議論を呼ぶ「旅客機におけるペットの扱い」 ペット同伴サービスを提供するスターフライヤー「議論が深まることを期待」(2/4 ページ)
利用について「大きな増減はない」が「問い合わせや意見はいただいた」
スターフライヤーによれば、正月の事故以降も「特に利用者が増えたり減ったりといった大きな変化は無い」そうです。一方「事故後にサービスに関する問い合わせや意見はいただいた」とのこと。事故後のサービスにおける注目度が伺えます。
サービスの利用件数を聞くと、1日1件程度のペースで利用者があるようです。実際に利用した人からは「ペットを伴った移動が新幹線や車に限定されており、大変だったため助かった」「貨物室に入れられることにより、不安があったが一緒に乗れることで安心できる」といった感想をもらっているそうです。
また、他の利用者にも気持ちよく利用してもらうため、スターフライヤーではいくつかの対策を行っています。
まず予約サイト上で「ペットがいるかもしれないこと」を記載しています。さらに当日フライト前にも確認を行い、必要に応じて座席の変更を行います。また、どうしても該当機の利用が難しい場合、無料で別便に変更するなどの対応も行っています。
さらに医者、獣医師ら指導の上でアレルギー対策を徹底しています。そのため、導入以来特に大きなトラブルは発生していないそうです。また、ペット同伴サービスの利用者は客室最後部に配置されるため、機内にペットがいるのに気づかない利用者も多いそうです。
「議論が深まることを期待」しつつ「弊社だけでの判断はできない」
今回のペットに関する議論については、スターフライヤーも認識しており「ペットと共生することについて、議論が深まることを期待している」と考えています。一方で「監督官庁の指示もあるため、弊社だけでの判断はできない」「現在は現行のルールの中で、最大限サービスを実施している」との回答をいただいています。
価値観が多様化している現代において、ペットはこれまで以上にかけがえのない存在になっています。それだけに、引っ越しや治療といったさまざまな事情からペットを遠隔地に連れて行きたいケースも増えていくでしょう。
ただし「緊急時に人命を何より尊重する」という原則の中に“ペットの命”を追加する場合、さまざまな要件を含めた議論を避けては通れません。
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