さらに拡大するドラクエワールド――「ドラゴンクエストIX」をニンテンドーDSで発売「ドラゴンクエスト」生誕20周年記念新作発表会(1/2 ページ)

スクウェア・エニックスは、生誕20周年を迎えた「ドラゴンクエスト」シリーズの最新作「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」をニンテンドーDS用ソフトとして制作していることを発表。さらに拡大するドラクエワールドを紹介した。

» 2006年12月12日 23時19分 公開
[加藤亘,ITmedia]

 既報のとおり、スクウェア・エニックスは今年生誕20周年を迎えた「ドラゴンクエスト」シリーズの新作発表会を本日12月12日、パークハイアット東京で開催。シリーズ最新作「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」(以下、ドラクエIX)をニンテンドーDSで2007年には発売すると発表した。価格は未定。

 第1作「ドラゴンクエスト」は、日本のソフトウェアメーカーが手掛けた家庭用ゲーム機初の本格的ロールプレイングゲームとして、ファミリーコンピュータ対応で発売されたのが1986年5月27日のこと。シリーズ累計出荷本数は9月現在、全世界で4000万本以上に達し、社会現象をも引き起こした言わずと知れた国民的ゲームタイトルである。

 現在まで「ドラゴンクエスト」シリーズは、第4作「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」までをファミリーコンピュータ向けとして発売。その後はスーパーファミコン、プレイステーション、プレイステーション 2と対応ハードを変え、現在第8作「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」まで発売されている。また、携帯ゲーム機や携帯電話アプリとしてもリメイクされ、「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズや「不思議のダンジョン」シリーズ、「スライムもりもりドラゴンクエスト」シリーズなどの外伝的作品も多数世に送り出されている。

 発表会ではこれらドラゴンクエストの歩みを歴史とともに振り返るところからはじまった。後に登壇するスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏も日頃から語っているように、その時代にもっともユーザーに喜ばれるものを、もっとも訴求しやすいハードで開発してきたドラクエシリーズも、今年で20周年を迎えた。

エグゼクティブプロデューサー三宅有氏

 最初に、スクウェア・エニックス ドラゴンクエストシリーズ エグゼクティブプロデューサー 三宅有氏が登壇。「20年という時間はひとつの区切りにすぎない。すべてのユーザーへの感謝の気持ちを忘れずに、皆さんの期待に応えるべく、今後も面白いドラクエを提供できるようにしたい」と、今回の発表会は通過点でしかなく、新たなドラクエの心意気を表現した場であると挨拶した。

 続いて壇に上がったドラゴンクエストのシナリオ・ゲームデザイナーを担当、アーマープロジェクト代表取締役の堀井雄二氏は、「ドラクエのIを制作した時は、これほど続くとは夢にも思っていなかった」と、シリーズを愛してくれたユーザーに感謝を述べるとともに、「びっくりするニュースがある」と次回作について匂わす。

 今年12月28日にはニンテンドーDSで「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」が、2007年には任天堂の携帯ゲーム機家庭用ゲーム機Wiiに対応した「ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔」(以下、「ドラクエソード」)が発売されることになっている。まずは広がるドラクエワールドの紹介として、「ドラクエソード」のプロデューサー 市村龍太郎氏も壇上に招かれ上記2作品について説明した。

ドラゴンクエストのシナリオ・ゲームデザイナーであり、アーマープロジェクト代表取締役の堀井雄二氏は、ここ数カ月はずっと「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」に関わっていたとのこと
先日結婚したばかりと紹介されたプロデューサーの市村龍太郎氏。ボイス対応になったことについて、特撮モノのように声を使うことを考慮して、特撮を経験したことがある役者にお願いすることにしたと明かす
「ドラクエソード」は、日本で発売するドラクエシリーズオリジナル作品では初となるボイス対応で、登場人物や仲間キャラクターたちが実際に声でしゃべり、物語により臨場感を与えてくれる

「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」は、3Dで表現されたフィールドを駆けめぐり、戦っていたモンスターをスカウトし、仲間にすることができるRPG。スキルポイントで育成することもできるほか、掛け合わせることでモンスターを配合することもできる。DSならではの通信機能を使ってさまざまな対戦も可能となっている。堀井氏は普段、外伝的な作品の場合は監修のみなのだが、マスターまでの2カ月ほぼ付きっきりで、本編なみに関わったとのこと。価格は税込み5040円

「ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔」は、Wiiリモコンを剣に見立て、自ら振り抜くことで敵を倒すことができる体感RPGである。アルソード王国と呼ばれる国を舞台に、主人公と3人の仲間たちとの物語がつむがれる。堀井氏曰く、イベントや戦闘に重きを置いた作品で、臨場感たっぷりな演出が見ものだとか。寝転がっても楽しめるとか。2007年春発売予定。価格は未定だ

 発表会ではさらにアーケード用のカードゲーム機「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」を開発中で、2007年夏には全国のアミューズメントスポットで展開することも発表された。本作は「ドラゴンクエストVIII」のバトルロードから発想を広げて製作されたもので、カードバトルゲームとなる。1プレイ100円で遊ぶことができ、1プレイごとにモンスターカードを1枚入手することができる。カードにはシリーズでおなじみのモンスターが1体ずつ描かれており、裏面に記載されたデータをゲーム機で読み取ることで、ゲーム画面に実際にそのカードのモンスターが登場するというもの。

 バトルは3対3の団体戦で行い、それぞれモンスターで繰り出したい必殺技をボタンで押して選ぶだけの操作となっている。発表会では筐体そのものも披露され、すでに完成間近といった状態の様子。この筐体は従来のカードゲームとは異なり、筐体そのものにも仕掛けが施されているという。堀井氏が「面白ければなんでもあり」と言うだけあって、ドラクエの世界は縦横無尽に広がりを見せていくのだとか。


中央に刺さっている王者の剣がすごいことになるとは市村氏の言葉。映像ではせり上がっていく王者の剣の様子がCGで表現されていたので、なにかしらの状態になると、剣がせり上がってくると推測できるのだが……

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