「アナタハ……ダレ……」――振り向くことすらおののく、Blu-rayノベル:「忌火起草」レビュー(1/2 ページ)
昨年「かまいたちの夜×3」でシリーズにひとつの区切りをつけた、チュンソフトのサウンドノベルシリーズ。しかし「忌火起草」がリリースされると、東京ゲームショウ2007をはじめ各所で大きな話題を呼んできた。この新作、何がここまで我々をワクワクさせてくれるのか。
昨年の中村社長へのインタビューにヒントが!
チュンソフトからサウンドノベルの新作が出るらしい――そんなニュースを聞いたとき、筆者は正直驚いた。昨年に発表された「かまいたちの夜×3」では、本サイトの原稿のためにチュンソフト社長、中村光一氏にインタビューできるということで、完全に遊びつくしていた。そのときの濃密なプレイ感を、いまだに引きずっていたから「もう新作!?」と感じたのだと思う。
自分で担当した記事でもあったので、読み返してみた。すると、どうやらインタビューの最後にこんなお話を聞いていたらしい。
―― これからゲーム業界は、次世代機を中心に回っていくことになると思います。次世代機になることで、サウンドノベルは何か変わりますか?
中村氏 ハイビジョン対応になるとか(笑)。ドルビーサラウンド5.1ch、記憶媒体、いろいろと変化はあるでしょう。3Dを使ってリアルタイムに演出できるのではないか、などのいろんな話は出ています。けど、率直に言って“それって必要かなぁ”と思ってしまうんですよね。だから、基本としてのサウンドノベルは変化しないと思います。
読者諸兄諸氏よ、どうですか、この自信。確かに「かまいたち×3」はボリュームこそ少し物足りなかったものの、内容としては最後のどんでん返しを含めて、素晴らしい体験をさせてくれた。とはいえ、美しいグラフィックも、気分を盛り上げる音楽も、“最新技術は、さして問題ない”と言い切り、サウンドノベルの根底にある面白さは不滅である、と胸を張る。
「少しの画と、面白い文章と、気分を盛り上げる音があればよい」
と断言してしまったのだ。よくよく中村氏の言葉を読み返してみると、「忌火起草」で使われている技術はすべてここに集約されている。
- ハイビジョンに……なった
- ドルビーサラウンド5.1chに……対応した
- 記録媒体も……当然変わった
- 3Dを使ってリアルタイムな演出も……実はやっている!!
あぁ、なるほど。もう去年のこの時点で、「忌火起草」はほとんど形を見せていたんですね。しかも、最新技術を駆使しつつも、サウンドノベルの確固たる面白さを引き従えて!! これは期待も高まるってものです。
はたして「忌火起草」とはなんぞや?
本作の主人公は、牧村弘樹という20歳の大学生。野草研究サークルに所属しているが、サークルの実態はお遊び会。同じサークル内に、早瀬愛美という、気になる女の子がいる。ちょうどその頃、学生が次々と謎の焼死を遂げていく事件が頻発する。どうやら「ビジョン」と呼ばれる合法ドラッグを口にした人間が、そういう目に遭う様子だ。主人公の牧村弘樹は、ビジョンを口にしたことがないにも関わらず、焼死した学生たちと同じように、“妙な幻覚・幻聴”に悩まされるように。彼はこの呪いから逃れるため、野草研究サークルがビジョンを回し飲みした、とある屋敷へ向かう。そこは、謎の花“忌火起草”に囲まれていたのだった……。
ようするに「忌火起草」とは、幻覚を起こす合法ドラッグ「ビジョン」の原材料であり、それを飲んだ学生たちが変死していく、らしい。はたして「忌火起草」という草花は本当に存在するのか。ちょっと検索エンジンで調べてみたくらいでは、まったく引っかからず、きっと架空の草なのであろう、と勝手に結論付けた。もし本当にあるのなら、誰か教えてください。
画面に表示される静止画や動画、その上に流れる文字、そして登場人物がしゃべる声、場の雰囲気を盛り上げるサウンド。小説のような地の文を読みながら、映画を見るように画面、声、音楽、効果音を楽しむ。これが「忌火起草」というサウンドノベルのプレイスタイルだ。考えてみれば、これは新しい表現方法かもしれない。映画に主人公の地の文がついているのだ。“(小説+映画)÷2”というあつらえは、果たして吉と出るか凶と出るか。
ゲームシステムの各所にチュンソフトらしさが
それでは、システム面を見てみたい。文字のサイズ変更や明るさ、サウンドの設定などといったオプション類はしっかりと用意されており、プレイしやすい環境を設定することが可能。十字キーの上を押せば、ログを読むことができる。ただし、セリフの音声は再度流れることはないので、会話は集中して聴いておいたほうがよいだろう。「街〜運命の交差点〜」で使われていたTipsのシステムが本作で復活しており、青くマークされている文字が表示されたら、△ボタンでチェックしてみると、その内容詳細が表示される。この文章を読んでいくだけでも面白いので、表示されたら「前に見た名前だからいいや」と言わず、必ずチェックしよう。違う情報を次々と読めるのである。
サウンドノベルは、すべての選択肢を経験することで、新たな物語が始まるという構造になっているため、過去の作品ではフローチャートを自分で作っていた。「かまいたちの夜×3」では、このフローチャートが自動で生成されたが、本作でもそのシステムが活かされている。どこでどんな選択をしたのかまで分かるため、すべての物語を見たい人にとっては、非常に親切な機能だ。エンディングのリストも用意されており、再度このエンディングが見たいと思ったら、再生すればよい。
さて、本作にはお楽しみ要素が2つ用意されている。ひとつは、百八怪談集。108つという煩悩の数だけ表示されているろうそく。怪談がひとつ語られるごとに、ここで読み返すことができるようになる。すべてのろうそくが消えたとき、何かがおこるのか? それはプレーヤー自身で確かめてもらいたい。
また、パスワードを入力する画面も最初から用意されている。これはきっと、物語を進めていくうちに、パスワードが表示されることがあるのだろう。入力すると、ボーナスシナリオが読めるらしい。これは絶対に見なければ。パスワードはひとつだけとは限らないかもしれない。そのあたりも、プレイしていくのに楽しみだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
-
「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
-
「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
-
餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
-
毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
-
「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
-
放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
-
脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
-
父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
- 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
- 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
- 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
- コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
- 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」