わざとシンジのテンションを下げて壁をぶん殴らせまくるゲーム「新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ」でシリーズ完結に備えよう:どうかしているゲームの世界
珠玉の「どうかしているゲーム」を気まぐれに紹介していく不定期連載。久々更新の第6回は、エヴァンゲリオンイヤーにちなんで、実は庵野秀明公認の由緒正しい正統ナンバリング作品「新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ -another cases-」を紹介します。
今年、2020年は「新世紀エヴァンゲリオン」イヤーです。というのも、ファン待望の最新作である「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が多分公開される年であり、それによって長年に渡った新劇場版が多分完結し、エヴァンゲリオンという一つの歴史的なアニメシリーズが多分いったんフィナーレを迎えるからです。多分がたくさん入った文章になってしまいましたが、それは本当に公開されるのか、または完結するのか、実のところあんまり信用していないからです。僕としても全世界のエヴァンゲリオンファンが(前作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」から)8年ぶりに元気を取り戻せることを強く願っています。
と、いうことで今回の記事では、そんな思いも込めつつ、ゲーマーの目線からエヴァンゲリオンというものを振り返っていこうという口実のもと、知る人ぞ知る変なゲームである「新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ -another cases-(以下、造られしセカイ)」を紹介していきたいと思います。
「造られしセカイ」はPS2で発売された「新世紀エヴァンゲリオン2」のPSP移植版です。「エヴァンゲリオンのPCゲームについてはあんまり関知していない(要約)」という告発文を公開したことで話題になった庵野秀明監督も公認している由緒正しい作品で、「ガンパレード・マーチ」や「刀剣乱舞」で知られる芝村裕吏氏が開発に携わっています。
移植とは言いながらPS2版に比べエンディングなど大幅に要素が追加されている実質的な完全版ですので、今からプレイしたい方がおられましたらPSP版でのプレイを強くオススメします。ただし、バッテリーの膨らみには重々お気を付けください!(関連記事)
ゲームを開始するとまず、シナリオ選択画面に入ります。まずはスタンダードに原作通り「碇シンジ」の物語を体験するシナリオ01「使徒、襲来」をプレイしていきましょう。
(あんまりいないと思いますが)原作エヴァンゲリオンのことを何も知らない人のために最低限の説明をしておくと、「碇シンジ」はエヴァンゲリオンの主人公で、中学生の少年であり、人並み外れたナヨナヨ感とナイーブさが特徴です。ストレスがたまりすぎると激怒してすっとんきょうな行動に出がちな困ったヤツでもあります。
ゲーム内での原作再現シーンはなかなかの出来。かの有名な「逃げちゃ駄目だ」のくだりもきちんと再現されています。とはいえダイジェスト感は結構強く「本作だけでエヴァンゲリオンの話が全部分かるほど詳細」というわけでもないので、基本的にはファン向けの作品ではあるでしょう。
なんやかんやあってエヴァンゲリオン略してエヴァに搭乗することになったシンジは、人類を脅かす正体不明の敵「使徒」との戦闘に臨むことになります。戦闘シーンはエヴァをリアルタイムで操作し、コマンドを選んで攻撃するというリアルタイムシミュレーションっぽい感じですが、一部例外的にアクション色が強い使徒戦もあったりします。
なんも分からない人のために一応説明しておくとエヴァというのはでっかい人型の兵器でガンダムみたいなもんだと思っておけば大丈夫です。でも、エヴァファンの前で「ガンダムみたいなもんだよね〜」と無邪気に発言しようものなら前歯を全部折られますので心の中で納得するだけにしてください。エヴァファンは大抵の場合(シンジと同じく)気難しくキレやすいのでエヴァのことをメカとかロボとか言うとすぐに前歯を全部折ろうとしてきます。
戦闘の途中に差し込まれるカットシーンはなかなかの迫力で、PSPにしてはめちゃくちゃ頑張っているほうだと思います。ですが個人的には戦闘が楽しいかというとちょっと微妙です(つまらないとも思わないですが)。
本作の魅力はなんと言ってもアドベンチャーパートです。シナリオ01ではアドベンチャーパート→使徒襲来→戦闘→アドベンチャーパート……みたいな感じでゲームが進行していくことになります。
アドベンチャーパートは大まかに「ガンパレード・マーチ」を踏襲しています。いろいろなマップを移動してAIのキャラクターとコミュニケーションをとって関係性を構築したり、アイテムを買ったり、次の戦闘に備えて訓練したりすることが可能です。
キャラクターには「空腹」「水分」「眠気」「WC」「風呂」という5つの欲求メーターがあり、適度に食事をとったり、水を飲んだり、トイレに行ったりなどをして欲求を満たさねばなりません。テンション的なものを表す重要なパラメーター「A.T.」(A.T.が高くなければできない行動や、低くなければできない行動がある)や、発言力的な「IMPULSE」(特定の発言や行動はIMPULSEを消費する)があって、管理がなかなか大変です。
例えばA.T.が45以下のときはIMPULSEを30消費することで「壁に八つ当たり」という行動を選択することができます。「壁に八つ当たり」を選択すると、シンジが壁をぶん殴った後「…チクショウ…。」とつぶやきます(怖い)。いろいろあってレベル上げ的な作業に効率がよい行動なので、本作に慣れたプレイヤーはわざとシンジのテンションを下げたのち壁をぶん殴りまくります。
本作の最大の特徴はなんといってもその「自由度の高さ」です。取れる行動のバリエーションが無数にあり、結果的に原作ではありえない会話やシチュエーションが生み出されます。自分以外のキャラクターもAIなので異常な行動をとることがままあり、結果カオス状態に陥ります。先ほど「ファン向けの作品である」と書きましたが、こういう変なシチュエーションによるギャップは原作ファンのほうが楽しめるだろう、というのも理由の一つです。
また、他のシナリオを選択すれば主人公である碇シンジ以外のキャラクターでプレイすることも可能。綾波やアスカとなってプレイできるのはもちろんのこと、なんと温泉ペンギンのペンペンとなって遊ぶことまでできちゃいます。
僕のオススメは赤木リツコとなってプレイするシナリオ。リツコシナリオは爛れた関係にある碇ゲンドウに嫉妬させるために、周りの男に手当り次第ちょっかいをかけていくというもの。なんだそのシナリオ。
同僚である青葉シゲルや日向マコトはもちろんのこと、上司である(どう見てもおじいちゃんの)冬月コウゾウや、中学生であるシンジにまで手を出していくリツコの姿は完全に異常者。っていうか普通に大問題なのでは……!? 一応弁護しておきますが、原作でのリツコはこんな異常者ではありません(多分)。
と、すっとんきょうな部分が目立ちがちな本作ですが、ファン向けゲームとしても満足いくマニアックな要素も。ハッキングなどで手に入る「機密情報」には、TVシリーズでは描かれなかった詳細な設定が含まれています。アニメを見てなんだかよく分からなかった人(恐らくほとんど全ての人がそうだと思いますが)の復習にも使えるのであろうと思います。正直僕ぐらいの練度のエヴァンゲリオンファンだと何が書いてあるのかいまいち理解できなかったりもしますが……。
エヴァンゲリオンの世界を入り込んで、いろんなシチュエーションを堪能し尽くせる上、ファン垂ぜんのコアな資料まで含まれる「造られしセカイ」はエヴァンゲリオン上級者にこそオススメの作品です。普通にゲームとして面白いということもありますし、エヴァンゲリオンイヤーの今年、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」観劇の心構えを作るために本作を遊んでおくのはオススメです。異常なことばかり起こるので、劇場でなにか変なことが起きてもきっと動揺しないで済みますよ!
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