Twitterで“自称bot”による画像の悪質な無断転載横行 対策はないのか弁護士に聞いてみた(2/2 ページ)

» 2021年02月25日 19時30分 公開
[コンタケねとらぼ]
前のページへ 1|2       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

―― Twitterを始めSNSでの無断転載被害ではどのような対処が法的に考えられるでしょうか。

宮崎弁護士: 法的対応としてまずあげられるのが、侵害行為の差止請求(著作権法112条1項)を行うことです。すなわち、Webサイト管理者(※今回の場合はTwitter)などに無断転載情報などの削除を請求することです。

 次に、情報発信者(※今回の場合はbotの運営者)を特定し、損害賠償請求などの民事上の請求を行うことが考えられます。さらに名誉回復措置(著作権法115条)、すなわち謝罪広告などを請求することも手段として考えられます。著作権侵害、著作者人格権侵害については刑事罰がありますので、これらの規定に基づいて適正に処罰されるよう警察や検察に対して刑事告訴をすることも考えられます。

―― 法的な面から他にどのような対策が考えられますか。

宮崎弁護士: 侵害者に対して法的請求を行う大前提として、情報発信者(※bot運営者)を特定することが必要です。そのために、裁判所に対して、Webサイト管理者(※Twitter)等などを被告として発信者情報の開示請求訴訟を行うことが必要になります。その他、弁護士会照会の方法によりWebサイト管理者(※Twitter)などに対して、発信者(※botの運営者)情報の開示を請求することもできますが、一部照会に応じない業者もあります。

 なお、Webサイト管理者等が保有しているIPアドレスのアクセスログは、多くの会社で3カ月から6カ月程度しか保有されません、従いまして、発信者情報の開示請求を行う場合には、Webサイト管理者等に対してアクセスログを保存してもらうように要請を行っておく必要があります、この要請に応じてくれない場合、発信者情報消去禁止仮処分を裁判所に対して申し立てる必要があります。

※付きカッコは編集部注




 というわけで、横行しているSNSの画像無断転載に対しても、訴訟を起こすことは十分できるもよう。まずはTwitterなどSNS運営に無断転載画像の削除と、加害者の情報開示を請求するところから始まるようです。

 とはいえ、画像1枚の無断転載に対して訴訟を起こすのは、精神的にも時間的にも踏み出すのはなかなか難しいところではあります。また、開示請求などは個人でもできますが、住所・氏名・連絡先などの個人情報がTwitterを通じて犯人側に回ってしまうリスクもあります。

 それでもどうしても我慢ならない場合や、繰り返し何度も無断転載を繰り返されているような場合は、まずは弁護士に相談してみてると良いでしょう。


無断転載 twitter SNS 動物 癒やし bot 困ったら弁護士に相談を

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/29/news009.jpg 高校生のときに出会った“同級生カップル”→「親に頼らん!」と必死に貯金して…… 19年後、現在の姿に反響
  2. /nl/articles/2501/31/news120.jpg 大野智さん巡る悪質“逮捕デマ”巡りSTARTO社が発信者情報開示請求 「株式会社嵐」代表は「一呼吸おいてよく考えて」と心境吐露 
  3. /nl/articles/2501/31/news085.jpg “自分を醜い”と感じてきた49歳女性が…… “別人級の大変身”に感動 「衝撃的だった」「信じられない」
  4. /nl/articles/2501/30/news026.jpg 普通の折り紙1枚を、パタパタ折っていくと…… プレゼントにぴったりな美しいアイテム完成に「すげぇつくりたい」「かわいい」
  5. /nl/articles/2501/31/news185.jpg 大谷翔平、“消防士たちとの5枚のショット”に反響 「どの消防士より屈強」「これは期待の新人」
  6. /nl/articles/2501/31/news014.jpg 手芸で余った大量のハギレ → あまさず活用する“驚きの方法”に反響 「ナイスアイデア」「考えたこともなかった」
  7. /nl/articles/2501/31/news050.jpg 「許されると思ってんの?」 スマホのアラームを設定→翌朝…… “絶望の通知内容”が430万表示 「ほんとこれ」
  8. /nl/articles/2501/30/news047.jpg 「死ぬほど笑ったw」 “ほろよい”限定デザイン → 人気ゲームの“例のロゴ”に見えると話題に まさかの公式も反応「ほろよい うま」 投稿者に話を聞いた
  9. /nl/articles/2501/31/news019.jpg “部屋が汚すぎて”彼氏に振られた女性→1人孤独に片付けを続け、600日後…… まさかの光景に「感動しました」
  10. /nl/articles/2412/09/news077.jpg 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先週の総合アクセスTOP10
  1. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  2. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  3. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  4. スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
  5. 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  6. 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
  7. 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  8. 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  9. 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
  10. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議