伝説のアニメ「カブトボーグ」J:COMテレビでまさかの一挙放送決定 編成担当者「偉い人には正気を疑われました」

編成担当者に、再放送の狙いについても聞きました。

» 2021年06月16日 17時45分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 伝説的カルトアニメ「人造昆虫カブトボーグ V×V」の再放送(関連記事)で話題を呼んだJ:COMテレビが、反響に応えて1〜12話の一挙放送を決定しました。放送は7月3日25時(7月4日1時)から。チャージ12回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!

※J:COMテレビはJ:COMが運営するコミュニティチャンネル。全国のJ:COM対応物件で、無料で見られます(大分ケーブルテレコムでは未提供)

カブトボーグ 見逃した人や寝落ちした人にチャンスの再々放送!

 カブトボーグは2006年にBSジャパン(現BSテレ東)とアニマックスで放送された、ホビー系バトルアニメ。全52話がほとんど最終回みたいなテンションだったり、存在しない過去シーンを回想としてやたら見せたり、死亡したキャラが何の説明もなく次の話で復活したり、自由すぎる作風が特徴です。

カブトボーグ 熱血主人公のリュウセイ(中央)、クールな勝治(右)、三枚目のケン(左)。メインキャラの設定は一見オーソドックスですが、いざ本編を見るとみんなどこかおかしい(第3話「守れ! 鉄壁のサイキック・ドラゴン・マスター」より)
カブトボーグ オープニングに登場するライバルキャラが、本編にはあまり出ないのも特徴の1つ。画像は比較的出番が多いジョニーとの遭遇(第4話「ライバル登場! 必殺ヴァリアブル・ルルド・ウォーター」)
カブトボーグ 普通のバトルシーンのようでいて、実は並行して算数の問答が繰り広げられている(第5話「目覚めろ! ボールディング・トリプル・スクリュー!」より)
カブトボーグ お米以外の主食を禁止する行政との勝負(第6話「魂の叫び! トワイライト・フレンドシップ・ソウル」より)

 そのカオスな内容は、ニコニコ動画での無料配信がきっかけでカルトな人気を呼びました。ニコニコでの配信終了後は視聴手段が乏しくなっていましたが、2021年4月からJ:COMテレビ「アニおび」枠での再放送が決定。地域限定とはいえテレビで見られるとあって、多くのボーガーを歓喜させました。

 しかしながら、カブトボーグが相当マニアックな作品であるのも事実で、どうして企画を立案し、どうやって会社を納得させたのかは気になるところ。編集部は「アニおび」編成責任者の久保田さんに舞台裏を聞きました。


カブトボーグとは何ぞや? と社内も騒然

―― まず、なぜ今「カブトボーグ」なのでしょう?

久保田:私自身、放送当時にリアルタイムで見ていた“ボーガー”でございまして……(笑)。ボーガーの長年の夢である地上波放送をいつか実現させたいと、虎視眈々と機会をうかがっていました。

―― 企画を通すには相当苦労されたのでは。

 今年はちょうどカブトボーグ15周年です。いまだに根強いファンが活動を続けていることや、YouTubeで著名な声優さんや俳優さんが「カブトボーグ」をとり上げていることを材料に、上司を強引に説得し、実現に至りました。この場を借りてボーガーの皆さまにお礼申し上げます!

―― 再放送の発表は大きな話題となりましたが、社内の反応はいかがでしたか。

久保田:約4年間に渡る「アニおび」の放送作品の中でもネットの反応はダントツで、「カブトボーグとはいったい何ぞや?」と社内も騒然となりました。

 社内でプレゼンしたときは、偉い人たちから「久保田がいよいよおかしくなったのでは……」といった反応を受けたものですから、再放送のニュースが大いにバズったのにはだいぶ救われました。

―― 放送後、視聴者からの反応は?

久保田:「J:COM正気じゃねえな」といったおほめの言葉や、「カブトボーグが見られることだけは本当にJ:COMに感謝してる」など、非常に好意的な反応をいただきました。

 主演声優の知桐京子(@_chiki_)さんに、毎話ツイートで実況していただけているのも非常にありがたいです。放送時間帯では毎話トレンド入りするなど盛り上がりも大きく、カブトボーグの人気の高さを再確認しております。これをきっかけに、J:COMテレビの認知が広がったのであれば、大変うれしいです。

―― 久保田さんが考えるカブトボーグの魅力とは?

久保田:最近のアニメでは失われてしまったような、どとうの勢いで繰り出されるボケと、それでいて実際には奥深く考えられている構成が最大の魅力だと思います。また、「30分頭を空っぽにして、ただただ笑える作品」が、この閉塞感のあるご時世に合っているとも感じます。

―― 「アニおび」はカブトボーグに限らず、「テニプリ」や「マリ見て」などラインアップが濃いように思われますが、コンセプトは?

久保田:「ネット配信」全盛の昨今ではありますが、あえてアニおびでは「もう一度“テレビ”で“全国同じタイミングで”盛り上がりたい!」をテーマに、30代〜40代のアニメファンに刺さる作品をピックアップして編成しております。全国の皆さまが同時にテレビを見て、SNSなどで感想を共有・共感して楽しんでいただければうれしいです。

 また、他局と比べてCM枠などの制約がゆるく、比較的柔軟に編成できるのも一因だと思います。公式サイトに寄せられている作品リクエストも、皆さまの熱いコメントもしっかり受け止めて参考にしております! 今後もがんばって視聴者の声に応えていきたいと思いますので、ぜひ投稿フォームからリクエストをお寄せいただけますと幸いです。



 J:COMテレビのカブトボーグ1〜12話一挙放送は、「寝落ちしたボーガーへ届け!」と題して実施されます。第1話にラスボス戦が始まったかと思えば、第2話には病魔に蝕まれたメインキャラが最後の勝負に臨む、レッドゾーンに振り切った展開を見逃した人はぜひ。

カブトボーグ 第12話「過ぎ去りし日! チャコール・グレイ・フォルクローレ」で明かされる、解説キャラのロイドさんの悲しい過去も見もの

(C)タカラトミー/カブトボーグ製作委員会




Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」