Wi-Fi設置に沸く報道陣、TBSレコ大に駆けだす記者 NHK紅白歌合戦2023取材の裏側(2/4 ページ)

» 2024年01月03日 17時00分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 高校生の吹奏楽チーム&チアリーダーとコラボしたスペシャルパフォーマンスが絶妙な“引き”になったり、メンバーの表情が分かる“寄り”になったりで、思いのほか“会場の雰囲気”が良く伝わってきます。

 この音合わせの映像は30分ほど前に撮影された「事前収録」とのことで、歌唱前後の様子などは映っていませんでしたが、“アーティストの素顔が見られる音合わせ”の雰囲気はバッチリいきていました。

 また囲み取材についても「囲み会場」にいるNHK広報から「まもなくです。いついらっしゃってもおかしくない状況です」など細かく状況が中継されてくるため、中継先のメディアルームにも様子がよく伝わってきました。スチール撮影を行った後に1〜3社程度の報道社が時間いっぱい質問をしていくのですが、質問の中心になっていたのは芸能リポーターのみなさん。

 過去の取材時にはカメラマンからアイドルに向けて「もっと笑って!」などの怒号が飛ぶような場面もあったり、記者から紅白に関係しないような厳しい質問が飛ぶ場面も見られたり、ジャニーズの関係者とみられる男性たちが芸能リポーターに事前に質問内容の指示を出したりという場面もみられるなど、割とピリついた雰囲気だったのですが、今回はとても和気あいあいといった雰囲気でした。

 とくに水森かおりさんの囲み取材では、NHK広報が「まずはお写真から撮らせていただきます」というところを、「はじめに記念写真から撮らせていただきます」と言い間違えて会場が大爆笑に包まれるシーンも。「ある意味記念ですからね」と非常に和やかな雰囲気はまさにお祭りムードで、終始ニコニコしている記者が多いことが印象的でした。

NHK広報が大活躍

 29日の長時間取材のさなかも随時「寒かったり暑かったりしましたら、空調を調整しますのでおっしゃってください」「今○○という情報が入りました」「今から次の取材までお時間があるのでお部屋を明るくします」など、随時NHK広報の気遣いが光っていた2023年の紅白リハーサル取材。

 1社が質問すると「今こういう質問がありましたので、このように回答しました」と全社に共有するなど、情報の共有もスムーズでした。リハーサル2日目となる30日には「少しでも環境をよくできたらとレイアウトを改善させていただきました」とデスクが大幅増設された上に、電源も増強。プロジェクターを見ながらパソコンで作業できるとあり、多くの記者が喜んでいました。

 また今回の紅白を担当していたNHK広報チームは比較的若い人が多いのが特徴で、「2019年の紅白取材のときの担当がほとんどいない」と話すなど、世代交代の雰囲気も感じられました。

関係者だらけのNHKホール周辺

 今回はメディアセンターでの飲食が水も含めて禁止ということもあり、取材の合間にセンターから外出する機会も多かったのですが、NHKホールの周辺には前後左右関係者が大集結状態でした。

 例えばanoさんと共演した「パワーパフボーイズ」は館内で何度もスマートフォンを使ってリハーサルの映像を確認している様子だったほか、櫻坂46のステージングを担当したTAKAHIROさんと同氏が率いるダンスエージェント「INFINITY」のダンサーたちは歩きながら手の振りを確認するなどギリギリまで調整を重ねている様子が目を引きました。

急げ、レコ大が始まる……!

 年末は多くの歌番組、取材、イベントと大忙しの記者が多い中、芸能系の記者の中で最優先とされるのはNHKの「紅白」とTBSの「輝く!日本レコード大賞」。第65回となる今年のレコード大賞は12月30日の午後5時30分から生放送ということで、15時45分ごろに多くの記者がTBSへ向けて走って退出していきました。

 NHKには入れ替わりで同媒体の別記者が走りこみ、そのまま取材を続けるなどチームワークを生かした媒体の姿も見られました。

2023年の紅白のテーマは

  紅組の優勝で幕を閉じた2023年の紅白。今回のテーマは「ボーダレス−超えてつながる大みそか−」。

 テレビ放送開始70年、節目の年の大みそかに「最高で最幸なライブエンターテインメントをお届けします!」としており、垣根を超えたさまざまなコラボレーションが展開されました。

 とくに話題を呼んだのはYOASOBIの「アイドル」。出場アイドルたちが次々に登場してパフォーマンスで魅せる中、anoさんと橋本環奈さんはネット上で拡散されているアイドル時代のポージングを披露。

 見事な演出はXでトレンドに入るなど大きなインパクトを与えました。

 日本の年末を彩る紅白。その番組制作の裏側には、番組スタッフ、アーティスト、アーティスト側のスタッフ、技術、警備など数えきれないほどの人たちが携わっています。

 今回は久々の紅白取材となりましたが、すとぷりなどの演出面に加え、YOSHIKIさんらのキャスティング、取材方式など個人的にはNHKの“進化”を感じた取材となりました。2024年はいったいどんなサプライズで日本の年末を盛り上げてくれるのか、今から楽しみです。

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