高校の課題で作った「ガイコツ」の絵本がセンス抜群 「素敵な話」「本にして売ってほしい」と話題に(1/3 ページ)

高校生の頃作ったってマジか……。

» 2024年03月03日 12時30分 公開
[ねとらぼ]

 日々を幸せに過ごすガイコツを描いた絵本が、X(旧Twitter)で話題を呼んでいます。投稿者はマウス・オブ・ザ・デッド(@totomo_diamond)さん。高校生の頃、美術の課題で制作したという絵本「ガイコツ君は幸せ」を投稿するとたちまち話題になり、最初の投稿には17万以上の「いいね」(記事執筆時点)が付いています。

絵本「ガイコツ君は幸せ」 表紙のガイコツ君もハッピーな雰囲気

 絵本は、表紙・背表紙を除いて全19ページ。自分の首を抱えて座っているガイコツ君の絵と「ガイコツ君は幸せ」という言葉からスタートします。

 ガイコツ君は車にひかれてしまっても、拾ってくれる人がいてすぐ元通り。ハロウィンやメキシコでは人気があり、カロリーも気にすることがなくとても幸せそうに見えます。

「ガイコツ君は幸せ」3

 しかし、読み進めていくうちに、ガイコツ君にも嫌なことをされたり、苦手に感じることがあったりすることが分かっていきます。それでも誰かを責めることなく、「自分は生まれながらのガイコツだから仕方ない」と考えるガイコツ君。とはいえ、悪いことが続くと骨しかないことや自分の見た目が気になってくることも……。

「ガイコツ君は幸せ」7

 雨の中落ち込むガイコツ君ですが、傘を差しかけてもらったことでまた幸せな気持ちに。幸せな気持ちになる「いいこと」をずっとそばに置いておけばいいのだと考えたガイコツ君は、傘を差してくれた人と末永く幸せに暮らしたのでした。

 作中には、大きく身を乗り出した骸骨が描かれた歌川国芳の浮世絵「相馬の古内裏」や、頭蓋骨と共に描かれることの多い「マグダラのマリア」、映画『ターミネーター』のT-800など、骸骨を想起させるさまざまなモチーフが散りばめられています。

「ガイコツ君は幸せ」11 最後のページも遠目に見てみると……?

 絵本を読んだ人からは「なにこれ最高」「これが才能なんだなって目の当たりにした気持ちです…」「手元に置いて、気持ちがしんどい時に読みたい」など称賛の声が上がっていたほか、「絵本として買いたい」「普通に書籍化してほしい」といった要望も出ていました。

 絵本を作った背景などについて、マウス・オブ・ザ・デッド(@totomo_diamond)さんにお話を聞きました。

――美術の課題とのことですが、どういう課題だったのでしょうか?

マウス・オブ・ザ・デッドさん:高校3年生の終わり頃の課題で単刀直入に「絵本を作る」というものでした。 

――完成までにどれくらいの時間をかけていたのでしょうか?

マウス・オブ・ザ・デッドさん:凄まじいギリギリ体質なので提出の3日前とかに作りはじめて、前日かその朝に一気に仕上げた記憶があります。字が汚いのが当時の状況を物語っていると思います(笑)

――当時の評価はどうだったのでしょうか?

マウス・オブ・ザ・デッドさん:当時不登校で学校に行ってなかったのですが、友人から「美術の先生がめちゃくちゃ喜んでた」という話をあとから聞かされました。学校に行ってはないものの友達は多かったので、周りからも普通に褒められましたね。

――Xでの反応で印象に残ったものなどはありますか?

マウス・オブ・ザ・デッドさん:「当時不登校だった」と書いてしまったのもあり、反応してくださった多くの方がこの絵本に対して何かメッセージがあるという風に感じてくださったようなのですが、残念ながら思い付きの産物でして、当時は特に深い意味もなく正直適当に話を作りました。

 しかし、実はここ数年自分に発達障害という診断がおりまして。友人知人にそれについてとやかく言われることもなく普通に過ごしていたんですが、最近、はじめて差別的な目線を向けられ、それが信用していた身近な人からのものだった、というショッキングな出来事がありました。

 私の周りが特別精神年齢の高い人たちばかりだったのかもしれませんが、どんな人からも批判的な偏見の目というのは向けられたことがなかったので「差別」がこんなに悲しいものだと生まれてはじめて知ったんですよね。

 その経験をしてからこの絵本を読み返すと、自分で作ったものだからそんな意図はないと分かっているはずなのに、なぜかちょっと感動してしまって。

 何より皆さんもそういうメッセージがあると汲み取ってくださったみたいですし、今後は「深い意味はない」ではなく、「優しい世界」を公式解釈としていきたい所存です(笑)


 多くの人が注目する「ガイコツ君は幸せ」。マウス・オブ・ザ・デッドさんによると、出版社の人から連絡があり、絵本として世の中に出回る可能性も出てきているそうで、今後の展開からも目が離せません。

※作品提供:マウス・オブ・ザ・デッド(@totomo_diamond)さん

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」