好き嫌いはっきり分かれる映画となった――「龍が如く 劇場版」完成披露試写会
セガが発売した「龍が如く」を原作とした劇場版の完成披露試写会が、本日イイノホールにおいて開催された。龍が舞う姿も見ることができた試写会では、黄色い歓声がそこかしこから上がる。
2005年12月にセガから発売されたプレイステーション 2用ソフト「龍が如く」は、今年12月にシリーズ2作目の「龍が如く2」を発売するにいたり、前作をしのぐ50万の販売本数を誇る人気作へと成長した。昨年、「龍が如く2」の発売を前日に控えた12月6日、「龍が如く 劇場版」のクランクアップを記念して行われたレセプションパーティにおいて、勢そろいしたスタッフやキャストが完成披露試写会に駆けつけた。
「龍が如く 劇場版」は、架空の街・神室町を舞台に、かつて「堂島の龍」と呼ばれた伝説の極道・桐生一馬が刑期を終えて10年ぶりに戻ってきたことで、さまざまな別個に起こっていた事件が複雑に絡み合い、国をも巻き込む驚愕の事実へと展開していく物語が描かれるゲーム「龍が如く」をベースにした群像アクション大作。
会場となったイイノホールは約700人ほどの座席数を誇るが、座れない人が出るほどの混雑ぶりを見せる。お目当ては主演の北村一輝さんや敵役の岸谷五朗さん、そして韓国からこの日のために来日したコン・ユさん。壇上に挨拶に現れると、黄色い歓声が会場中を埋め尽くす。
完成披露試写会に登壇したのは、「龍が如く」の総合プロデューサーであるセガの名越稔洋氏のほか、映画監督の三池崇史氏、主人公・桐生一馬役の北村一輝さん、真島吾朗役の岸谷五朗さん、韓国政府諜報機関のスナイパー・朴役のコン・ユさん、悟役の塩谷瞬さん、唯役のサエコさんの7人。
自らが手がけたゲームが映画化し、こうして一般の目に触れることに感慨もひとしおな様子の名越氏はもちろんのこと、三池監督や出演者もともに、この場にいることに一様に安堵し、楽しんでいるようだった。
三池監督は、本作のエンドロールまで見てみると、面白い面白くないではなく、単純に好き嫌いはっきり分かれる出来になっていると発言。また、出演者の北村さんは、なかなか珍しい“いい人”の役なので注目してほしいと語った。北村さん同様に、本作の見どころを聞かれた出演者はそれぞれ、岸谷さんは自身が扮した強烈なキャラクターとなった真島役の横分けっぷりを挙げ、また日本映画初出演のコン・ユさんは、ドラマでは見せなかった映画ならではの魅力を見てもらいとアピールした。また、コン・ユさんは三池監督の撮影していくスピードに驚いたと明かすが、日本人俳優たちからも同様の声が上がり、特別スピーディに撮影していたことが推測できた。また、見どころについては、サエコさんが答えた「出演男性陣たちの年齢別に見る肉体美」という発言が印象的で、実際触りたくなったと会場を沸かせた。
舞台挨拶後には囲みでの取材も行われた。参加したのは三池監督と、北村さん、コン・ユさん、サエコさんの4人。三池監督は、ゲームを元としていることに対し、ゲーム製作を楽しんで作っている姿勢と、自分たちが持っている常識を自分たちで覆していくことをしているゲーム開発スタッフたちに敬意を表し、映画界に今必要なことだと感想を述べた。また、出演にあたり胸囲の筋力アップに努めた北村さんは、キャラクターが設定されているものなので、ただの真似にならないように気をつかったのだとか。また北村さんは、子供から見たヒーロー像を演じたつもりと役作りについて語ってくれた。やはりここでも普段はいい人なので、悪役を演じるのは大変だったと笑いながらアピール。それに対してちょっと言葉を濁すサエコさんにつっこむ場面も。
以前から映画というジャンルに興味を持っていたコン・ユさんは、思わぬチャンスに恵まれ、幸せな時間を過ごせたとコメント。すごいファンからの声援だったことについて聞かれたコンさんは恥ずかしかったと照れてみせる。ファンの歓声に圧倒されたとうなずく北村さんによると、壇に上がる前に投げキッスをしたほうがいいかと聞かれ、やめておいたほうがいいと止めたと取材陣に裏話を語るも、コンさんは最初に投げキッスをしたほうがいいと奨めたのは北村さんだったと反論。真実はわからないが、仲がよさそうな雰囲気は伝わってきた。
「龍が如く 劇場版」は3月3日に全国公開される。彼らの熱い演技をぜひその目で確認してもらいたい。
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