せがれをいじって大きくするゲーム(本当) 「せがれいじり」は本当にいいゲームですどうかしているゲームの世界

せがれをいじるとママが大きくなるゲーム。

» 2019年09月20日 20時30分 公開
[文章書く彦ねとらぼ]

 唐突に始まった不定期連載「どうかしているゲームの世界」連載一覧)。ここではライターの文章書く彦@waniwave)さんがピックアップした、珠玉の「どうかしているゲーム」を気まぐれに紹介していきます。第1回は1999年発売のこのゲームから。それでは書く彦さん、どうぞ。


せがれいじり

ライター:文章書く彦

文章書く彦 プロフィール

主にPCゲームや海外ゲームが好きな陽気で楽しいゲームライター。どこかで美少女ゲームの連載を行ったり「ゲーム占い師」として活躍中。ライター業の傍らインターネットの片隅で「ワニウエイブ」としてラッパー/作曲家としての活動も行っている。ここ一年ぐらいはVTuberに激ハマりし1日に10時間ぐらい「にじさんじ」の配信やアーカイブを見るなどしているよ。 Twitter:@waniwave


本当にいいゲームです

 「せがれいじり」は本当にいいゲームです。本当なんです。

advertisement

 確かに私はうそをついたことだってあります。子どものころから今に至るまでずっと誠実に、かつ、正直に生きてきたとは言い難いかも知れません。だから「信じられない」とあなたが思うのだとしたら、それは、むしろ正常な判断であるといえるでしょう。

 でも信じてください。本当なんです。疑われるのは承知の上で、いまこうやって話してるんじゃあないですか。確かにあなたの言う通り「せがれいじり」が発売されたのは1999年です。ハードは初代プレイステーションです。今から20年も前のゲームですから、今更わざわざ取り上げて大声で宣伝するようなものではないように思えるのも当然のことです。でも、私はできるだけ早く伝えなくてはならないのです。「せがれいじり」がどのようなゲームなのかを。


せがれいじり

 ひとまず簡単に全容を説明させてください。大丈夫。それほど込み入った話ではありません。「せがれいじり」とはせがれをいじって大きくするゲームです。何やら卑猥に感じられるかもしれませんがまったくそんなことはありません。あなたの心が汚れているだけです。「せがれ」というのは主人公の名前です。何らかの比喩や象徴などではなく、固有名詞なんです。

 せがれの頭は矢印ですが、それは「サナギ」だからです。とても虫には見えないのですがいきなりサナギという言葉がでてくるのは恐らくユーモアだと思うので笑っておくのがいいでしょう。


せがれいじり

 ではなぜ、せがれをいじって大きくする必要があるのでしょう。せがれはある日「むすめさん」に出会い、恋をします。せがれの妄想はムクムクと膨れ上がり(比喩です)、パンパンに張り詰め、怒張し、赤黒くなって(比喩です)とうとう我慢ならなくなったので、ママに「あのことラブラブになりたいなぁ」と相談します。母親に相談するなんてかわいいですね。非常にほほえましいし、癒やされます。


せがれいじり

 するとせがれのママ(キリンです)は「おおきくなったらネ」と答えます。そう、だから大きくしなくてはならないのです。ヒロインをモノにするために奮闘する話というのは普遍的なものですし、母親がキリンの場合も多いですから、普通の人間であれば恐らくかなり共感できる導入部なのではなかろうかと思いました。「いいゲーム」の定義は人それぞれですが、「誰にとっても共感できる」というのはその基準のうちの一つですよね!


せがれいじり

 「いじる」といっても最初はどうやるのか分からない……と不安になるかもしれません。男のコなら誰もが経験することですね。でも大丈夫、このゲームには親切なチュートリアルもついていますし、なにせいじるのはそんなに難しいことではありません。

advertisement

 「せがれいじり」の世界にあるオキモノとよばれるなにかに近づいて◯ボタンを押して調べるというだけです。新しいものを調べると、経験を積むことになるので、当然大きくなります。


せがれいじり

 ちなみに、大きくなるのはママです。せがれではありません。


せがれいじり

 さて、「せがれいじり」ではオキモノを調べると大抵の場合作文を作ることになります。例えば最初のオキモノでは「ママの/せがれの/ラブラブの」「むすこ!!/むすめ!!/う*こ!!」を組み合わせて「せがれの むすこ!!」「ラブラブの むすめ!!」「ママの う*こ!!」といった文章を作ることができます。そして、作文が完成すればその作文に沿ったCG紙芝居/ムービーが流れるわけです。

advertisement

 また、何回かそうやって文章を作っていると新しいオキモノが世界に生成されるので、それを調べるとママが大きくなり、ママが一定まで大きくなると「のりもの」が増え、「のりもの」が増えると世界に行ける場所が増え、場所が増えると新たなオキモノを調べられるようになります。斯様に、全ての要素が密接に絡み合っており周到に構築されたゲームであるといえるでしょう。いえるんです。


