Twitterで“自称bot”による画像の悪質な無断転載横行 対策はないのか弁護士に聞いてみた(2/2 ページ)
―― Twitterを始めSNSでの無断転載被害ではどのような対処が法的に考えられるでしょうか。
宮崎弁護士: 法的対応としてまずあげられるのが、侵害行為の差止請求(著作権法112条1項)を行うことです。すなわち、Webサイト管理者(※今回の場合はTwitter)などに無断転載情報などの削除を請求することです。
次に、情報発信者(※今回の場合はbotの運営者)を特定し、損害賠償請求などの民事上の請求を行うことが考えられます。さらに名誉回復措置(著作権法115条)、すなわち謝罪広告などを請求することも手段として考えられます。著作権侵害、著作者人格権侵害については刑事罰がありますので、これらの規定に基づいて適正に処罰されるよう警察や検察に対して刑事告訴をすることも考えられます。
―― 法的な面から他にどのような対策が考えられますか。
宮崎弁護士: 侵害者に対して法的請求を行う大前提として、情報発信者(※bot運営者)を特定することが必要です。そのために、裁判所に対して、Webサイト管理者(※Twitter)等などを被告として発信者情報の開示請求訴訟を行うことが必要になります。その他、弁護士会照会の方法によりWebサイト管理者(※Twitter)などに対して、発信者(※botの運営者)情報の開示を請求することもできますが、一部照会に応じない業者もあります。
なお、Webサイト管理者等が保有しているIPアドレスのアクセスログは、多くの会社で3カ月から6カ月程度しか保有されません、従いまして、発信者情報の開示請求を行う場合には、Webサイト管理者等に対してアクセスログを保存してもらうように要請を行っておく必要があります、この要請に応じてくれない場合、発信者情報消去禁止仮処分を裁判所に対して申し立てる必要があります。
※付きカッコは編集部注
というわけで、横行しているSNSの画像無断転載に対しても、訴訟を起こすことは十分できるもよう。まずはTwitterなどSNS運営に無断転載画像の削除と、加害者の情報開示を請求するところから始まるようです。
とはいえ、画像1枚の無断転載に対して訴訟を起こすのは、精神的にも時間的にも踏み出すのはなかなか難しいところではあります。また、開示請求などは個人でもできますが、住所・氏名・連絡先などの個人情報がTwitterを通じて犯人側に回ってしまうリスクもあります。
それでもどうしても我慢ならない場合や、繰り返し何度も無断転載を繰り返されているような場合は、まずは弁護士に相談してみてると良いでしょう。
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今後は画像をリツイートする際にも注意が必要に。
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