連載
» 2019年12月06日 19時30分 公開

「アナと雪の女王2」を漫画でレビュー ディズニープリンセスにとってもはや、恋愛も結婚も“一番大事なもの”じゃない

我らのアナ雪……今回も最高でした。

[直江あき,ねとらぼ]

 感想を描いた漫画が「ステマ(ステルスマーケティング)ではないか」という疑惑で話題となってしまった映画「アナと雪の女王2」。その流れでこの記事を書くことにやや「どうしよう……」と思っている筆者ですが、公開日のチケットを自分で取って映画館に行き、勝手に漫画を描いていました。ステマじゃないよ!

 真実の愛は王子様からのものに限らない。恋愛至上主義と言われることも多かったこれまでのディズニープリンセスの常識を打ち破った大ヒット作「アナと雪の女王」(2013)の衝撃から6年、続編はどのように描かれているのでしょうか。


ライター:直江あき(ブログ:気ままに夢見る記

ライター・漫画家。早稲田大学教育学部卒。一児の母です。ブログ「気ままに夢見る記」に漫画などをアップしていきたいと思っている。

アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2

アナとエルサは“ひとりで冒険”する

 アレンデールを救った前作から3年後。平和に暮らしていたアナ達でしたが、不思議な声に呼ばれたエルサとともに、またもや旅に出ることになります。

 今回注目したいのは、女の子と冒険について。これまでディズニープリンセスに限らず、女の子と冒険の描かれ方は「冒険に行った男の子が帰ってくるのを待つ」もの、もう少し進んで「女の子も一緒に冒険に行く」ものでした。描かれ方はだんだんバラエティに富んできて、2010年に公開された「塔の上のラプンツェル」では長い髪を巧みに操り冒険に出かけるラプンツェルの姿が観客の心を掴みました。ただし、物語に恋愛の要素が入ると、最後の見せ場は男の子のものとなります。それが恋愛に必須の描写であるかのように。

 また、ディズニープリンセス作品でも恋愛描写がなかった「モアナと伝説の海」(2016)や「シュガー・ラッシュ:オンライン」(2018)とも男性との関わり方が違ったものとなっています(ヴァネロペがプリンセスかどうかは諸説ありますが)。

 前作「アナと雪の女王」では、アナの冒険には、クリストフの助けやオラフの励ましが必要でした。しかし今回、窮地に陥ったアナが、どのように立ち直るのかが注目すべきポイントです。

 エルサもひとりで冒険に立ち向かい、困難に見えるけど、同時にワクワクしていた。だからこそ清々しい気持ちで自分を誇れるのだと訴えかけます。

 大切なのは愛だという根底のテーマは変わっていませんが、その描き方はどんどん進化しています。

 男が冒険に出るときは女は黙って帰りを待つ……という古い価値観から、女も一緒に冒険に出るという段階へ。そして今度は女子がひとりで冒険に飛び出す時代へなりました。新しいプリンセスの形から目が離せません。

アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2

女の子は恋愛に縛られなくていい

 本作は設定やテーマが盛りだくさん、シリアスな展開も立て続けにやってきますが、その中で“息抜き要素”になっているのが、プロポーズを試みようとするクリストフの姿ではないでしょうか。ちょっと滑稽(こっけい)に描かれているんですよね。恋愛描写はもはや物語の主軸ではなく、息抜きにしか過ぎないのです。

 現代ではまだまだ、していようがしていまいが、とにかく「結婚」というものが重い。筆者は小さな頃からずっと「女の子は結婚するから」と言われてきました。そして結婚したら仕事や趣味の場でも「旦那さんは許してくれるんですね」「結婚したなら働かなくていいよね」という言葉をかけられることがあります。そこに意志が尊重されていないように感じてしまいます。夫婦別姓もまだ認められず、結婚によって生じる女性の負担が多いように感じます。

 そんな中で、本作では、プロポーズしようとしている姿を滑稽に描き、これまでのディズニー映画では重要な要素であったキスもさらっと描いています。むしろ国の一大事をかけた重要な局面にも関わらずプロポーズをしようとするクリストフが面白おかしく描かれています。ハンスを元カレ呼ばわりするアナ。キスも気軽なものです。

 キスで森は救えないし、みんなが恋愛や結婚をするわけでもない。こんなに恋愛や結婚がサラッと描かれるディズニープリンセスものがあったでしょうか。恋愛に縛られすぎないその姿は、少女たちの励ましになるのではないでしょうか。

 おっちょこちょいで恋に恋をしていたアナもしっかり者に成長。粗忽者(そこつもの)の筆者としては少し寂しいですが、いまの時代の若者向け映画にはまだまだ、自立に向け成長していく女性を描く使命があります。

アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2
アナ雪2

 雪だるまのオラフの声優がピエール瀧さんから武内駿輔さんへ変更となりました。独特の喋り方とふとした拍子に出す「いい声」のギャップが観客の笑いを誘っています。

 声優交代やらステマ疑惑やらいろいろ騒動となった「アナと雪の女王2」ですが、本作は困難な状況に立ち向かうための心構えや乗り越え方を描き、背中を押してくれる映画です。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2201/16/news037.jpg 勝手に「サービス終了ゲーム総選挙」をやったら6700票も集まってしまったので結果を発表します 2位の「ディバインゲート」を抑えて1位に輝いたのは……
  2. /nl/articles/2201/13/news170.jpg 「駅の待合室をバケモンが占領している」→“謎の生き物”の正体について大分県立美術館に話を聞いた
  3. /nl/articles/2201/17/news109.jpg 滝沢カレン、倖田來未の“バックダンサー”になりすまし 感極まって「人一人洗えるくらい泣きました」
  4. /nl/articles/2201/17/news112.jpg 杏、ロングヘアを20センチの大胆カット 最強の“ショート美女”が完成で「何しても可愛い!」「ますます素敵に」
  5. /nl/articles/2201/16/news032.jpg 「受けて立ちます」 トヨタ・豊田章男社長の「Zには負けませんから」無茶振りに応える各メーカーの反応をまとめた動画が話題に
  6. /nl/articles/2201/17/news033.jpg 犬「帰らぬ!」 雪が大好きな秋田犬、吹雪の中でも帰宅拒否でふんばる表情が「頑固者」でかわいい
  7. /nl/articles/2201/17/news147.jpg 仲村トオルと鷲尾いさ子の長女・美緒、「今くら」でバラエティー初出演 高身長の“サラブレッド美女”として話題沸騰
  8. /nl/articles/2201/16/news034.jpg ビーズソファ「サイズミスって家が埋まった」 ヨギボーで家がギューギューになった光景に「笑い止まらない」「合成かと思ったw」
  9. /nl/articles/2201/16/news009.jpg お風呂大好きな猫ちゃん、待ちきれず湯船に……! 自ら入る姿に猫飼いから「可愛いすぎw」「羨ましい」の声
  10. /nl/articles/2201/17/news038.jpg 1歳弟に大事なおもちゃを汚されてしまった3歳兄、涙を流して部屋を出て行ったが…… 意外な一言にハッとさせられたパパの漫画に反響

先週の総合アクセスTOP10

  1. 東原亜希、高身長の“BIG長女”に「そういえば君はまだ小学生だったのか」 父・井上康生との2ショットに驚きの声
  2. 人気女優の顔じゃない! 川口春奈、ほぼ瀕死のグロッキー状態に心配の声「完全に目がいってます」
  3. 榎本加奈子さん、大魔神・佐々木主浩と“縁起がよすぎる”夫婦ショット 「10代20代と全然変わらない」と美貌に注目も
  4. 村田充、元妻・神田沙也加さんの愛犬を引き取り新生活 “トイレ初成功”で喜びあふれる「おおおおおお!」
  5. TBS「ジョブチューン」炎上で無関係なシェフへの中傷相次ぐ 代表「何年もかけて築いた評価が一瞬で崩壊した」
  6. 渡辺満里奈、新しい“家族”が空へ旅立ち 早すぎる別れに夫・名倉潤も「聞いたことのない声を上げて泣きました」
  7. 「千と千尋の神隠し」地上波放送でジブリ公式が視聴者の疑問に答える神企画再び 「千尋はどうやって最後お父さんとお母さんを見分けたのですか?」
  8. 「鬼滅の有吉?」「コスプレかと!」 有吉弘行、『鬼滅の刃』炭治郎になった“奇跡の1枚”に反響
  9. 水野真紀、30年前の“振袖姿”が絶世の美女 「正真正銘のキレイなお姉さん」「本当に美しい」とファンほれぼれ
  10. 「もうひとつ、ご報告」神田沙也加、父・神田正輝に新たな家族を抱っこしてもらう

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「どん兵衛」新CMに星野源が復活も衝撃の新展開 “どんぎつね”吉岡里帆の正体明かされ「完全なホラー案件」「狂気を感じる」
  2. ハラミちゃん、“公称145センチ”も本当の身長にゴチメンバー驚き 「デカイっていわれるのが嫌になっちゃって……」
  3. 西川史子、退院を報告 「生きていて良かったと思っていない」と告白も、力強い現在の心境明かす「私は医師です」
  4. 「もうアヒル口」「美人確定ですね!」 板野友美、生後2カ月娘の“顔出しショット”にみんなメロメロ
  5. 「気ぃ狂いそう」 木下優樹菜、生配信中止で“涙のおわび動画” やらかしたスタッフに「生きてたらミスぐらいする」
  6. 東大王・鈴木光、“お別れの笑顔”で司法試験合格を報告「本当にありがとうございました」 SNS閉鎖に涙のエール続々
  7. 「こんな普通に現れるの?!」「バレそうで心配」 倖田來未、駅のホームに“普通に並ぶ”姿にファン驚き
  8. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」「どストレートに餅で笑った」と称賛集まる
  9. 第1子妊娠のすみれ、母・松原千明と2年ぶりに涙の再会 「やっとママに会えました」と感動的な親子ショット公開
  10. 渡辺裕之、66歳バースデーで息子と2ショット 合同誕生日会に「すごいお料理とケーキ」「イケメン息子さん」