「アナと雪の女王2」を漫画でレビュー ディズニープリンセスにとってもはや、恋愛も結婚も“一番大事なもの”じゃない
我らのアナ雪……今回も最高でした。
感想を描いた漫画が「ステマ(ステルスマーケティング)ではないか」という疑惑で話題となってしまった映画「アナと雪の女王2」。その流れでこの記事を書くことにやや「どうしよう……」と思っている筆者ですが、公開日のチケットを自分で取って映画館に行き、勝手に漫画を描いていました。ステマじゃないよ!
真実の愛は王子様からのものに限らない。恋愛至上主義と言われることも多かったこれまでのディズニープリンセスの常識を打ち破った大ヒット作「アナと雪の女王」(2013)の衝撃から6年、続編はどのように描かれているのでしょうか。
アナとエルサは“ひとりで冒険”する
アレンデールを救った前作から3年後。平和に暮らしていたアナ達でしたが、不思議な声に呼ばれたエルサとともに、またもや旅に出ることになります。
今回注目したいのは、女の子と冒険について。これまでディズニープリンセスに限らず、女の子と冒険の描かれ方は「冒険に行った男の子が帰ってくるのを待つ」もの、もう少し進んで「女の子も一緒に冒険に行く」ものでした。描かれ方はだんだんバラエティに富んできて、2010年に公開された「塔の上のラプンツェル」では長い髪を巧みに操り冒険に出かけるラプンツェルの姿が観客の心を掴みました。ただし、物語に恋愛の要素が入ると、最後の見せ場は男の子のものとなります。それが恋愛に必須の描写であるかのように。
また、ディズニープリンセス作品でも恋愛描写がなかった「モアナと伝説の海」(2016)や「シュガー・ラッシュ:オンライン」(2018)とも男性との関わり方が違ったものとなっています(ヴァネロペがプリンセスかどうかは諸説ありますが)。
前作「アナと雪の女王」では、アナの冒険には、クリストフの助けやオラフの励ましが必要でした。しかし今回、窮地に陥ったアナが、どのように立ち直るのかが注目すべきポイントです。
エルサもひとりで冒険に立ち向かい、困難に見えるけど、同時にワクワクしていた。だからこそ清々しい気持ちで自分を誇れるのだと訴えかけます。
大切なのは愛だという根底のテーマは変わっていませんが、その描き方はどんどん進化しています。
男が冒険に出るときは女は黙って帰りを待つ……という古い価値観から、女も一緒に冒険に出るという段階へ。そして今度は女子がひとりで冒険に飛び出す時代へなりました。新しいプリンセスの形から目が離せません。
女の子は恋愛に縛られなくていい
本作は設定やテーマが盛りだくさん、シリアスな展開も立て続けにやってきますが、その中で“息抜き要素”になっているのが、プロポーズを試みようとするクリストフの姿ではないでしょうか。ちょっと滑稽(こっけい)に描かれているんですよね。恋愛描写はもはや物語の主軸ではなく、息抜きにしか過ぎないのです。
現代ではまだまだ、していようがしていまいが、とにかく「結婚」というものが重い。筆者は小さな頃からずっと「女の子は結婚するから」と言われてきました。そして結婚したら仕事や趣味の場でも「旦那さんは許してくれるんですね」「結婚したなら働かなくていいよね」という言葉をかけられることがあります。そこに意志が尊重されていないように感じてしまいます。夫婦別姓もまだ認められず、結婚によって生じる女性の負担が多いように感じます。
そんな中で、本作では、プロポーズしようとしている姿を滑稽に描き、これまでのディズニー映画では重要な要素であったキスもさらっと描いています。むしろ国の一大事をかけた重要な局面にも関わらずプロポーズをしようとするクリストフが面白おかしく描かれています。ハンスを元カレ呼ばわりするアナ。キスも気軽なものです。
キスで森は救えないし、みんなが恋愛や結婚をするわけでもない。こんなに恋愛や結婚がサラッと描かれるディズニープリンセスものがあったでしょうか。恋愛に縛られすぎないその姿は、少女たちの励ましになるのではないでしょうか。
おっちょこちょいで恋に恋をしていたアナもしっかり者に成長。粗忽者(そこつもの)の筆者としては少し寂しいですが、いまの時代の若者向け映画にはまだまだ、自立に向け成長していく女性を描く使命があります。
雪だるまのオラフの声優がピエール瀧さんから武内駿輔さんへ変更となりました。独特の喋り方とふとした拍子に出す「いい声」のギャップが観客の笑いを誘っています。
声優交代やらステマ疑惑やらいろいろ騒動となった「アナと雪の女王2」ですが、本作は困難な状況に立ち向かうための心構えや乗り越え方を描き、背中を押してくれる映画です。
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