陰鬱で愉快、「背中で魅せる」いろいろと奥深いゲーム 「勝利の女神:NIKKE」レビュー (1/3 ページ)

今後が楽しみなゲーム。

» 2022年11月19日 19時30分 公開
[怪しい隣人ねとらぼ]

 今回は「背中で魅せるガンガールRPG」こと「勝利の女神:NIKKE(以降NIKKE)」についてお話したいと思います。が、どうしても語りたいことがあるのでその前に少しだけ。

 過去何度か取り上げたスマホゲーム「ラストオリジン」(関連記事)ですが、11月14日に開発会社と運営会社の統合が発表されました。これにより、運営会社であったPIGが開発および運営を担当することとなります。

 正直何度目かの「おいおい大丈夫か」と思わされる展開なのですが、今までもなんとかなってきたので今後もなんとかなると信じていきたいです。また、これに伴い11月30日から12月20日まで破格の配布キャンペーンが行われることとなりました。1カ月ログインするだけで周回に便利なユニット一式と有償販売しているスキン3種が配布となります。これを機会にぜひプレイしてみてください。あなたの1ダウンロードが会社の明日を救うかもしれません。

 さて、本題に入りましょう。前回「ドルフィンウェーブ」の記事(関連記事)でも語りましたが、10月末から11月にかけて新作ゲームラッシュがありました。その中でも一番期待していたこの「NIKKE」。TVCMまで始まりました。

画像は「NIKKE」TVCM(世界観ver.)より
「NIKKE」TVCM(世界観ver.)

 「背中で魅せる」どころかもっと具体的に「尻が揺れる!」ということでリリース前から話題になっていたこの作品。TGSでのプレイレポートではゲーム内で揺れる尻とコスプレイヤーの尻との話題ばかりだったため、そんなところを少しも表さないCMに驚いてしまいます。かくいう私もクローズドβで尻を揺らして喜んでいた程度だったのですが、数日かけてプレイしてみていろいろと奥深いゲームだというのが分かってきました。

ライター:怪しい隣人

モバクソ畑でつかまえて

出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。



NIKKEタイトル画面

 「NIKKE」のストーリーは謎の侵略者「ラプチャー」に地上を追われ「アーク」と呼ばれる地下都市にこもった人類が、地上を取り戻すために女性型兵器であるNIKKEを率いて戦うという物語です。

 ゲームのジャンルとしてはガンシューティング+RPGというもので、兵器は数種類に分かれていますが基本的には「タイムクライシス」シリーズのように壁に隠れてリロードしつつ敵を撃つゲームとなっています。

 RPG要素としてはキャラの育成が存在しており、レベルを上げて相手を戦力差で打ち負かすのが基本となります。ガンシューティングのように腕でどうにかなる部分が少ない、という印象です。そのレベル上げ要素において、放置ゲー的な要素が「NIKKE」の大きな特徴で、時間の経過で育成アイテムや装備がたまっていくことになります。

 そのため、「詰まったらレベルを上げる。レベル上げのアイテムが足りなかったらゲームを落として寝なさい」というのがプレイスタイルの基本になります。逆に言えば体力やスタミナの概念がないため、勝ち進められる限りはステージを先に進めることが可能です。

NIKKE戦闘シーン
時間経過でアイテムがたまります

 ステージを先に進めることでいろいろな要素が解放されていくのですが、この解放に結構な時間がかかります。そのため、継続プレイが重要なゲームとなっています。とくに重要なのはシンクロデバイスと呼ばれるシステムで、レベル上位5体のNIKKEのうち最低レベルのNIKKEに合わせて他のNIKKEのレベルを自動的に引き上げることができる装置です。

 これにより、初期は5体のNIKKEを育成することでもう5体のNIKKEを同レベルに引き上げ、戦闘で活用することが可能になります。また育成キャラにレベル上限をあわせることができるので、上限LV80のキャラでも、上限LV120のキャラをLV120まで育てることで実質LV120のキャラとして利用できます。ゲームの仕様上ガチャを引いているとSRのキャラばかりレベル上限が解放されるのですが、それらを利用してSSRのキャラも強化できるという実におもしろいシステムだと思いました。

シンクロデバイス設定画面

 戦闘についてはオート戦闘が可能なため。戦力差次第では放置しておくだけで勝つことが可能です。この間は背面を堪能する余裕もあるのですが、だんだんオートだとつらくなってくるステージも出てきます。そうなったらオートで楽に越えられるようになるまでレベルを上げるのです。

 ステージが進むと編成にも気を使わないといけなくなったり、オートプレイ中でも一時的にこちらでの操作が可能になるので手を加えたりと程よく飽きることのないプレイが可能になっていると思います。

 もちろん「レベルを上げてオートで楽に勝てるようになるまで先に進まない」というプレイもありなのでシューティングが苦手という人にも安心。個人的には手動操作のとき「タッチした部分が照準になる」ようにしてくれればもっと操作性が楽になるのになあ、とは思います。指で触っている部分と撃っている照準の位置がずれるのにいまだに慣れません。

TVCM(戦闘ver.)

 ゲームのストーリーについてもお話しましょう。ここはクローズドβを始める際に私が期待していた部分なのですが、相変わらず期待通りの面白さを見せてくれます。作品冒頭でものすごく衝撃的な展開があるのですが、それについてはクローズドβ版と違いアニメーションデモ付きでの展開となっており大変驚かされました。

 それ以降も絶滅寸前にもかかわらず利権を奪い合う人類の最悪な部分を次々と見せてくれますが、主人公も主人公でそんな人類の負の側面に打ちのめされるだけではなく、しっかりと立ち向かっていくのが印象的です。

 登場するNIKKEたちも陰鬱な面ばかりではなく愉快な面を見せてくれることも多く、これらについては場を和ませる要素でもあり、いたたまれなさを強調する要素でもあります。陰鬱な面としては「毎朝記憶を消去されているので起きるたびに手帳を見て自分の行動を確認する」子がいたりしますし、そもそもNIKKEはどうやって作られているのかについてはゲームを進めるとぐったりするような理由が見えてきます。

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