2度の挫折を経て「FFXI」にハマりつつある独身男性の物語(その3) :ヴァナ・ディールをもう一度(2/2 ページ)
バージョンアップで追加された「チョコボレース」に初参戦!!
積極的にパーティーを組んでガンガン経験値を稼ぐ日々が続いたので、少々戦いに疲れた僕は、久しぶりに我が愛すべきチョコボ(その名はMatsukazeBreeze)の様子を見にいくことにした。というのも、2007年3月29日に行われたバージョンアップで新たに追加された新要素「チョコボレース」を体験してみたくなったのだ。しかもレースに勝つともらえるチョココインで、育成に役立つアイテムと交換できたり、チョコボの羽根を染めることができるらしい。これを機に、黄色から赤か黒に変色させようという新たな野望が生まれた。その道が長く険しいものになることも知らずに……。
僕のチョコボはすでに騎乗できるまでに成長しているが、育成にはそれほど力を入れてなかったので能力的には中の下。さらにMatsukazeBreezeはブリーダーである僕に何の愛情も感じていない、という残念な状態だ。何日も放置していたからMatsukazeBreezeも愛想が尽きるか……。それでもレースに参加したい一心で、チョコボレースの出走に必要な「レース出走許可証」を発行してくれる、VCS調教師のZopagoに会いに行った。
約1カ月ぶりの再会なので、まずはチョコボの育成結果がまとめて報告される。久しぶりに聞いたので、自分が選択していた育成計画が「ひとりで運動」のみだったことを思い出した。それも1日も休ませることなく……。まるで孤独のアスリートのようだ(そう仕向けたのは僕なんだが)。さすがに1カ月ぶんの報告をまとめて聞くのは大変だな……と思っていた瞬間、Zopagoが信じられないことを口にした。
「残念だが、お別れの時が来たみたいだな。」
一瞬ログを疑った。あまりに突然な宣告だった。つまり僕はもう、MatsukazeBreezeに運動させてあげることも、話を聞かせてあげることも、食べ物を与えてあげることもできなくなるのだ。そのあと、今まで僕とMatsukazeBreezeが過ごしてきた日々がイベントで流れていく。それがかなりニクイ演出で、見ていて何だか泣きそうになってきた。ちゃんとした育成をしてやれなくて、申し訳なく思った。Zopagoはそんな僕の気持ちを見抜いたかのように――
「もう二度と会えないわけじゃない。そう悲しい顔をしないでくれ」
と、のたまった。ぼうぜんとモニターを見るしかないそのときの僕の顔は、本当に悲しみであふれていたと思う。……でもまあ、今後もチョコボホイッスルで呼び出せるようだし、チョコボレースに必要な登録証はもらったし、さらには調度品までいただいたので、ここはプラスに考えることにしよう。これを糧に、次から育てるチョコボはちゃんと面倒をみよう。
入手した登録証をチョコボレースセンターの受付NPCにトレードして、早速チョコボレースに参加する。僕が出走させるチョコボはもちろん、すでに引退しているMatsukazeBreezeだ。これまでの(大したことのない)育成で得た能力を存分に発揮してくれ!!
出走チョコボは全部で6羽。スタートの合図と同時に一斉に駆け出していく。最初から1位になれるなんて思ってもいないが、せめて2着くらいには……と淡い期待感のなかレースの状況が中継される。序盤のうちは互いに様子をうかがうような感じでズバ抜けて速いチョコボはいなかったが、中盤〜後半に差し掛かると格の違いを見せ付けられ、明らかに速いチョコボが飛び出してきた。
その頃のMatsukazeBreezeはというと、何とか5着をキープしている模様……。そのまま奇跡の大逆転も起きずに5着でゴールイン。やはり1位を狙うには、チョコボをしっかりと育成する必要がありそうだ。しかし、MatsukazeBreezeはもう引退したので育成は不可能。となると、もう一度新しくチョコボの卵を入手してヒナから育てなければならない。チョコボが騎乗できるようになるまで成長するのは地球時間で約1カ月。僕がチョコボレースで勝つのは、まだ当分先の話になりそうだ。
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