大きな影響を与えるタイトルを少なくとも年に3〜4タイトルは発売する――シェーン・キム氏インタビューXO5

2005年10月5日(以下、現地時間)、オランダ・アムステルダムにて開催された、Xbox 360の欧州プレス向けイベント「X05」において、「Microsoft Game Studios」からリリースされるタイトルの、もう1人のキーマンであるシェーン・キム氏に話を伺うことができた。

» 2005年10月08日 04時55分 公開
[遠藤学,ITmedia]

 2005年10月5日(以下、現地時間)、オランダ・アムステルダムにて開催された、Xbox 360の欧州プレス向けイベント「X05」。その2日目には、各タイトルのクリエイター陣へのインタビューが行われた。

 インタビューは世界各国のメディアと合同で行われたため、日本市場というよりは世界市場を考えてのものが多かったが、今回、特別に日本メディアのみで「Microsoft Game Studios」(以下、MGS)のジェネラルマネージャーを務めるシェーン・キム氏に話をうかがうことができた。

 日本でもミストウォーカーの坂口博信氏、キューエンタテインメントの水口哲也氏、ゲームリパブリックの岡本吉起氏など、多くの著名クリエイターと一緒にタイトルを制作しているMGS、今回明らかになった3タイトルも含めて、今後の展開をキム氏に聞いてみた。

photo Microsoft Game Studios ゼネラルマネージャー シェーン・キム氏

―― 「XO5」において、MGSから発売される3タイトル、「ライオットアクト」(REALTIME WORLDS制作、英語名:「Crackdown」)、「Mass Effect」(BioWare制作)、「Too Human」(Silicon Knights制作)が発表されましたが、一緒に仕事を行うようになった経緯を教えてください。

シェーン・キム氏(以下、キム) われわれとしては、その分野におけるベストな開発スタジオと一緒に仕事をしていきたい、という考えがあります。そういう意味で、REALTIME WORLDSを始めとする3社は非常に優秀で、良いものを作ってくれると思います。ただ、最終的にはわれわれのプラットフォームで最も“強み”を出してくれるタイトル、それを求めています。

―― 日本ではミストウォーカーの坂口博信氏、キューエンタテインメントの水口哲也氏、ゲームリパブリックの岡本吉起氏と一緒にソフト制作を進めていますが、今後も日本の開発スタジオと組んで、ということは考えていますか?

キム 3人のようなクリエイターと一緒に仕事ができるのは、われわれにとってすばらしい機会であると思っています。現在、新たに発表するようなものはありませんが、日本のマーケットでの成功を考えている以上、協力してくれる開発スタジオは今後も探していくつもりです。

―― ちなみに、「XO5」で発表された3タイトルは、今のところ日本での発売は未定です。こちらはリリースされるのでしょうか?

キム 決定はしていませんが、日本市場でリリースする可能性は非常に高い、と考えてください。

―― こちらの発売が決定されることを期待しています。では、MGSについて聞かせてください。現在は開発スタジオと組んで仕事をしていますが、MGS内部に開発をおいてタイトル制作を行おうとは考えていますか?

キム 内部で開発したものとしては、過去に「ファントム・ダスト」があります。しかし、現在は日本の素晴らしいクリエイターと仕事をしています。これは「MGS」内部の資源・人材を考えてのことなのですが、将来的にどうなるかという点に関しては、まだ分かりません。

―― Xbox 360のロンチタイトルは7タイトルとなっていますが、こちらが増える可能性は?

キム ロンチタイトルに関しては、まだ発売日まで時間があるということで、増える可能性はあります。

―― MGSとして、ワールドワイドで年間に何タイトルは発売したい、という具体的な目標はありますか?

キム 予定としてこれだけ出したい、という具体的な目標はありません。そういった考え方ではなく、“大きな影響を与えるタイトルを少なくとも年に3〜4タイトルは出していきたい”と考えています。もちろんこれは、6〜7タイトルでも構いませんが(笑

―― ただ、大きな影響を与える3〜4タイトルとは言っても、日本と欧米だとゲームの好みが違います。日本市場で特に強化していきたいジャンルなどはあるのでしょうか?

キム 現行機ではうまく行うことはできませんでしたので、この点については、考えなければならない問題であることはもちろん認識しています。ですから、Xbox 360では日本の著名クリエイターと組んでゲームを制作することにしたのです。ワールドワイドで成功したいと考えてはいますが、地域ごとのニーズというものは必ず存在しますので、文化的な特徴を考えながら、タイトルをリリースしていくつもりです。

―― よく分かりました。では最後に、日本のゲームファンにひと言いただけますでしょうか?

キム 日本のゲームファンは、Xbox 360ですごくエキサイティングできると思います。なぜなら、東京ゲームショウの時よりも、サードパーティから多くの日本向けタイトルが開発されているからです。ハードがパワーアップし、日本向けのコンテンツが充実し始めた、非常にすばらしい時が来たのではないかと考えています。



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