回答
あおり運転 運転中にイライラがあっても特に何も対処しない人が39.1%も

 併せて、「急いでいる」「運転技術が平均以上だと思っている」「クルマの価値が自分の価値だと思っている」「運転をすると気が大きくなる」などが重なると決壊のトリガーになる可能性が高まるとしており、同社はドライバーに気持ちを落ち着ける「アンガーマネジメント」の実施を推奨しています。

あおり運転 ロードレイジの加害者・被害者にならないためにできること(岡山トヨペット公式サイトより)

  • 目的地に余裕を持って到着すること
  • 割り込まないこと
  • 緊急時以外にクラクションを鳴らさないこと
  • 他の運転車を挑発、あおらないこと
  • 追い越し車線でゆっくり走らないこと
  • 危険運転車には抜いてもらうこと
  • 絶対にクルマから降りないこと
  • 相手のクルマが見えなくなるまでやり過ごすこと

 警察も、あおり運転をされたら「危険な運転者に追われるなどした場合は、サービスエリアやパーキングエリア等、交通事故に遭わない場所に避難して、ためらうことなく警察に110番通報をしてください」(警視庁Webサイト「危険!あおり運転等はやめましょう」より)と啓蒙しています。

気持ちを落ち着けるアンガーマネジメントテクニック

あおり運転 気持ちを落ち着けるアンガーマネジメントテクニック(岡山トヨペット公式サイトより)
  • 6秒ルール:どんなにイラッとしても「6秒」待ちましょう
  • 家族の写真など、大切なものを見えるところに置くようにする
  • 気持ちが落ち着く言葉を自分に言い聞かせる
  • 深呼吸する:気持ちを落ち着かせる意味でも、ゆっくり深呼吸する

 今からでも遅くありません。運転中の感情コントロールの難しさなども理解し、事故の加害者にも被害者にもならないためにどうするかを考えるきっかけにしましょう。

(カナブンさん)

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