【たぶん日本最速レビュー】ありそうでなかった「大喜利」に日本初対応!? 10年ぶりに改訂された『岩波国語辞典』はここがスゴい(1/4 ページ)
たぶん日本のWebメディアで一番早いと思います。
刊行が待ち望まれていた『岩波国語辞典』(『岩国』)の10年ぶりの改訂版である第8版が、去る2019年11月22日、ついに書店に並びました。
その2カ月前のこと、私は神保町ブックフェスティバルの会場にいました。『岩国』を刊行する岩波書店もブースを出しており、そこに『岩国』の外箱と、内容見本のリーフレットが置かれていたのです。
「うひょー! 箱の写真撮ってもいいですか!」
「はあ、はい……お好きなんですか?」
「大ファンです!」
「はは、ありがとうございます……」
岩波書店の営業さんをドン引きさせるほど興奮してしまいましたが、リーフレットを読み、熱狂はさらに絶頂へと向かいます。
おおぎり【大切り】(3)……。転じて、出題に対して滑稽な回答や転機を競い合う演芸。▽(3)は「大喜利」とも書く。
ほげえええええ!!! すごいよ!!!!!!!
何がすごいのか分からない方のために説明すると、「大喜利」はもともと「寄席の最後にその日の出演者たちが行う余興」を意味していたのが、お題に対して面白いことを言う余興そのものが「大喜利」と呼ばれるようになったということを記録しているわけです。
確かにネット上でみんなが1つのテーマに対してボケを連発するようすを「大喜利状態」なんてたとえたりしますよね。で、この用法をキャッチできている辞書は他にまだなく、おそらく『岩国』が最初なのです。いやあ、すごい観察眼です。
「そんなの、『岩国』がいちばん新しい辞書なんだから、他の辞書になくても仕方ないでしょ」と思われるでしょうか。ところが、そうとも言えないのです。
第8版の序文には、以下のようにあります。
「新しい語、新しい意味・用法については、他の辞書に比べて若干慎重な姿勢をとり、十分に定着したと判断されるものを掲載するようにしている」
「他の辞書に比べて若干慎重な姿勢」をとっているにもかかわらず、他の辞書にまだない「大喜利」の新用法を載せていることが何を意味するか。「お前ら、こんな意味も見落として、観察が足りねえんだよ」という、『岩国』から他の辞書に対する痛烈なメッセージなのです(私の勝手な解釈です。念のため)。
ライター:ながさわ(Twitter:@kaichosanEX/ブログ:四次元ことばブログ)
数百冊の辞書を保有する辞書コレクター。暇さえあれば辞書を引いている。「四次元ことばブログ」(http://fngsw.hatenablog.com/)で辞書や日本語について発信中。
【たぶん日本のWebメディアで一番早いと思います】『岩波国語辞典』第8版レビュー
こういう方針の辞書なので、新しく追加された項目には「こんなことばがもう辞書に載っているなんて!」とびっくりするような新語はあまりありません。ためしに、先頭から順に、新しく加わったことばを20語抜き出してみます(語義の追加は除く)。
アーティスティックスイミング/IoT/相異なる/愛車/アイシング/アイスキューブ/アイスダンス/ID/相半ばする/アイバンク/iPS細胞/アイマスク/アイライン/アウェー/アウター/アウトウェア/アウトソーシング/青紫蘇/青田売り/青房
「IoT」など新しめの語もあるにはありますが、必要なことばをしっかり補う、堅実な追加という印象です。そう、この堅実な改訂こそが、『岩国』の真髄なのです。
話題性のために、全く新しいキャッチーなことばを辞書に入れるのは簡単ですし、宣伝にもなります。しかし、そうはしないで、明治の後半くらいから現代までの日本語に広く目を向け、急がずじっくりと加筆修正を施していく。この地道な営みに敬意を表します。『岩国』の信頼感はここに裏打ちされているのです。
では、どんな項目が修正されているか、詳しく見てみましょう。
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