「教員は生徒のために自腹を切るのが当たり前」では“平等な公教育”が実現できない? 現役中学教員インタビュー(1/2 ページ)
学校行事や部活では教員の持ち出し(自腹を切ること)が常態化している、といいます。
公立中学の現役教員に「日々働くなかで感じる学校の課題」を語ってもらう連載企画。今回は「教員が身銭を切ることの“公教育上の問題点”」などについて、Aさん(仮名)にインタビュー。学校行事や部活では教員の持ち出し(自腹を切ること)が常態化している一方、「教育の質に差が出てしまうため、平等性が保てない」という問題もあるといいます。
教員の自腹に頼る学校運営では、“平等な公教育”が実現できない?
―― 以前のインタビューの話になるけど、「『学校はタダ』だと思う保護者、その裏側で自腹を切る先生」という記事にはさまざまな反応があったね
学校行事などにかかる費用を教員が自腹で賄っている実態について、例えば「行事に合唱コンクールが組み込まれているけど、学校の機材は壊れていて使えない → 教員がキーボードやCDプレイヤーを自費で購入している場合がある」という話をしたね。
ネット上だと「うちの担任はそんなこと一言も言わなかった」という声もあったなあ……。いや、俺だって自分の生徒には「また、自腹切るハメになったよー」なんて言わないけども(笑)。
―― 生徒や保護者には見えにくいところかもしれないね
この自腹の問題については、もう1つ言いたいことがある。
公教育と聞くと「制度的に保証されていて、全員一律で同じものが与えられる」という感じがするけど、教員の自腹を認めてしまうと、それが崩れてしまうんだよね。
―― どうして?
自腹というのは自分のお金を使うものだから、切るも切らないも教員の自由。「生徒のためならいくらでも」という先生もいれば、渋る先生もいる。
例えば、卒業のときに生徒全員に記念品をプレゼントする人もいれば、そういうことをしない人もいるんだよね。
―― “財源”が教員のお金である以上、やるかやらないかが各教員の気持ち次第になってしまうわけだ
さらに言うと、経済的な事情も人それぞれ。仮にもらっている給与が同じでも、仕事のために使えるお金は同じとは限らない。
―― 『こち亀』の中川圭一みたいに、公務員として働いているけど、実は大金持ちで……とか?
それは漫画の世界だけどね(笑)。リアルなところでいうと「独身、実家暮らしで家賃や生活費があまりかからない」とか。給与のほぼ全額を生徒のために使っても構わない、という人すらいるよ。
―― 熱心な先生だねえ
でも、例えば、友達とレストランに行ったとする。同じものを注文したのに「作ったシェフが違うから」と友達の方が豪華な料理が出てきたら、理不尽じゃない? 学校ではそういうことがちょくちょく起こってるんだよね。
もしも生徒から「Amazonプライムの会員費と同額」の学級費が得られれば
それから「教員の自腹に頼らざるを得ない状況なら、学級費をもっと取ればいいのに」みたいなコメントもあったから、考えてみたんだけど。個人的には、もしも“学級費として各生徒から6000円ずつもらえる”ようになったら、状況が改善されるかもなあ、と思った。
―― 月に6000円?
いや、年だよ。年に6000円。月換算すると500円だね。要は、「プライム・ビデオ」とかが利用できるAmazonプライムの会員費くらい。
―― プランにもよるけど、金額はだいたいそんな感じだね。Netflixよりちょっと安い
※Amazon公式サイトによると、Amazonプライムの会費は月額プランが500円、年間プランが4900円、Netflixはベーシックプランが月額800円。
以前のインタビューでも話したけど、今の学級費は年間で数千円程度。月に直すと数百円にしかならないから、ティッシュ、ビニール袋あたりを買ったら使い切ってしまう。
1人あたり500円といっても、1クラスにはけっこう人数がいるからさ。30人のクラスだと、1年間で18万円集まる。それだけあれば、学校の設備などがいろいろ整えられるようになると思うんだよね。合唱コンクールの練習で使うキーボードが壊れていても、1万円くらいあれば新調できるし。
―― 本当にやるなら「それは学級費でカバーすべき部分なのか」といった議論も必要かもだけど……取りあえずそれくらいのお金があれば、教員が自腹を切らないといけないような状況は改善されそうだ、と
念のために言っておくけど、月500円というのはかなり適当に言っている金額。半額の月250円でもかなり助かる。
―― その計算でも、年間数千円だったものが9万円まで増えるからねえ
(続く)
※本企画は、現役教員の声をそのまま記事化したものです。実際の労働環境などは自治体、学校などによって異なる可能性があります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
-
そうはならんやろ “バラの絵”を芸術的に描いたら……“まさかの結果”が200万再生 「予想を超えてきた」【海外】
-
「なんじゃこりゃ」 ハードオフでジャンク品発見→“思わず目を疑う”値札に「正直過ぎて草生える」
-
【今日の計算】「5+6×4+1」を計算せよ
-
「SPY×FAMILY」“アーニャ語”っぽい駅名が発見される→「ワロタ」 「シュール」と“8.1万いいね”
-
「天才だわ」「センスの塊」 ごく普通の茶封筒 → 超絶オシャレなアイテムに変身! プロのアイデアが280万再生「こんなのもらったらうれしい」
-
「やば絵文字」見つけた―― LINEで送られてきた“見たこともない絵文字”の正体が予想外 「え、ほしい」「どうやって使うんや」
-
「カードキャプターさくらになりたい」 子どものころの夢を実現させた人に反響→「これは本物だ……」と8.4万いいね
-
「脳がおかしくなった」 新宿駅を出る→“まさかの光景”に思わず三度見 「意味わからん」「田舎者にはマジでダンジョン」
-
これは憧れる…… “1人暮らし歴5年”のこだわりがつまった“1K7畳”に反響 「なんておしゃれ」の声
- “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
- 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
- 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
- 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声
- 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
- 猛毒ガエルをしゃぶった30分後、口がとんでもないことに…… 直視できない異常症状に「死なないで」「この人が苦しむってよっぽど」
- 33歳の「西郷どん」二神光さん、バイク転倒事故での急逝に衝撃 1年前の共演者は“願い”明かし「叶わないなんて」
- 「コレ入れると草が生えない」 外構工事のプロがやっている“究極の雑草対策”に注目
- 「へー知らんかった」 わずか7年で“消えた駅” 東京メトロが明かす“知れば納得の歴史” 「だからあんなに……」
- 秋葉原のトレカ店が“買い占め被害” 近隣店とその常連客が共謀し“全口購入の人員確保” 「大変遺憾で残念な限り」
- 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
- 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
- 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
- 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
- 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
- ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
- 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
- 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」