新商品を開発するのに、なんと5年。マクドナルドのチキンバーガーには、それだけの時間がかかったという。いったい何にそれほど苦労したのだろうか。
日本マクドナルドは10月21日、チキンの新商品をレギュラーメニューとして発売する。「ザクザクジューシーマック」(460円~)、「スパイシーザクザクジューシーマック」(470円~)、「てりやきチキンジューシーマック」(470円~)の3種類で、サイドメニューの「ザクザクジューシーももチキン」(270円~)も登場する。

今回の特徴は、鶏もも肉を一枚そのまま使用していること。波状の凹凸がある衣で包み、ザクザクとした食感と、もも肉ならではのジューシーさを両立させたという。
試作は100パターン以上
開発では、100パターン以上の試作を重ねた。重視したのは「ジューシーさ」「食感」「味わい」の3つ。チキンの部位やカット方法、衣、味付け、ソースとの組み合わせなど、さまざまな仕様を検討し、消費者調査やお客さんの声も参考にしながら改良を続けてきた。
なかでも難しかったのが、肉のジューシーさと衣の食感を両立させることだった。マクドナルドの広報部は「『ジューシーさ』と『ザクザク食感』、そして『何度でも食べたくなる味わい』を一つの商品として成立させることが、大きなチャレンジでした」と説明する。


衣については、薄いタイプや硬めのタイプなど、複数の種類を比較した。その結果、採用したのがウェーブ状の凹凸を持つ衣だ。やわらかなもも肉との食感の違いを楽しめるようにしたという。肉の存在感を生かしながら、衣にも特徴を持たせる。そのバランスを探るために、試作を繰り返したわけだ。
では、なぜ鶏もも肉を一枚そのまま使うことにしたのか。
同社によると、消費者調査などを通じて、もも肉のジューシーさや、一枚肉ならではの食べ応えが求められていることが分かってきたという。そこで、肉そのもののおいしさと食べ応えを打ち出せる商品にした。
味は3種類。スタンダードな商品には、あらびきマスタードの風味を利かせ、ブラックペッパーを加えたタルタルソースを合わせた。スパイシータイプは唐辛子とガーリックの風味が特徴。てりやきタイプは、生姜とにんにくを利かせたソースに、スイートレモンソースを組み合わせている。
チキンに力を入れる背景
マクドナルドがチキンに力を入れる背景には、市場の成長もある。同社によると、チキンバーガー市場は、2021年から2025年までの5年間で年平均4.25%成長した。2025年の同社の市場シェアは、74.8%に達している(※)。
(※)Circana, CREST 2025年1月~2025年12月/市場定義:IEO市場(手頃な価格帯の業態)におけるチキンバーガー。



今回の商品は期間限定でなく、レギュラーメニューとして販売するのもポイントだ。同社は、ランチやディナー、間食など、幅広い場面で選ばれる商品に育てたい考え。将来的には「ビッグマック」や「ダブルチーズバーガー」に匹敵する新たな柱を目指すという。
5年かけて生まれたチキンバーガー。狙うのは、一時的な話題づくりではなく、長く売れ続ける定番商品だ。ただ、レギュラーメニューになるということは、発売後も店頭に並び続けるということ。開発チームにとっては、完成がゴールではなく、ここからが本当のスタートといえそうだ。


