終わって淋しい「凪のお暇」 号泣しなかった慎二と涙を見せたゴン、どっちも選ばなかった凪が大正解最終回(1/2 ページ)
凪と慎二の関係は一貫して慎二の片想いだった。
9月21日に「凪のお暇」(TBS系)の第10話、最終話が放送された。大島凪(黒木華)は、我聞慎二(高橋一生)も安良城ゴン(中村倫也)も選ばなかった。これしかなかったと思うのだ。
涙で示したゴンの“メンヘラ製造機”からの卒業
「凪のお暇」は成長の物語だ。凪だけではない。登場した者全員が、夏の終わりを境にリスタートを切っている。
ゴンのせいでメンヘラになった女子の暗喩として、エリィ(水谷果穂)はベランダに生え放題のゴーヤを指摘していた。
「あんたの部屋のゴーヤだってさ、水あげるだけあげて優しくしといて、実がなって弾けたらまんま放置じゃん」
アパートの取り壊しをきっかけに、生えっぱなしだったゴーヤを凪と共に収穫するゴン。それを終えると、ゴンは新たな転居先に凪を連れて行った。
1人で住むには少々広めのアパートで、ゴンは凪に告白する。
「ここで一緒に暮らそう。ずっと一緒にいよう」
ゴンが差し出した鍵は簡素なもの。以前の鍵に付けてあったキーホルダーは万華鏡になるタイプで、ハマればトリップ感覚に陥るゴンの魔性を思い出させた。今のゴンは人生のパートナーとして凪と誠実に向き合いたいと思っている。メンヘラ製造機から卒業するということ。
「俺、おばあちゃんになった凪ちゃんの横で昼寝したい」
プロポーズにもとれるゴンの申し出を、凪は断った。
「凪ちゃんいなくなったら……俺、何もなくなっちゃうよ。ダメなんて言わないで」
はぐれ雲のようだったゴンが必死に食い下がっている。女子たちを闇落ちさせてきたゴンが、今までの子たちと同じようにメンヘラになっている。「何もなくなっちゃうよ」と口にする姿は、人の罪悪感に訴える夕(片平なぎさ)のやり口を彷彿とさせなくもない。
今までの凪ならゴンに身を任せていたかもしれない。けど、空気に流されず、凪は自分の意志で断った。お暇を過ごした凪の成長だ。
ゴンは凪を抱きしめた。凪との初めての夜に似た体勢。なのに全く違って見えるのは、ゴンの成長も表している。「凪ちゃんをとられても泣かないでね」と慎二に宣戦布告したのに、今日はゴンが泣いている。今まで傷付けた女の子の気持ちを知るため、ゴンはふられないといけなかったのかもしれない。
慎二は過呼吸で倒れ、足立心(瀧内公美)は同僚にLINEで陰口を叩かれ、ゴンはままならぬ愛の苦しみを知った。相手にしたことが自分に降りかかることで果たす成長。叶わなかったけども、ゴンは最高の初恋ができてよかった。
慎二が出した「どうしたらあいつの役に立てるかな〜」の答え
吉永緑(三田佳子)の壮行会で描かれたカラオケのシーン。すでに、ここに予感めいたものはあった。
かつて、「アットホームごっこ、反吐が出ます」と言っていた慎二が会を心から楽しんでいる。自分で壮行会を企画し、友人の前で歌う凪を見て笑顔になる慎二。「こいつも人前で歌えるようになったんだな」と、その顔に書いてある。
慎二は、凪をデートに誘った。デート当日の凪が可愛いのだ。天パーを生かしたヘアアレンジ、ナチュラルでカジュアルなお洒落。かつての局アナファッションは他者からの視線重視で無理し過ぎだったし、お暇中は無頓着過ぎた。
慎二「おっ。どしたの、その服?」
凪「エリィさんとこで買った。変?」
慎二「いや……似合ってる」
「めっちゃ可愛いぃぃぃぃーーーっ!」という慎二の声が聴こえてきそうだ。コーヒーを飲もうとカフェに入りかける慎二を止め、水筒を出した凪。「それでいい?」という凪の問いに「これで……これ飲みたい」と答える慎二。かつて、ドライブデートの車中で水筒を出した凪に「お茶はいらない」と冷たく言い放った慎二。あれから、慎二も変わった。
水族館で、凪は慎二にウィッシュリストを見せた。
「今は少しずつ見つけられるようになったの、本当にやりたいこと。お暇中に会ったみんなのおかげで」
「自分の運転で出かける」と「友達と飲む」は白石みすず(吉田羊)からの影響。「人に興味を持つ」はママ(武田真治)からの影響。「サッカーを見に行く」と「音楽を聴く」はバブルのお客さんからで、「好きな服を見つける」はエリィから。「美味しい空気をあげられる人になる」はゴンからの影響だ。そして、慎二からインスパイアされたウィッシュはそこには書かれていなかった。
「どうしたら、俺があいつの役に立てっかなー」と、慎二はずっと考えていた。
凪「今ね、ちょっとだけ未来が楽しみなんだ。でも……」
慎二「その未来に俺はいない。だろ?」
慎二の「あいつの役に立てる」こととは何か? なぜ、慎二は凪をデートに誘ったのか。
「もう〜いいよ。わかった。認めてやるよ。お前はもう1人でしっかり泳いでるよ。だから、お暇卒業すんだろ? だから、俺もお前を卒業してやる。俺が話したかったのは……お前は絶っ対に大丈夫、ってこと」
かつて、「お前は絶対変われない」という言葉を放った自分だから、「お前は絶対大丈夫」と言ってあげたい。幼少期から否定され続けてきた凪にとって、今まで受け取ることのなかった絶対的な肯定。お暇の最後の1日をもらってまで、これをどうしても伝えてあげたかった。告白するよりも愛が深かったと思う。
最後、ハグを求めてくる慎二を凪は拒否した。
凪「それは、ちょっとごめん。いや、何か違うかなって」
慎二「えっ、そこは空気読むとこだろ〜。どんだけ心狭いんだよ!」
ずっと慎二の顔色をうかがい、「して」の要求に抗えなかった凪。なのに今、2人は対等な関係にいる。カラオケで歌うよう促された凪を「いや、こいつは人前では……」と庇おうとした慎二。でも、新しいことにチャレンジしようとする凪は「ジュリアに傷心」を歌い上げた。陰から支える慎二を卒業する伏線だったのではないか。
デートに備え、お洒落してきた凪。ウィッシュリストの1つ「好きな服を見つける」に、もう挑戦している。凪は踏み出していた。その第一歩を初めて見せる相手が慎二で本当に良かった。この日、凪の姿を見たときの慎二は少し圧倒されたような顔をしていた。あそこで、慎二は別れを悟っていたように思う。「ダメなんて言わないで」とすがるゴンに対し、凪の自立を後押しする形の愛を慎二は選んだ。
2人が別れた後、凪の後ろ姿を見つめる慎二。でも、凪が振り返る直前、慌てて水槽のほうに体勢を向け直した。ときめきが残るゴンからは、振り返らずに小走りで去った凪。でも、感謝する慎二には一瞬だけチラッと振り返った。凪と慎二の関係は一貫して慎二の片想いだった。
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