「人が買ったカレーを盗むな!」嫁姑の“カレールー事件” 妻に出ていかれた相談者は挽回できるのか「テレフォン人生相談」先週のハイライト(2/2 ページ)
家を出ていった妻に「戻ってきてほしい」というのは難しい
この日の回答者は弁護士の野島梨恵。
「財産分与というお話しが出たんでちょっとうかがいたいのですが、4年半前に建てられたこのご自宅は……?」
「土地は妻名義なんですよ。建物は私の名義で、土地は妻の父親が所有してた土地を、妻が相続して」
相談者の両親の土地に家を建てたのかと思っていたら、妻名義の土地だったのか。それなのに同居した上、妻に対して強気の態度を取っている姑、ハートが強すぎる。
「家族会議でアナタは奥さんに『メモの件は反省して欲しい。反省すればやり直したい』っておっしゃったわけですよね? てことは反省しないんだったらもう離婚でいいやっていう趣旨に、奥さんからしたら聞こえたかもしれないですよね」
「……そうですねぇ。反省して欲しかったなって、そん時は思いました」
「じゃあ逆に、アナタの方は何を反省しました?」
「家族LINEに一方的に感情をあらわにして、LINEをしたっていうことをおわびしました」
「ふーん。奥さんとお母さんのトラブルにおいて、奥さんの肩を持つのではなくて、お母さんの肩を持ったことについては謝罪はしなかった?」
「ああ、それは謝罪してないです」
姑には舅(しゅうと)がついている、妻には相談者がついている……ということでバランスが取れていたはずなのに、カレールー事件では相談者が姑側に味方してしまっている。そのことが妻に強い孤独感を抱かせてしまったのだろう。
「言い忘れてたんですけど、母親とウチの妻の間でいざこざがあった時に、ウチの父親が一方的に妻を怒鳴りつけるっていうことが……」
「ますます奥さんには誰も味方がいないわけですよね。家の中で孤立無援であると」
相談者の両親よ、妻の土地に住まわせてもらっているというのに……。
野島は弁護士としての経験上、家を出ていった妻に「戻ってきてほしい」というのはかなりの難題だと指摘した。
「『メモの件を反省すればやり直したい』なんて言ってるうちはまず戻ってこなくてですね、『オレが悪かった。お前にずっと辛い4年間、辛い思いをさせて悪かった。もう二度とこういうことのないようにするから戻ってきてくれないか』そういう風に全面的に言わないとおそらく戻ってこないだろうなあとは思います」「過去の延長線上にある旦那さんではなくて、まったく新しい旦那さんに生まれ変わるくらいの気概がないと」
既に相談者の両親は家を出ていっており、ある意味、嫁姑問題が解消しているのに、それでも妻が別居することを選んだのは深刻な事態だ。
「嫁姑問題だけじゃなく、今までかばってもらえなかった寂しさとか。『お姑さんさえいなくなれば超ハッピーだからやり直せる』っていう風には、まったく奥さんは考えていないんだろうと思います」
2カ月前にカレールー事件が起こり、3日前に妻が出て行くまで、妻がアパートを探しているのを知りながら、相談者は何も手を打たなかったのだろうか?
「それぞれがちょっと離れてみると、また見える物もあるのかな、なんていう私の安易な考えっていうか……」
「先ほど『難しい』って申し上げましたけども、動くんだったら早く動かれた方がいいと思いますよ。奥さんがお父様から相続された土地の上に、旦那さん名義の建物が乗ってるとなると、財産分与どうすんのっていう。結構、そんなに単純な問題ではないと思うんで」
両親と同居するにしても、せめて二世帯住宅にしておけよとしか言いようがない今回の相談。
妻が専業主婦なのか、仕事を持っているのかなど細かい情報は語られなかったが、自分でアパートを探してさっさと出ていってしまったことを考えると、仕事を持っている可能性は高そうだ。
となると、建物は相談者名義になっているとしても、実質ふたりで住宅ローンを返しているということ。この状態で「出ていけ」と言ってしまえる相談者は考えなしにも程がある。
妻名義の土地に建つ、まだ4年半しかローンを返していない建物。離婚が成立して、相談者が家を追い出されるというオチが待っていそうだ。
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