から揚げ定食やハンバーグ定食はあっても、「海苔弁定食」はあまり見かけません。お弁当売り場ではおなじみなのに、食卓のメニューとして考えると、少し不思議な存在です。
ファミリーマートが10月6日に発売した「ファミマ・ザ・海苔弁当」が、発売から9日間で累計販売数100万食を突破しました。同社によると、プライベートブランド「ファミマル」のお弁当としては史上最速のペースだといいます。


価格は税込498円。ちくわの磯辺揚げやタルタルソース付きの白身魚フライ、コロッケ、ゆで玉子などが入っています。目新しいおかずがあるわけではありません。なぜ、この定番を「ファミマ・ザ」シリーズのお弁当第1弾に選んだのでしょうか。
お弁当のために生まれたメニュー
担当者は、ほかのお弁当との違いを挙げます。から揚げ定食→から揚げ弁当、ハンバーグ定食→ハンバーグ弁当。多くのお弁当には、もとになる食事のメニューがあります。一方、海苔弁当については、こう考えたそうです。
「一般的な食卓のメニューにはない、お弁当のために生まれたメニューだと思っています」

そんな海苔弁当こそ、お弁当を象徴するメニューとして、第1弾にふさわしいと判断したといいます。
ただ、同じ海苔弁当といっても、価格や具材の組み合わせはさまざま。開発にあたっては、デパ地下の高級品からスーパーの低価格商品まで、実際に食べて調べました。
「『ファミマ・ザ』を名乗るにふさわしい海苔弁当とは何か。その答えを見つけるために、調査・研究しました」
海苔弁当の王道と考える具材
今回の商品では、白身魚フライやちくわの磯辺揚げ、コロッケなど、海苔弁当の王道と考える具材をそろえました。ごはんには、だし醤油、削り節、海苔を重ねています。おかずの構成に加え、ごはんの風味にも目を向けたといいます。
価格については、税別ではなく、消費税を含めてワンコイン以内に収めることを重視しました。背景にあるのは、物価高が続く中、日々の昼食代を抑えつつ、食事の量や味にも満足したいというニーズです。
発売後は、購入者の構成にも変化が見られました。ファミマによると、従来の海苔弁当と比べて、女性層と若年層の比率が拡大しているそうです。
「お買い求めやすい価格設定により、お客さまの間口が広がったのではないかと思っています」

おなじみのおかずをそろえ、税込498円に収めた海苔弁当。同社は、お弁当売り場の新たな定番にしたいとしています。
発売から9日間で100万食というスタートを切りましたが、定番になるには、繰り返し選んでもらう必要があります。お弁当売り場の“いつものやつ”になれるか。海苔の下には、ごはんだけでなく、そんな期待も敷かれているようです。


