“菓子パンだけ”の食事にもダメ出ししないでアドバイス 子育てフリーペーパーの優しい記事が生まれた背景

「悪者を作らないすてきな記事」と称賛された記事には、エネルギー不足から母子を救いたいという切なる願いが込められていました。

» 2020年02月07日 11時00分 公開

 菓子パンだけの朝食でも「甘いものはとにかくエネルギーになる」と肯定して改善をアドバイス――妊産婦向けフリーペーパーの朝食に関する記事がネットで注目を集めました。栄養バランスが偏った食事でも否定しないスタイルに、妊産婦ではないと思われるアカウントからも、数多くの称賛コメントが寄せられていました。


babycoの優しい栄養指導 Togetterのまとめも盛り上がりました。いったいどんな内容なのでしょうか

 話題になったのはフリーペーパー「babyco(ベビコ)」に掲載された、「ママと赤ちゃんの食事と栄養2『朝ごはん』こそ、エネルギー不足改善の決め手!」という記事。「菓子パン(だけ)」や「フライドチキンとミニサラダ(だけ)」など、妊娠中でなくても栄養バランスがいいとは言えないようなメニュー例に対して、「OKポイント」と「改善点」を挙げています。菓子パンだけというシンプルの極みのような朝食に対しても「甘いものはとにかくエネルギーになるので、朝から力を出したいときにはいいと思います」という「OKポイント」が! 


babycoの優しい栄養指導 「改善の余地あり」なメニュー例も……

 記事では「OKポイント」を挙げてから「飲み物や汁物を合わせるといい」「肉を減らしてご飯を組みあわせるのはどうでしょう」と実行しやすそうなアドバイスを添えています。Twitterでは「いったんほめてくれるの優しい」「悪者を作らないすてきな記事」と読む人を責めない姿勢や、「食べる内容を否定せずにプラスポイントを提案」「すごく現実的」などバランスの取れた食事が難しい状況でも参考にできる書き方を評価する声が上がっています。


babycoの優しい栄養指導 「OKポイント」でいったん肯定してから、改善するポイントを具体的に伝えます

 babycoは育児に関する知識や話題を掲載しているフリーペーパー。年4回の発行で、全国約1700カ所の産婦人科関連施設(クリニック、総合病院、助産院、母親学級など)、AEONのベビー売り場、AEON直営の「キッズリパブリック」約140店舗に置かれています。注目を集めていた記事はbabyco vol.49に掲載。一連の特集「ママと赤ちゃんの力をつける食事と栄養」の1つです。



 この「優しい」栄養指導スタイルはどのように誕生したのでしょうか。記事の担当者に聞いてみました。

背景にはエネルギー・栄養不足問題

 babycoで掲載されている食事や栄養に関する記事やレシピは、助産院で約20年間、産前産後の母親の食事を作っている管理栄養士の岡本正子先生が監修しています。岡本先生は、20〜30代の妊娠中の母親のエネルギー不足や栄養不足が多く見られることを問題視していたそうです。

 原因として挙げられているのが、仕事が忙しく朝ごはんを抜きがちであることや、外食や中食(コンビニごはんやおそうざい)がメインで食品数が少なく、栄養不足を引き起こしていることなど。母親がエネルギー・栄養不足だと、赤ちゃんに十分な栄養が行き届かず低栄養・低体重になる危険性があり、また、出産に時間がかかって母子ともに命の危険に直面する可能性もあるといいます。


babycoの優しい栄養指導 特集「ママと赤ちゃんの食事と栄養」では、まず、妊娠中の母親のエネルギー不足について問題提起

栄養満点な食事が理想。でも……

 一汁三菜を心がけ、野菜、果物、肉、魚をバランスよく食べるほうが良いことは母親自身も分かっているものの、「便秘気味でおなかが空かず、飲みものだけになっちゃった」「すごくおなかが空いて、朝から高カロリーのものを食べたかった」「どうしても菓子パンしかなかった」など、体調や経済的な事情でできないこともあるのだそうです。

 「こうした現状を理解した上で、岡本先生は『朝ごはんを食べようという意思をもっているだけでも、すごくほめてあげたい』と。取材をしていて、自分が読者の立場だったらこの一言にとても救われる気がしたのです」(担当者)


babycoの優しい栄養指導 管理栄養士の岡本正子先生は、助産院で産前産後の母親の食事作りも担当しています

 そこで特集のコンセプトを、いきなり栄養バランスの取れた理想的な料理が作れるようになることではなく、今食べている朝食に栄養をプラスする知識を伝え、食や栄養に対する意識を高めてもらうというものに設定したといいます。

