「いないいないばあっ!」のうーたんは、初めての子育ての戦友だった―― 20年間親子を見守り、卒業していく“赤ちゃんの妖精”に伝えたいこと(1/2 ページ)
3月31日で卒業が決定しています。
NHK Eテレで放送中の乳幼児向け番組「いないいないばあっ!」が4月1日にリニューアル。これに伴い、メインキャラクターのうーたんと7代目女の子・はるちゃん(倉持春希ちゃん)が同番組を卒業し、全国で公演するステージショー「ワンワンわんだーらんど」へ活動の場を移すことが発表されました。
2003年から20年間活躍してきたうーたんの卒業発表に、SNSでは保護者を中心に「すごく寂しい……」「気持ちが追い付かない」といった反響が。長年の役目を終えて番組を去るうーたんに向けて、かつてうーたんとともに初めての育児に奮闘したライターが“子育ての戦友”への感謝の思いをつづります。
「私には、うーたんに感謝してもしきれない恩があるのだ」
NHK Eテレの幼児向け番組「いないいないばぁっ!」に20年間出演していた人形のキャラクター「うーたん」が、この春に卒業することが発表された。
うーたん、いなくなっちゃうの……?
頭からカラフルなマラカスが2本生えており、黒目がちな大きな瞳に、ピンクのほっぺ、コロンとした体や「うーたん、げんきげんきぃー!」という舌ったらずなめちゃかわボイスが、即座に脳内で再生された。森に住む、歌が大好きな1歳半くらいの赤ちゃんの妖精のうーたん。もう20年も頑張ってきたのか。
うーたんの卒業に伴って新しく登場するキャラクターは「ぽぅぽ」という、これまたカラフルな玉が頭からいっぱい生えたおっとり系の子らしいけれど、果たしてその子にうーたんが20年間背負ってきた「いないいないばあっ!」の看板を背負う覚悟はあるんだろうか?
私には、うーたんに感謝してもしきれない恩があるのだ。永遠にいてくれるものだと思っていた。こんな日が来るなんて……。ともに「子育て」という大きな戦いに挑んでいたあの日々を思い出して、いろいろな気持ちが込み上げてくる。うーたんがいなかったら乗り越えられなかったことがたくさんあったな……。
「ダサいおもちゃは絶対買わない」と思っていたけど……
うーたんとの出会いは、あまり良い印象ではなかった。
今から12年ほど前、私は初めての子どもを妊娠した。出産に備えて服やベビー用品をそろえていった私は、昔からずっと決めていた「ダサいおもちゃは絶対買わない」というポリシー通り、生活感あふれるカラフルなキャラクターグッズは避け、北欧のくすみ系カラーのおしゃれな木のおもちゃや、シンプルで無地のベビー用品など、なるべくシックなものでそろえていた。「アン●ンマンとか、●●レンジャーとか、絶対に買い与えないでね」とジジババにも常日頃から念を押していた。
すでに子育て中の友達もいて「いないいないばぁっ!」という番組や、うーたんの存在についてはなんとなく知っていたが「ほーん? かわいいけど。まぁ……ダサいよね」と、ものすごい上からうーたんを見下ろしていたのだった。
ところが実際に子どもが産まれ、新生児を経て首が座り、腰が座り、笑顔を見せてくれるようになってくると、話は変わってきた。子どもの笑顔ってやつは、予想していた数百倍かわいいのだ。たった一瞬のほほ笑みで、胸を鷲掴みにされ、ぶん殴られたような衝撃のかわいさなのだ。日頃の寝不足や、疲労、苦労が全部吹き飛ぶ尊さだ。
少しでも良いから反応が欲しい! 笑顔を見せて欲しい! スマイルください(涙)! ……だめだ。おしゃれでシックなおもちゃじゃレスをいただけない! どれだけ根気強くくすみブラウンのゾウさんのガラガラを握らせてみても、くすみグリーンのグラデーションでできた青虫さんをグネグネさせてみせても、ひたすら能面のような無表情で握るのみ、もしくは「いらねっ!」とノールックでポイするだけだった。
もしかして、昼間私を骨抜きにしてみせたあの笑顔は、支援センターにあったカラフルで丸っこいキャラクターのぬいぐるみのおかげだったのか? まだハイハイのできない息子が、「うーうー」とよだれを垂らしながら必死に手を伸ばすその先にいた、あいつ。
プレイマットに寝転んでいたそのぬいぐるみを取って「これほしいの?」と息子の手に握らせてやると、なんと、私が高橋一生さんのクリアファイルを愛でるときに漏れ出てしまうような、一点の曇りもない、とろけるような笑顔を繰り出してくれたのだった……!
