「このまま自分を気に入らないまま人生終わらせたくない」 長年悩んだ「受け口」の治療に踏み切った実録漫画(1/2 ページ)
過酷な治療をユーモア満載に表現。
下顎が成長しすぎてしまう「顎変形症」を治療している実録漫画で、コンプレックスの自覚から治療の初期段階であるブラケット装着までに至る苦労がコミカルに描かれています。
作者のまりえ(@C_M_Y_K_CNN)さんは、小学生高学年の頃、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態の「受け口」だと自覚し始めます。当時は就寝時に、成長期の子どもの顎の成長を阻止する道具「ヘッドギア」を装着していたものの、その効果は実感できないまま年月が流れていきました。
やがて大人になるも顎変形症の症状は改善せず、顎をコンプレックスとして抱えながら社会人になったまりえさん。あるとき、大きな地震に巻き込まれ、自宅の中がかき回されたような被害にあいます。被災を機に、「このまま自分を気に入らないまま人生終わらせたくない」と決意し、幼い頃から通い続けていた歯科医師のもとへ。ところが、まりえさんの口内を知り尽くした歯医者さんでも、顎変形症の治療はできず、大きな病院を紹介されます。
紹介先の病院で問診を受けた結果、治療完了までに4年ほどかかり、治療の中で顎の骨を切る必要があると明かされます。さらに、何度も通院や入院があるので、治療に充てる貯金や職場からの理解が必要とのこと。それでもまりえさんは、困難をひとつずつ乗り越えながら治療の準備段階に入っていきます。
最初のゴール地点は、ブラケットと呼ばれるワイヤーで歯を修正する器具を取り付ける治療。装着に至るまで、拷問器具のようないかつい治療具で抜歯を行い、虫歯治療で鈴鹿8耐(鈴鹿8時間耐久ロードレース)が開催したようなドリルの振動を体験し、ブラケット装着直前には歯と歯の間に厚めのネギがめりこむ感じの治療を受け、ようやく上顎ブラケットの装着が完了します。
2018年11月に病院へ通い始め、2019年3月までは噛む力や顎の軌道計測、頭部のCT撮影などを実施。2019年6月中旬に上顎ブラケットを装着しました。およそ半年の月日がかかっていますが、治療が完了するまでの道はまだ続きます。
まりえさんは体験談を漫画にした理由を「同じ治療を検討・経験している方の目に留まればと思い描き始めた」と教えてくれました。また、「身近に受け口で悩んでる人がいたら、その人自身の意思で始めたいと思うまで無理に治療させないでほしい」と広くメッセージを伝えたいとコメント。その理由は、ご自身が術前矯正や手術を受ける中で、想像以上にたくさんの辛い経験があり悩んだからだといいます。
さらに、まりえさんは、もし、ほかの人から「顎を治しなさい」と言われて治療を始めていた場合、術後の回復がうまくいかないときに「あなたがやれって言ったじゃない!」とストレスのはけ口にしてしまうようなこともあっただろうと語っています。本当にコンプレックスを治すのなら自己責任で始める覚悟がいると感じたそうです。
漫画の展開はまだ治療が開始したばかり。更新ペースは定められていませんが、今後の展開がとても楽しみです。まりえさんはTwitterだけでなく、Instagramで漫画とあわせて歯の情報も随時更新しています。
※作品提供:まりえ(@C_M_Y_K_CNN)さん
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