せがれいじり

 最初の「のりもの」はくだんです。牛の身体に人間の頭という恐ろしい見た目をしていますが口調から察するに多分気のいいやつです。あんまり詳しくは知りません。くだんに乗ることでせがれは「山」の地形にアクセスすることができるようになります。こうやってゲームを進めていくことでどんどんとママが大きくなり新たな乗り物が増えるので、空中や地中、最終的には宇宙などにも行くことができるようになります。宇宙に行ってもやることはあんまり変わらないのですが……。


せがれいじり

 さきほど「オキモノを調べると大抵の場合作文を作ることになります」と、書きましたが、そうでないオキモノもあります。例えばミニゲームを遊ぶことができるようなオキモノもあり退屈しませんよ! 最初に出会うミニゲームは「インベダンペイ」で、インベーダーゲームと丹下段平を混ぜたすごいゲームです。当時から既に「あしたのジョー」はかなり古いマンガでしたから、子どもたちはさっぱり何のことやら分からなかったことだろうと思います。実際僕も子供のころは分からず、今やってようやく分かりました。「インベーダー」と「丹下弾平」だと「ん」と「だ」しか合ってない。


せがれいじり

 というわけで、ここまで読んできた聡明な読者諸君であればお気付きのことであろうと思われますが、「せがれいじり」は全体的に極めてナンセンスな「完全に狙って作られたバカゲー」です。くだらないギャグやCGの数々は「ウゴウゴルーガ」のCG作家として知られる秋元きつね氏によるもので、今の感覚で見ても画面のつくりやフォントなどがオシャレに感じられるのは氏のデザインセンスの為せる技でしょう。

 ちなみに結構売れたらしくなんとPS2で続編である「続せがれいじり ~変珍たませがれ~」も出ています。そういうこと全部分かって遊ぶなら良作だと思いますし、最近こういう「どうかしている」ゲームはめっきり減っている印象もあるので、興味のある方は過去に立ち返って遊んでみると面白いかと思います。僕もこの機会に再プレイしてみて普通にめっちゃ面白かったです。本当にいいゲームですよ。


せがれいじり

 本当にいいゲームです。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/26/news022.jpg 「日本人だけが感じる絶望」 職場に置かれたドーナツ → “抹茶味”かと思いきや…… “まさかの事実”に反響「怖くて泣いちゃった」「笑いました」
  2. /nl/articles/2503/25/news028.jpg 「これはうれしい」 引っ越しのあいさつでもらった手土産、開封したら…… “センス抜群の中身”に「参考にしたい」
  3. /nl/articles/2503/24/news034.jpg 「多分日本で1位、2位を争う」 3児のママが書いた“通園経路図”がすごい! 「えーめちゃ最高ですね」「中高生だったら溜まり場」
  4. /nl/articles/2503/22/news096.jpg 40歳女性、“ネットで買って失敗した服”→似合わせアイデアを募集したら…… 驚きの結果が720万再生 「すごい!」
  5. /nl/articles/2503/25/news050.jpg 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
  6. /nl/articles/2503/26/news030.jpg 「やばい髪形にされた」とショートが気に入らなかった女性→バッサリ切ったら…… 衝撃のビフォアフに「可愛い過ぎる」「半端ねぇな」と反響
  7. /nl/articles/2503/23/news042.jpg ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
  8. /nl/articles/2503/26/news110.jpg 「この値段は信じられない」 ワークマンの“2500円防水バッグ”に高評価殺到 「即買い」「使い勝手最高」
  9. /nl/articles/2503/25/news022.jpg これが駅前だって!? 世界最大級のデカすぎる重機が並ぶ景色が920万表示 「かっけぇぇぇ!」「どうやってここまで」
  10. /nl/articles/2503/23/news033.jpg 段ボールに切れ込みを4つ→“信じられない変形”をするライフハックに80万再生の反響 「今世紀最高の技だ」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  2. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  3. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  4. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが550万再生「凄すぎて笑うしかないw」「チーズが、、、」 話題になった作者に話を聞いた
  5. ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
  6. ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
  7. 水族館のイカに“指でハート”をしてみたら… “まさかのお返し”が190万表示「こ、こんなことあるのか」
  8. 「ひどすぎ」 東京ディズニーランドで“約100人のドジャースファン”が一斉に“迷惑行為” 「やめてほしい」と物議
  9. 19万8000円で購入した超高級魚を、4年間育てたら…… ド肝を抜く“大変化”に「どんどん色が」「すごい」
  10. 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に