オタクの夢「オタク仲間とルームシェア」を叶えた“先輩”の記録 『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』が参考になる(1/2 ページ)

「いつかオタク仲間と暮らしたい」、そんな夢を見たことがある人へ。【試し読みあり】

» 2020年09月18日 20時30分 公開
[ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 「オタク仲間と一緒にルームシェア(シェアハウス)してみたい……!」と夢見たことがあるオタクは多いのではないでしょうか。それを実行に移した“先輩”の記録が読めるのが『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』(幻冬舎)です。

 著者は藤谷千明さん。共著・執筆に『すべての道はV系へ通ず。』『水玉自伝 アーバンギャルド・クロニクル』『想像以上のマネーとパワーと愛と夢で幸福になる、拳突き上げて声高らかに叫べHiGH&LOWへの愛と情熱、そしてHIROさんの本気(マジ)を本気で考察する本』などがある、V系(ビジュアル系)や「HiGH&LOW」に詳しいオタクの女性です。

 藤谷さんは現在39歳。2018年の秋に「体」「生活」「部屋」「お金」「寂しさ」といった種々の不安が襲いかかり、「自分は1人暮らしに向いていない」という現実を実感。さまざまな選択肢を検討した結果、友人にこのメッセージを送ります――「ねえねえ、オタクルームシェアしない?」。

 本書では、メン募(住民募集)、物件探し、審査チャレンジ、契約、実際の生活……と、オタク女子4人がルームシェアに至るまでとそれからの日々を追っています。「これまでずっとハンドルネームで呼び合ってきたので契約時に初めて本名を知る」「推しバンド解散の日にみんなで集まって悼む」というオタクあるあるが楽しく、オタクと住むの、メッチャ楽しそうやん……と夢が膨らんできます。

 一方で、サラリとした読み口の中に考えさせられる部分がたくさんあるのも本書の魅力。「フリーランスだと審査に通りにくい」「賃貸契約では4人それぞれが契約者になるのは推奨されない(その結果、家賃補助などの福利厚生申請が煩雑になることも)」というところには、社会的な信用や後ろ盾が少ない状態から立て直すことの難しさを感じます。(収入の不安などで)固定費を減らしたい→そのために誰かと一緒に住みたい→自分か家族の安定収入が必要→……社会、キビシイ!

 最後の章では「人生の転機が他メンに訪れたらどうするのか」「一生一緒に暮らせるか」という問いに触れられています。これはおそらく、大人になってからシェアハウスをやろうと思う人はみな抱く問いでしょう。ただし、恋人だって結婚だって一生一緒に暮らすとは限らないし、この不安は「他人と一緒に暮らす」こと自体が持っている避けられないものなのかも。本書でどのように“答えて”いるかはここではネタバレしません。

 確かに言えることは、“先輩”たちの暮らしの記録が、“後輩”たちの「やっていこう」という希望になっているということ。ちなみに帯のコメントは阿佐ヶ谷姉妹。阿佐ヶ谷姉妹(※血縁関係なし、女芸人コンビ)は6年間六畳一間で同居し、現在は同じアパートでそれぞれ部屋を借りて“お隣暮らし”をしています。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2407/24/news014.jpg 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  2. /nl/articles/2407/25/news017.jpg 「これが生えたら庭終了」 プロも降参する“何をやっても全部ムダな最恐雑草”の正体が400万再生「ほんとこれ厄介」「土ごと変えないと不可能」
  3. /nl/articles/2407/26/news151.jpg イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
  4. /nl/articles/2407/25/news012.jpg 夜、山中の側溝をのぞいてみたら…… 思わず声がもれる“あらぬ生物”の姿に「ヤバいw」「生で見てみたい」
  5. /nl/articles/2407/25/news007.jpg 水槽の中で卵を発見→慎重に見守って1カ月後…… 小さな命の誕生に飼い主も視聴者もメロメロ「まじで可愛すぎるほんとに可愛い」
  6. /nl/articles/2407/25/news138.jpg 「お父さんはママのオタクだった」 母親が「元・おニャン子」のタレント、アイドルとオタクが“つながっちゃいけない理由”を問いかける
  7. /nl/articles/2407/25/news050.jpg 「立体的に円柱を描きなさい」 中1の“斜め上の解答”に「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」
  8. /nl/articles/2401/26/news015.jpg スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
  9. /nl/articles/2407/26/news119.jpg 工藤静香、15歳の愛犬が天国へ 感謝の言葉つづるも……「泣いてばかり」「心が追いつかない」と悲痛な思い
  10. /nl/articles/2407/26/news008.jpg 外国人が来日して“3年後”…… マクドナルドの“オーダーの変化”に「胃袋が日本人のそれなんよw」とツッコミ
先週の総合アクセスTOP10
  1. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
  2. 6年間外につながれっぱなしだったワンコ、保護準備をするため帰ろうとすると…… 思いが伝わるラストに涙が止まらない
  3. 「お釣りで新紙幣来た!!!!!と思ったら……」 “まさかの正体”に「吹き出してしまった」「逆に……」
  4. 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
  5. ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
  6. 「これ最初に考えた人、まじ天才」 ダイソーグッズの“じゃない”使い方が「目から鱗すぎ」と反響
  7. もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
  8. アジサイを挿し木から育て、4年後…… 息を飲む圧巻の花付きに「何回見ても素晴らしい」「こんな風に育ててみたい!」
  9. スズメの首は、実は……? 「心臓止まりそうでした」「これは……びっくり!」“真実の姿”に驚愕の声
  10. 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
先月の総合アクセスTOP10
  1. 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
  2. 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
  3. 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
  4. 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
  5. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  6. かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
  7. 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
  8. 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
  9. 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
  10. 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」