なんだっけ、あいつ。うーたん……だっけ?
家事もまともに出来ない日々を救った「あいつ」
そのころの息子は、ドでかボイスで泣いて感情を訴えることができるようになっていた。私がそばにいないとすぐに泣いてしまい、目が覚めている間は24時間、抱っこしていないとならないのだ。大げさに言っているのではなく、文字通り24時間ずっとだ。冗談じゃなく5分も放置できない。顔を洗うあいだ、髪を乾かすあいだも、必死に空いた手や足であやしながら、だましだまし毎日の営みをこなしてきた。
胃腸風邪にかかって何分もトイレに籠っているしかなかった日なんて、本当に地獄みたいだった。息子は私が出てくるまでドアの向こうから永久にフルパワーでギャーギャー泣き叫び続けた。私の胃腸もギャーギャーと暴れ続けていた。子育て中に胃腸風邪にかかった場合の子守法なんて習っていない。教えといてよ……!
もちろん家事もまともにできない。常に抱っこしながら片手でなんとか掃除機をかけ、洗濯物を干し、寝ている間になるべく足音を立てないように移動し、忍者のようにこそこそと食事の準備をした。
そんな日々に耐えかねてママ友にアドバイスを受けたとき、再びうーたんに出会ったのだ。そしていよいよ私は、うーたんの真骨頂を目の当たりにすることになる。
うーたん、ワンオペ育児の救世主になる
なんて……ことだ……!
洗濯、掃除、炊事の間に「いないいないばあっ!」をTVで流しておくと、一人でも画面にかぶりつくようにして集中して見ていてくれるではないか! ……なんなの、この魔法のような吸引力は!
うーたんを見てキャッキャと喜びながら、ぴょんぴょん上下している息子。それを見た私は感動で震えた。完敗だ。あんたすごいよ……すごすぎるだろ!
ママ友の間では、子どもたちを泣き止ませる子守神としてアン●ンマン教とうーたん教があった。朝と夕方、我が家の家事タイムにちょうど放送してくれる「いないいいないばあっ!」は、私と息子にドンピシャだった。瞬く間にうーたん教に入信し、即座にぬいぐるみをゲットしたのはごくごく当然の流れだといえよう。
わがままで気難しすぎる大御所スターみたいに、ささいなトリガーですぐ不機嫌になる息子も、うーたんのぬいぐるみを前にすれば瞬く間にご機嫌になった。
愛する息子がご機嫌でいてくれるのならば、ダサかろうがなんだろうが、そんなことはもうどうでもいい。オシャレなおもちゃじゃダメなんだ。オシャレがなんだ? あの、ぼーっとした色の木の塊に、あの笑顔を引き出せるのか? 家事をしている間に息子を夢中にさせて、お守りをしてくれるのか?
うーたんじゃなきゃダメなんだ。あの超絶わかりやすいカラーと、丸さと、かわいさと、あの動きと声じゃなきゃダメなんだ。われわれ大人が考えるような、子どもにとって良さそうなものや、与えたいものではなくて、子どもと同じ立ち位置で、時にはワガママだったり、やらかしてしまったり、うれしいときはわかりやすく頭のマラカスを鳴らして喜ぶ、赤ちゃんのお友達じゃなきゃダメなんだ。
なんとも頼もしく愛らしいうーたん。もうダサいなんて言わせない。ダサいんじゃない。圧倒的に親しみやすいんだ。「歌がだいすきな1歳半くらいの赤ちゃん」といううーたんは、すぐに息子の最初の友達となり、私の子育ての頼もしいバディとなっていった。
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