地震で断水、解消まで約5日間 自宅で過ごすために役立ったもの・用意しておけばよかったもの(1/4 ページ)
令和6年能登半島地震、羽咋市在住筆者の断水経験。
1月1日に発生した能登半島地震により、筆者は能登半島の付け根に位置する石川県羽咋市市街地の自宅で、約5日間の断水を経験することになりました(記事執筆時点1月25日も市内に断水地域あり)。何気なく買い置きしていたものや続けている習慣が役に立ったり、「地震前に用意しておけばよかった」と悔やんだりなどのエピソードを添えて、自宅での断水の経験から必要だと感じたものなどについて紹介します。
蛇口をひねるとちょろちょろ……帰宅直後から始まった断水生活とその他ライフライン
地震が発生したとき、パートナーと一緒に富山にある実家から羽咋市の自宅に向かっていました。富山県新湊市あたりで大きな揺れを感じ、渋滞に巻き込まれたり、地震のせいで途中にある橋が通れなくなってしまったりしたのを、地元の人にう回路に誘導してもらったりしながら、何とか18時ごろに帰宅。玄関の花瓶、冷蔵庫の上の電子レンジは若干位置がずれていただけ、シンクの上の棚から落ちていた食器も割れておらず、まずはほっとしました。
しかし、手を洗おうと水道のレバーを上げ、水が出た瞬間、異様に水圧が弱いことに気づきました。私は数年前まで大阪府高槻市に住んでおり、2018年の大阪北部地震でごく短期間ですが断水を経験していたため、すぐに家に置いてあった空の2リットルペットボトル2本と湯船に水をためました。19時には出なくなっていたように記憶しています。
他のライフラインはと言うと、電気は一度勝手に消え、すぐにつきました。ガス(プロパン)は使えたのですが、しばらくは余震が頻繁に起こったので使用は最小限にしました。つまり、水道以外は問題がなかったのです。
大きく2期に分かれた断水期間
私が住んでいた地域で全く水が出なかったのは2日までで、3日からは「通水」と呼ばれる状況でした。登録した羽咋市民向けのメーリングリストのメールによると、あくまで復旧のために水を通しているので、使いすぎると応急給水(災害で断水してしまった時に給水車などで水を配る)ができなくなったり、市全体の配水量が多くなり水が出にくくなったりするので、必要時以外の使用は控えるようにとのことでした。
「必要時以外の使用」がどのくらいのことなのか分からず、届いたメールに記されていた電話番号にかけたところ担当者は「お風呂や洗濯機には使わないで」と回答。また、「断水解消」となっても、なるべく節水してほしいと言われました。私が住む地域が「断水解消」したとメールで知らされたのが6日ですが、その後も3日ほどは洗濯を手もみ洗いしたり、コインランドリーを使ったりするなど、節水生活を心がけていました(本当はそこまでする必要はなかったのかもしれません)。
水を入手した方法
飲用水には自治体が応急給水としてくれるもの(原則1人1リットルの制限あり)や、パートナーが地震前から持っていた「保存水」、スーパーで購入したミネラルウォーターを使用しました。箱単位でまとめ買いする人も少なくありませんでしたが、うちは2人住まいだったのでペットボトル数本しか買いませんでした(必要量は家族の数などによる)。
生活用水には、主に地震直後にためた水と、災害時ということで開放していただいた市内の個人宅や工場、公共の施設などの井戸水です。井戸水は飲用ではないので、トイレや洗濯に使用することがほとんどでした。
水が使えないときに自宅で活躍したアイテム、シーンごとに紹介
※以下はあくまで「水道以外のライフラインが無事で自宅に住めて、子どもや高齢者がおらず、健康な成人2人暮らしの世帯」の例になります。
<持っていてよかったもの>
ペットボトル、現金、ラップ、アイラップ、紙コップ、割り箸、アルミホイル、冷凍ご飯(パックご飯)、キッチンアルコール、アルミホイル、タオル、ウェットタオル、ゴミ袋、常備薬、ガソリン
<買っておけばよかったもの>
ポリタンク、使い捨ての器、まな板シート、冷凍食品、レトルト食品、予備の下着、ドライシャンプー、災害用のトイレ
まずはオールマイティに活躍したもの
断水中、最も活躍したものは空のペットボトルでした。断水直前にためた水道水、それがなくなったら井戸水を入れて、キッチン、洗面所、トイレに配置。調理器具の洗浄や手洗い、トイレ使用後などに使いました。ペットボトルは最初2リットルのものが2本でしたが、断水中に入手した飲用水のものを再利用するうちに2リットルのもの、500ミリリットルのもの、各4本ずつになりました。
ちなみに水を入れるものとしてポリタンクを想像する人が多いと思います。私も2日にホームセンターで3時間弱並んで購入しましたが、結局使いませんでした。私が住む地区では応急給水でペットボトルでも水がもらえたからです。また、井戸水などを入れてしまうと、次に飲用水を入れられないからと生活用水には使わないでおきました。とはいえ、給水方法は地域や状況によるので備えておいて損はありません。白か透明で水の状態が確かめやすく、蛇口コックが付いている飲用水用のもののほうが望ましいと思います。
帰宅途中にトイレ休憩と買い物のために寄った被災したコンビニ、コインランドリー、自販機で使用したのが現金です。3日にもなると地元のスーパーやドラッグストア、ホームセンターの多くが営業を再開していてキャッシュレス決済ができないとは言われませんでしたが、地震直後は使えない場合も想定して、ある程度の額を現金(できれば両替しやすい1000円札か小銭)で持っていた方が良いでしょう。
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