インタビュー
» 2020年05月22日 21時00分 公開

「ネットワーク機能は使えなくなったが、ドリームキャストで誰かとつながれる」 “今でもドリキャスを遊んでいる人”インタビュー

ドリキャス20年選手にお話を伺いました。

[ねとらぼ]

 2001年、ゲーム機戦争(各社の販売競争)に破れたセガはドリームキャストの製造を中止。約20年にわたるセガハードの歴史は幕を閉じた―― 長年のゲームファンの方ならば、こんな文章を目にしたことがあるのでは? 確かに今、ゲーム“会社の歴史”を書こうとするとこうなってしまうのかもしれませんが、ゲーム“ファンの歴史”はどうやら違うようです。

 本記事は“ドリームキャストを現在でも遊んでいる人”にその魅力などを伺うインタビュー企画。今回は、「現代の子どもにも好評」「ネットワーク機能が使えなくなった今でも、誰かとつながれるゲーム機」と語る長年のプレイヤーにお話を伺いました。

連載企画:【令和】ドリキャスを遊んでいる人インタビュー

 「10年早いんだよ!」は“時代を先取りし過ぎるゲームメーカー”こと、セガの代名詞。その象徴ともいえるのが、ネットワーク接続機能などを1990年代末に導入したドリームキャスト。「時代が変わり、その先進性がむしろ当たり前のものになった今、同ハードの魅力は?」と、Twitterで「今でも遊んでる人」の募集をかけてみたところ、集まり過ぎちゃったので全5本の連載企画になりました。

「子どもたちにドリームキャストを浸透させる裏工作をしています(笑)」 ヲタナースさん(@NISSANVZR



―― Twitterアカウントを見たのですが、「新日本テレビゲーム愛好会」(@sinlovegame)という団体の会長さんなんですね

 はい、新型コロナウイルスで活動自粛中ですが、「押し入れに眠っているゲームを持ち出して、皆で遊ぼう」というのが基本的な活動。自分たちだけで楽しむのはもったいないと思い、一般開放してボランティア活動として行うようになりました。セガさんから許可もいただき、“eスポーツ体験会”と称して、現代の子どもたちにドリームキャストを浸透させる裏工作をしています(笑)。

 ゲームを触ったことすらないような小さな子もいますが、評判は上々です。

―― どちらかと言えば“ゲーマーが好きなハード”というイメージでしたが……そうなんですか?

 アーケードゲーム移植作など、直感的な操作で遊べるゲームが多いんですよ。お父さん、お母さんがプレイしているので、子どもに遊び方を説明しながら親子二世代で楽しめるのも魅力的だと思います。




ヲタナースさん「Nintendo Switchで『釣りスピリッツ』が流行っていますが、ドリームキャストの『ゲットバス』は“リアルな釣りスピ”としてウケが良いです」

―― 実は“ドリキャスは皆で楽しめるハード”というのは意外ですね

 よく見るとコントローラーポートも4つあって、NINTENDO64などのように多人数で遊べるのですが、現役時代はマイノリティーなハードでしたからね。私は1998年11月27日(本体発売日)からドリームキャストをプレイしていましたが、4人で遊んだ経験はありませんでした。

 最近はむしろ「多人数プレイがドリームキャストのあるべき姿なのではないか」と考えるようになり、当時はできなかった多人数プレイを楽しんでいます。「パワーストーン2」「パワースマッシュ」「ぐるぐる温泉」は4人プレイが楽しいですよ。酒飲みながらやっています(笑)。

 僕にとっては思い出深いと同時に、まだまだ魅力が出てくるハードだと実感しています。

―― ドリキャス愛がスゴい

 ドリームキャストは周知の通り、出る前から自虐的なCM戦略で“負けハード”的な空気で。生産体制が整って「サクラ大戦」「バイオハザード」「シェンムー」などのキラータイトルの発売も決まり、さぁ、これからだ! というときにPS2が現れました。

 それでも、「PSO(ファンタシースターオンライン)」、NAOMI基板の移植作などこのハードならではの魅力があるぞ、と思っていたら、ハード生産終了&セガの事業撤退ですよ。心の準備なんてできていませんでしたし、いまだにセガハードがなくなった事実を認めたくない気持ちがあります。

 僕らにとっては、今でもドリームキャストがセガの最新ハードなんです。


ゲーム会では、有志で寄付していただいたほぼ未開封のドリームキャストでプレイしています」とヲタナースさん。この他「普段使い」「予備機」の計3台を所有しているそうですが、「全て快調に動作しています」とのこと

「今も良い夢を見させていただいているゲーム機」 ユ−ダチさん(@Shower_1508


「EVO Japan 2020」で行われた「燃えろ!ジャスティス学園」大会のもよう



―― ドリームキャストはいつからプレイしていますか?

 プレイ年数20年。「自宅のドリームキャストで格闘ゲーム『燃えろ!ジャスティス学園』を練習 → 東京都、大阪府などのゲームセンターに足を運んで対戦する」ということをかれこれ5年間続けています。

―― なぜそのような楽しみ方に?

