【レビュー】e-bikeどれだけ走れる? 新世代スポーツ電アシ車「CRUISE」で伊豆半島約100キロを走ってみた(1/3 ページ)

2019年はe-bike元年なんだとか!? じわじわ日本にも増えてきたシマノ製電動ユニット搭載スポーツ車に試乗!【写真33枚】

» 2019年09月25日 11時00分 公開
[松本健多朗ねとらぼ]

 2019年、「e-bike」と呼ぶ電動アシスト“スポーツ”自転車が日本でも続々登場してきています。

CRUISE 今回試乗した電アシクロスバイク、ミヤタサイクル「CRUISE」

 e-bikeは、クロスバイクやロードバイク、マウンテンバイク、ミニベロなどに電動アシストユニットを搭載したスポーツタイプ自転車を示す呼称です。日本で既に広く普及するママチャリ/シティーサイクル型の電動アシスト自転車と基本的に仕組みや法規制などは一緒ですが、どちらかというと実用性よりも趣味性が高く、サイクリング、長距離ライド、ヒルクライムといった趣味やスポーツにまで活用範囲を広げた車種を指します(関連記事)

CRUISE (参考レビュー)Ternのボッシュ製電動ユニット搭載e-bike「Vektron S10
CRUISE (参考)ルイガノのシマノ製電動ユニット搭載e-bike「AVIATOR-E

 今回は、日本のシマノ製電動アシストユニットを搭載したミヤタサイクルのクロスバイク型新モデル「CRUISE(クルーズ)」に試乗。1回の充電で最大115キロを走れるというその実力を、アップダウン、山に海に、風光明媚な景色も楽しめる約90キロの伊豆半島コースで確かめてみました。

最大115キロ走れる、シマノ製電動ユニットを搭載した新型クロスバイク

 CRUISEは、シマノの250W電動ユニット「STEPS E8080」を搭載したクロスバイク。ストレートハンドルのクロスバイクなので、ドロップハンドルのロードバイクに比べると街中や普段使いにも扱いやすいスタイルです。

photophoto カラーはピュアホワイトパールとクリアブラックの2色。フレームサイズは43(適正身長155〜175センチ)か46(適正身長160〜180センチ)の2サイズを用意する(画像:ミヤタサイクル)
CRUISE 主な仕様 CRUISEの主な仕様(画像:ミヤタサイクルのWebサイト)

 バッテリーは36V/11.6Ahの大容量型。節約するECOモード時で最大115キロ、普通に使う通常(NORMAL)モード時でも106キロと、クロスバイクライドならば丸1日は大丈夫そうな100キロ超えの航続距離を実現します。

今回e-bikeで走るコース 今回e-bikeで走った約90キロの伊豆半島コース

 今回のライドは、静岡県のサイクリスト向けリゾートホテル「コナステイ伊豆長岡」から、西伊豆スカイラインを経由して伊豆半島を回り、同ホテルへ戻る約89キロのコース。途中、峠越えやワインディングロードもあります。

 どのアシストモードを主に使えばよいのでしょう。STEPS E8080には、強力にアシストするがバッテリー消費量の多い「HIGH」モード、アシスト力と航続距離のバランスを取った「NORMAL」モード、アシスト力は控えめながら長い航続距離を実現する「ECO」モードの3つがあります。あらためて航続距離のカタログ値は、HIGHが78キロ、NORMALが106キロ、ECOが115キロです。

 コースは約89キロ。途中で電欠するのは嫌なのでHIGHでは少し足りません。しかしECOでバッテリーを節約したとしても、アップダウンも大きいこのコースなら、電アシの力を存分に得て「楽」できなければ意味がありません。今回は常時NORMALモードで走ることにしました。

コナステイ伊豆長岡 サイクリスト向けリゾートホテルのコナステイ伊豆長岡を出発
航続距離は105km サイクルコンピュータはシマノの「STEPS SC-E6010」を装備。車速、走行距離、航続距離の表示から、アシストモードの切り替えやライトオン/オフの制御などが可能。スタート時の画面は、ノーマルモードで航続距離(残りの走行可能距離)「105キロ」と出ていた
走行距離は勿論0km 走行距離はもちろん0キロ。ではスタートです

 ホテルを出発し、狩野川沿いを走ります。この辺りはほぼ平地でクルマの通行も少ないので、スイスイと気持ちよく快適に走れます。平地走行で実感したのは(ママチャリ型電アシ車よりも)「何だか運転が楽しい」ことです。ロケーションが良いこともありますが、「アシストの出方」が家にもある一般的なママチャリ型電アシ車とは少し違うのです。

 ヤマハ発動機やパナソニックなどが展開するママチャリ型電動アシスト車は、もちろん車種や年代、シリーズなどで多少の差はありますが、もっとも力がいる発進時に電力でグンッとアシストすることで、走り出しが楽だと感じる味付けとなっています。しかし走り出してしまうと「アシストしてくれている」感は鈍くなる傾向があります。

 それに対してCRUISEは、発進時よりも加速時(加速したいとき)のアシストを重視した味付けだと感じます。スイスイーと巡行中しながらも、加速したいときにクッと踏み込めば、グンッと心地よく反応してくれます。脚にモーターが付いたかように軽快な感覚を味わえます。ここが「お、運転が楽しい、走っていて楽しい」と思えた理由です。

狩野川沿いをサイクリング 狩野川沿いののどかな平坦路

 修善寺駅着で、走行距離8.3キロでバッテリー残量97%。サイコンの航続距離表示は130キロとなぜか増えていましたが、これは直近時間単位の走行状況で計算するためのようです。スタートからこの区間までは平地で、信号ストップも少なく時速20キロくらいで巡行していたので、アシストが発生することがあまりありませんでした。

 ちなみに自転車の電動アシストは日本の道路交通法上、いくつかの規制があります。電動アシストは時速24キロまで(しか出してはいけません)となるのは皆さんご存じと思います。アシスト比率は、時速10キロまでは最大で人力比2倍の力でアシストでき、時速10キロを超えると時速24キロまで徐々にアシスト力を制限していくように設定します。緩やかに下げるのか、一気に下げるのか、段階的に下げるのかなど、この設定によって出力の感じ方や味付けが変わります。

電動アシスト法令 (参考)日本の法令基準における電動アシスト出率(出典:ヤマハ発動機
修善寺駅で休憩 修善寺駅で休憩
航続距離は130キロに上昇 サイコンの航続距離はなぜか130キロに増えていた。平地でアシストをあまり使うことなく巡行していたためと思われる
8.3km走行。バッテリー残量は97% 8.3キロ走行し、バッテリー残量は97%
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた