伝説のアニメ「カブトボーグ」J:COMテレビでまさかの一挙放送決定 編成担当者「偉い人には正気を疑われました」
編成担当者に、再放送の狙いについても聞きました。
伝説的カルトアニメ「人造昆虫カブトボーグ V×V」の再放送(関連記事)で話題を呼んだJ:COMテレビが、反響に応えて1〜12話の一挙放送を決定しました。放送は7月3日25時(7月4日1時)から。チャージ12回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!
※J:COMテレビはJ:COMが運営するコミュニティチャンネル。全国のJ:COM対応物件で、無料で見られます(大分ケーブルテレコムでは未提供)
カブトボーグは2006年にBSジャパン(現BSテレ東)とアニマックスで放送された、ホビー系バトルアニメ。全52話がほとんど最終回みたいなテンションだったり、存在しない過去シーンを回想としてやたら見せたり、死亡したキャラが何の説明もなく次の話で復活したり、自由すぎる作風が特徴です。
そのカオスな内容は、ニコニコ動画での無料配信がきっかけでカルトな人気を呼びました。ニコニコでの配信終了後は視聴手段が乏しくなっていましたが、2021年4月からJ:COMテレビ「アニおび」枠での再放送が決定。地域限定とはいえテレビで見られるとあって、多くのボーガーを歓喜させました。
しかしながら、カブトボーグが相当マニアックな作品であるのも事実で、どうして企画を立案し、どうやって会社を納得させたのかは気になるところ。編集部は「アニおび」編成責任者の久保田さんに舞台裏を聞きました。
カブトボーグとは何ぞや? と社内も騒然
―― まず、なぜ今「カブトボーグ」なのでしょう?
久保田:私自身、放送当時にリアルタイムで見ていた“ボーガー”でございまして……(笑)。ボーガーの長年の夢である地上波放送をいつか実現させたいと、虎視眈々と機会をうかがっていました。
―― 企画を通すには相当苦労されたのでは。
今年はちょうどカブトボーグ15周年です。いまだに根強いファンが活動を続けていることや、YouTubeで著名な声優さんや俳優さんが「カブトボーグ」をとり上げていることを材料に、上司を強引に説得し、実現に至りました。この場を借りてボーガーの皆さまにお礼申し上げます!
―― 再放送の発表は大きな話題となりましたが、社内の反応はいかがでしたか。
久保田:約4年間に渡る「アニおび」の放送作品の中でもネットの反応はダントツで、「カブトボーグとはいったい何ぞや?」と社内も騒然となりました。
社内でプレゼンしたときは、偉い人たちから「久保田がいよいよおかしくなったのでは……」といった反応を受けたものですから、再放送のニュースが大いにバズったのにはだいぶ救われました。
―― 放送後、視聴者からの反応は?
久保田:「J:COM正気じゃねえな」といったおほめの言葉や、「カブトボーグが見られることだけは本当にJ:COMに感謝してる」など、非常に好意的な反応をいただきました。
主演声優の知桐京子(@_chiki_)さんに、毎話ツイートで実況していただけているのも非常にありがたいです。放送時間帯では毎話トレンド入りするなど盛り上がりも大きく、カブトボーグの人気の高さを再確認しております。これをきっかけに、J:COMテレビの認知が広がったのであれば、大変うれしいです。
―― 久保田さんが考えるカブトボーグの魅力とは?
久保田:最近のアニメでは失われてしまったような、どとうの勢いで繰り出されるボケと、それでいて実際には奥深く考えられている構成が最大の魅力だと思います。また、「30分頭を空っぽにして、ただただ笑える作品」が、この閉塞感のあるご時世に合っているとも感じます。
―― 「アニおび」はカブトボーグに限らず、「テニプリ」や「マリ見て」などラインアップが濃いように思われますが、コンセプトは?
久保田:「ネット配信」全盛の昨今ではありますが、あえてアニおびでは「もう一度“テレビ”で“全国同じタイミングで”盛り上がりたい!」をテーマに、30代〜40代のアニメファンに刺さる作品をピックアップして編成しております。全国の皆さまが同時にテレビを見て、SNSなどで感想を共有・共感して楽しんでいただければうれしいです。
また、他局と比べてCM枠などの制約がゆるく、比較的柔軟に編成できるのも一因だと思います。公式サイトに寄せられている作品リクエストも、皆さまの熱いコメントもしっかり受け止めて参考にしております! 今後もがんばって視聴者の声に応えていきたいと思いますので、ぜひ投稿フォームからリクエストをお寄せいただけますと幸いです。
J:COMテレビのカブトボーグ1〜12話一挙放送は、「寝落ちしたボーガーへ届け!」と題して実施されます。第1話にラスボス戦が始まったかと思えば、第2話には病魔に蝕まれたメインキャラが最後の勝負に臨む、レッドゾーンに振り切った展開を見逃した人はぜひ。
(C)タカラトミー/カブトボーグ製作委員会
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