加賀温泉駅「蟹百万石」(1350円)〜駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.24「高野商店」編(1))(1/12 ページ)

毎日1品、全国各地の名物駅弁を紹介! きょうは加賀温泉駅「蟹百万石」(1350円)です。

» 2021年03月09日 08時30分 公開
[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
駅弁 加賀温泉駅「蟹百万石」(1350円)
駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁

【ライター望月の駅弁膝栗毛】(初出:2021年1月4日)

駅弁 W7系新幹線電車「はくたか」、北陸新幹線・新高岡〜金沢間(2018年撮影)

冬本番、本場のカニが恋しい時期です。

東京から北陸新幹線に飛び乗れば、金沢までは2時間半〜3時間ほど。

山中・山代・片山津の加賀温泉郷や、少し足を伸ばして能登・和倉温泉をはじめとした、石川県のさまざまな温泉宿でじっくり癒されながら、美味しいカニ料理に舌鼓……。

今回はそんな北陸の温泉旅を彩る、石川県の駅弁屋さんにスポットを当ててまいります。

駅弁 高野商店

午前4時、JR北陸本線・加賀温泉駅前。

日の出まで約3時間あるこの時期、既に社屋には煌々と灯りが点いています。

お邪魔するのは、ここを拠点に北陸の駅弁を製造する「株式会社高野商店」。

駅弁膝栗毛のシリーズ「駅弁屋さんの厨房ですよ!」第24弾は、駅弁づくり125年の老舗・高野商店で、人気カニ駅弁「蟹百万石」(1350円)の製造に密着いたしました。

駅弁 「蟹百万石」製造時の様子

「蟹百万石」に使われる米は、石川県が約9年をかけて、平成29(2017)年に開発した、新しいブランド米「ひゃくまん穀」です。

ひゃくまん穀の特徴は、「粒が大きい」「冷めても美味しい」「ゆっくりじっくり育つ」の3つ。

とくに1粒1粒が大きいことから食べ応えがあり、冷めても美味しい点は「駅弁」向き。

高野商店では、これを秘伝の調合でつくり上げた酢で酢飯にして、盛り付けています。

駅弁
駅弁 「蟹百万石」製造時の様子

わっぱ型容器に盛られたひゃくまん穀の酢飯を、ふんわり感を保ったままならしたら、まず、ベニズワイガニの棒肉をどっさりと盛り付けていきます。

そして、カニの身を傷つけないようにやさしく、しかし手早く、スッと伸ばして整えます。

熟練の職人さんの手で、カニの棒肉が“整列”した瞬間から一気に彩りがよくなっていき、“商品”へと姿を変えていく様子がわかります。

駅弁
駅弁 「蟹百万石」製造時の様子

「蟹百万石」は、ベニズワイガニに加え、ズワイガニ、香箱ガニ(ズワイガニの雌)の3つのカニの味が楽しめる駅弁です。

棒肉に加え、ズワイガニのほぐし身、そして子持ちのプチプチ感もある香箱ガニが盛られ、おしまいにガリが添えられて、盛り付け完了。

2人の方で分業しながら、ここまで10分とかからず、職人さんの手際のよさも光ります。

駅弁
駅弁 できあがり!

盛り付けが終わったら、醤油のパックを入れて鮮度保持シートを載せ、透明の蓋をします。

続けて、「駅弁たかの」のロゴが入ったオリジナル箸袋を挟み込み、スリーブ式の包装を施したら、「蟹百万石」の完成!

積み重ねられた各駅弁は、さらにラッピングされて、加賀温泉駅や金沢駅の駅弁売場へ向けて運ばれていきます。

駅弁 蟹百万石

カニの甲羅の赤をベースに、文化豊かな金沢の雅でモダンな雰囲気を出しながら、ズワイガニの絵が描かれ、ひゃくまん穀米使用と謳われた「蟹百万石」のスリーブ式包装。

よく見ると、カニの甲羅には前田家の家紋である、加賀梅鉢が描かれていて、しっかりと“加賀百万石”らしさを出している、この洒落たデザインがいいですね。

側面には、ブランド米「ひゃくまん穀」のうんちくも書かれています。

駅弁 蟹百万石

【おしながき】

  • 酢飯(石川県産ひゃくまん穀)
  • ベニズワイガニ
  • ズワイガニ
  • 香箱蟹(ズワイガニメス)
  • 生姜酢漬
駅弁 蟹百万石

ふたを開ければ、酢飯の香りと共に、カニのいい香りが辺りにフワッと広がって、一気に食欲がそそられます。

ふっくら大粒のひゃくまん穀米の甘みと、高野商店が誇るやや甘めの酢の酸味、そして、少しずつ違う3つのカニのうま味のハーモニーが感じられれば、それは楽しいひととき。

加賀百万石が育んだ経済的豊かさだけでなく、心の豊かさを感じる時間になりそうです。

駅弁 683系電車・特急「サンダーバード」、北陸本線・加賀温泉〜大聖寺間

金沢で北陸新幹線と接続して、終着・大阪へ向けてひた走るのは、JR西日本自慢の683系電車による特急「サンダーバード」。

コロナ禍のなか、2020年代前半には、北陸新幹線の敦賀延伸が予定されています。

進む新幹線工事の槌音を聞きながら、駅弁屋さんはいま、何を考えているのか?

「駅弁屋さんの厨房ですよ!」24弾・高野商店編、次回から高野宣也社長の登場です。

「駅弁膝栗毛」読者の皆様にお知らせ

ニッポン放送「上柳昌彦あさぼらけ」(月・5:00〜6:00、火〜金・4:30〜6:00放送中)の、月曜と金曜の5:25ごろからお送りしている「食は生きる力 今朝も元気にいただきます」。

こちらの1月マンスリーゲストとして、駅弁ライター望月が出演しております。

お時間ある方は早起きして、厳しい方はラジコのタイムフリーで、ぜひお楽しみ下さい!

連載情報

photo

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史

昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。

駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/


※新型コロナウイルス感染症、Go To事業、運行状況に関する最新情報は、厚生労働省、内閣官房、首相官邸、国土交通省・観光庁のWebサイトなど公的機関で発表されている情報、鉄道事業者各社の情報も併せてご確認ください


おすすめ記事

       1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12 次のページへ

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2504/19/news087.jpg 皇后さま、華やかなゴールドの衣装 天皇陛下も同系色のネクタイ着用【7万6000いいね】
  2. /nl/articles/2504/19/news051.jpg 湘南の砂浜に打ちあがった“超危険生物”を飼育したら…… 貴重な姿に「初めて見ました」「かっこいい」と大反響→2年後の現在について話を聞いた
  3. /nl/articles/2504/19/news039.jpg 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  4. /nl/articles/2504/18/news140.jpg 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」話題になった飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2403/21/news036.jpg 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  6. /nl/articles/2504/20/news008.jpg 「年中着用したい」 ワークマンの“暑くても着られる”2900円長袖シャツに反響続出 「とにかく涼しい」
  7. /nl/articles/2504/18/news025.jpg 2日かけて組み立てたのに動かない!? 自作PC初心者あるあるの再現が1460万再生「いまいましい」「同じミスしたよ」【海外】
  8. /nl/articles/2504/16/news035.jpg 「ウソだ…」「言葉が出ない」 幼少期から絵を描き続けた少年→15年後…… 大人になって描いた絵が100万再生【海外】
  9. /nl/articles/2504/18/news010.jpg 100均の手ぬぐいを3回縫うだけ…… “ちょっとずるい作り方”の便利アイテムが目からウロコ「おおおすごい」「すてきなアイデア」
  10. /nl/articles/2504/20/news028.jpg 庭にビオトープを作ったら、生物多様性が爆上がりして…… “まさかの生き物”の来訪に驚がく「え?マジすかw」「存在感すごい」と620万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小学生時代「こんなプラモ誰が買うんだよw」→40年後…… “大人になった”を実感するエピソードに「分かる」「特大ブーメランw」
  2. パパに、保育園へ行く娘のヘアアレンジを任せたら…… ママがひっくり返った“仕上がり”が400万表示「重力どこ?」「頑張った感がいい!」
  3. 「神パンツきた」 ユニクロ新作“3990円パンツ”が品切れラッシュの大人気 「過去イチかも」「本当にこれは買い」
  4. なんとなく捨てにくい紙袋→2カ所切り込みを入れるだけで…… 目からウロコの“活用術”に「これすごくいい!」【海外】
  5. 「見習うことばかり」 80代おばあちゃんの春服&収納術がステキ! 上品かつオシャレで「憧れです」「尊敬します」
  6. ファスナーに直接毛糸を編み付けていくと…… 完成した“便利でかわいいアイテム”が100万再生「天才だ」「これ大好き」【海外】
  7. 「尊厳を踏みにじる行為」 八代亜紀さんの“物議のCD”は「流通会社がすでに流通を中止」 タワレコが回答
  8. 古くなったジーンズは捨てないで! 目からウロコの“アイデア”に大反響「なにこれかわいい!」「こんなの作れるんだ」【海外】
  9. 指先サイズの小さな器に木を植えて、育てたら…… 「芸術だ」「半端ない」鳥肌モノの“神盆栽”に反響
  10. 義母「ランドセル代を振り込みました」→銀行口座を見ると…… 2児ママ絶叫の“神対応”が1520万表示「凄すぎる!」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  3. 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
  4. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  5. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  6. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  7. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  8. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  9. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  10. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】