 高田馬場のゲームセンター「ミカド」(※)で行われた、このゲームのアーケード版対戦会に行ったのがきっかけ。そこで人のつながりができて、「また参加しよう」と思ったんです。ただ私が住んでいる岡山県のゲームセンターにはアーケード版がなかったので、唯一の家庭用版があるドリームキャストで練習することにしました。

 この5年のあいだに「燃えろ!ジャスティス学園」を通じてさまざまな人と知り合うことができ、また、世界大会である「EVO Japan 2020」にも出場することができました。発売20周年を記念して、トーナメントが開かれたんですよね。

※ミカド:東京都内のゲームセンター。実力者が集う「伝説のゲ−セン」として知られる

―― 発売から20年以上たった今、ドリームキャストの魅力は?

 私にとってドリームキャストは「良い夢を見させてくれたゲーム機」ではなく、「今も良い夢を見させていただいているゲーム機」です。

 ドリームキャストのネットワーク機能はもう使えなくなってしまいましたが、現在でもこのハードを通じて誰かとつながることができる。このことだけは、いろいろな人に知ってもらいたいと思っています。

おまけ:ドリキャスあるある

  • 「発熱がすごいため、長時間プレイしているとよく熱暴走を起こし、クールダウンの時間が必要」
  • 「2Pのコントローラーにはビジュアルメモリを刺さず、液晶の窓につい指を突っ込んだりします」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2104/10/news007.jpg 師匠「殺すつもりで来い」→ 師匠オオォォオオーーッッ! 漫画でよく見る“修行あるある”で起こった悲劇に涙が止まらない
  2. /nl/articles/2104/09/news130.jpg JTBの新バーチャルサービスが初代PSレベルで視聴者騒然 「ファイナルソードの続編?」「核戦争後の東京」
  3. /nl/articles/2104/09/news141.jpg “ほぼ新車”の「R32 GT-R」が発掘 お値段もヤバすぎる奇跡の1台
  4. /nl/articles/2104/10/news005.jpg 文鳥が鏡に「ふーっ」と息を吹きかけると…… 文鳥の吐息でできた“世界一かわいいくもり”がいとおしい
  5. /nl/articles/2104/10/news024.jpg マリエの出川哲朗ら巡る告発にマセキ「お騒がせしているような事実はない」 芸能界の枕営業疑惑にひろゆき、武井壮らが独自見解
  6. /nl/articles/2104/09/news101.jpg 「釜の中の3合の線って米用じゃなくて水用だったんすね…」 炊飯器の使い方を知らなかった一人暮らし初心者が話題に
  7. /nl/articles/2104/09/news042.jpg 若手女優の登竜門「ポカリスエット」新CMに15歳の中島セナ CGなしの超大型“動く”セット爆走で綾瀬はるか、川口春奈に続く
  8. /nl/articles/1909/15/news021.jpg どの「R」か、わかる? 歴代GT-Rの「テールランプ」を再現した豆皿セット登場、丸も四角もあるよ
  9. /nl/articles/2104/09/news074.jpg 「銃口からチャーハンが飛び出す」 コロプラ「アリスギア」でゲーム史に残りそうなシュールバグ発生中
  10. /nl/articles/2008/29/news029.jpg 「読めないくらい最悪」 柏木由紀、グラビア動画へのセクハラコメントに怒り「人に言えないことは書かないで」

先週の総合アクセスTOP10

  1. AKB48・大家志津香、人生MAXの65キロに危機感 周囲に迷惑が及ぶ激太りぶりで減量決意「やらなくていい仕事をさせちゃってる」
  2. 初コメダで「量すごいらしいからエビカツパンとビーフシチュー」 → 案の定大変なことになってしまった漫画が様式美
  3. 仲里依紗、息子がスカウトされて大騒ぎ「芸能人なんですけどもね?」 夫・中尾明慶と一緒にスルーされてしまう
  4. 「遺伝ってすごい」「足長っ!」 仲村トオルの“美人娘”ミオがデビュー、両親譲りのスタイルに驚きの声
  5. 山に捨てられていたワンコを保護→2年後…… “すっかり懐いたイッヌ”の表情に「爆笑した」「かっこよすぎ」の声
  6. 「文鳥砲だ!」「躍動感すご」 文鳥が“来るッ…!”決定的瞬間を収めた写真に緊張感が漂っている
  7. 昔から何度も見る悪夢です→「私も見る!」「同じ人がいた」と共感集まる “あるある”かもしれない奇妙な夢の漫画
  8. 「もういいだろう、楽にさせてくれよ」 アントニオ猪木、入院治療中の弱音に叱咤激励の嵐
  9. コクヨが正確な1mmを測れる「本当の定規」全国発売 メモリの境界を“面と面の間”で計測
  10. 高木ゑみさん、35歳で逝去 ステージ4の肺がんで闘病 生前最後の“人工呼吸器も外せた”報告に悲しみの声