 「食事や栄養の話となると『妊娠中の理想的な食事スタイル』や『必要な栄養素』の話になりがちですが、若い母親の現状から問題提起し、babyco読者に考えてもらうきっかけ作りが必要だと考えました」(担当者)

“実例”を基にした記事作り

 記事では、妊娠中の母親のエネルギー不足を問題視しつつ、最近の働き方や子育てのスタイルをふまえて食事の改善策を考えたと担当者は話します。掲載されている6つのメニュー例は、岡本先生が母親たちから栄養相談を受けたときに聞いた実例を参考にしています。

 「お料理が好きなママもいれば、大変だと感じるママもいる。岡本先生とともに『一汁三菜は難しそうだけど、主食と汁ものならできるかも』『汁ものを作る時間がないときは、添加物や塩分が多めで具材の少ないカップスープでも、あるほうがすごくいい』など、いろいろな立場で『これなら私でもできそう』という目線で意見を出し合いました」(担当者)

 その上で、最初から「これはだめ」と否定すると母親たちに信頼してもらえないので、まず、良いところを挙げてから改善点を伝えるのを大切にしたとのことです。


babycoの優しい栄養指導 についての記事は、妊娠中・授乳中の食事、赤ちゃんの成長段階に合わせた食事など多数

ネットでの反響を受けて

 担当者は反響の大きさに驚きつつ、今まで地道にコツコツ情報を発信し、今年で14年目を迎えたbabycoが、子育て中以外の大勢の人に知ってもらえたことがうれしいと語りました。

 「今回の特集をきっかけに食事や栄養について興味を持って、ごはん作りが楽しくなったらうれしいです。『親育(おやいく) 子育(こいく) ゆるまじめ』をコンセプトに、ママたちのリアルな声をこれからも大切にしていきたいです」(担当者)

 担当者は自身の経験として、子どものころ、食事をしながら「ほうれん草は体にいいの?」「豚肉は体にいいの?」と気になったことを母親に聞くと快く答えてもらえたり、「おいしい!」と言うと、「食べるって幸せだね」「おいしいってうれしいね」と声をかけてもらったりしていたと話します。そうした経験から食べているものに興味がわき、食べることがどんどん好きになっていったといいます。

 「今、自分が食べているものがどう体にいいのか。ママがその知識をもっていると、子どもへの食育にも深くつながると思います。babycoを通して『知りたい欲』がかき立てられて、食べものへの愛を深めながら、お子さまにも伝えたくなるような新しい食の知識を届けていきたいです」(担当者)


babycoの優しい栄養指導 近年、話題になっているパパの育児についての記事も充実

(谷町邦子 FacebookTwitter

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/19/news166.jpg 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  2. /nl/articles/2404/20/news030.jpg 熟睡する3歳&2歳の姉妹、そっと掛け布団をめくってみると…… あまりにも尊い光景に「待ってキュン死にする」「仲の良さがほんと伝わる」
  3. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  4. /nl/articles/2404/18/news029.jpg 【今日の計算】「12×6−5+1」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/19/news176.jpg サントリーのひろゆき氏起用「伊右衛門 特茶」広告が物議 サントリー「ご意見は今後の参考にさせていただきます」
  6. /nl/articles/2404/20/news019.jpg すっぴんママがスーパーモデル風メイクをすると…… 「同一人物!?」な仕上がりに「素晴らしい才能」「メイク前も美しい!」【海外】
  7. /nl/articles/2404/20/news071.jpg 解体が進められている“横浜のガンダム” 現在の姿が「現代アートみたい」「色気がありますね」と話題
  8. /nl/articles/2404/18/news129.jpg 7カ月赤ちゃんが熟睡中、あの手この手で起こすと…… かわいすぎる寝起きに「天使発見!」「なんてきれいな目」
  9. /nl/articles/2404/20/news051.jpg 東京メトロが「1971年の千代田線の駅」を公開 50年以上前のきっぷうりばに「こんな感じだったんですか!」
  10. /nl/articles/2404/19/news036.jpg 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」