インタビュー
» 2020年05月04日 20時00分 公開

「朝の読書時間を使って歌詞の穴埋めテスト」をする先生も 中学教員たちも競う“合唱コンクールのリアル”(1/2 ページ)

「『合唱の良しあしには担任としての実力が現れる』と考えられていて」

[ねとらぼ]

 公立中学の現役教員に「日々働くなかで感じる学校の課題」を語ってもらう連載企画。今回は「合唱コンクールシーズンの教員の働き方」をAさん(仮名)に伺いました。教員としてのやりがいも感じられるイベントである一方、体育祭以上に難しい側面もあるといいます。

合唱コンクールは「そもそも“生徒に歌ってもらうこと”が難しい」



 前回は体育祭について話したけど、中学校にはもう1つ大きなイベントがある。合唱コンクールだね。

―― 多くの人が生徒として参加した行事だけど、教員側はどんな風に動いてるの?

 学校によっていろいろあると思うから、あくまでも自分が経験した範囲での話になるけど。

 俺が子どものときは、合唱コンクールの練習って「担当になった生徒が練習を主導 → 歌がある程度完成したら、担任の先生を教室に呼んできて、聞いてもらう」みたいな感じで、担任は職員室で待機していた覚えがある。でも、今はずっと練習を見ているかな。

 本番の1週間くらい前から「合唱コンクールウイーク」的なものが始まって、生徒は朝7時半から20分くらい合唱の練習。放課後も30〜40分くらいで終わり。歌い過ぎるとノドに良くないということもあって、練習時間はそんなに長くない。

―― 合唱コンクール当日は?

 生徒たちは頑張って歌うけど、教員は基本的にそれを椅子に座って見ているだけ。体育祭は運営のためにほぼ休めないから、それと比べると楽だよね。

 だけど、個人的には合唱コンクールの方が、負担感の大きい行事だと思ってる。そもそも“生徒に歌ってもらうこと”が難しい。

―― というのは?

 まず前提として、ほとんどの教員は音楽の指導なんてできない。だから、「楽譜のここはこんな風に歌おう」というレベルではなく、「とにかく歌わせる」「大きく口を開かせる」といった作戦が基本になるんだけど、これが大変。

 カラオケで好きな曲を歌うならともかく、知らない曲を毎日練習させられているわけだから、そりゃあ「何だこれ」と思う人もいるわけだよね。全員を同じ方向に持っていくのが体育祭より難しいと思う。

 不良でも、体育祭でリレーの選手に選ばれたらちゃんと走ってくれるんだよ。やんちゃな生徒ほど体育が好きだし、たくさんの生徒に見られているから頑張る。だけど、合唱コンクールはそもそも歌ってもらうことが難しい。口パクでごまかそうとする。

「合唱コンクールは管理職が教員の力量を測る場所にもなっている」



 もう1つ大変なことを言うと……合唱コンクールって“暗記”なんだよね。

―― 暗記?

 俺の知る限り、どの学校の合唱コンクールでも、本番は歌詞カードが見られない。だから、生徒全員が歌詞を頭にいれないと、そもそも歌うことができない。

 だから、教員はあの手この手で歌詞を覚えさせようとする。さすがに歌うとマズいから、朝の読書時間を使って歌詞の穴埋めテストをやらせたり、場合によっては自分が担当する授業の中でこっそりやらせたり。

―― そこまでやるんだ

 こういうクラスごとに順位のつく行事はすごく盛り上がるものなんだよね。ベテランの先生になると、生徒に「俺たちがどんな練習しているか絶対言うなよ」と“秘策”を用意して、他のクラスを出し抜こうとすることもあるくらい。

―― 合唱コンクールで勝てると、教員はうれしいものなの?

 「合唱の良しあしには担任としての実力が現れる」と考えられていて、合唱コンクールは管理職が教員の力量を測る場所にもなっている。

 優勝して打ち上げの席で管理職にほめられるのは、うれしいものだと思うよ。自分が歌ったわけではないとはいえ、たくさん関わってきたことだから。

(続く)

※本企画は、現役教員の声をそのまま記事化したものです。実際の労働環境などは自治体、学校などによって異なる可能性があります。

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