痛快。爽快。大爆笑。Wiiザッパー握って浮き世の憂さを吹き飛ばせ「ゴースト・スカッド」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年11月12日 00時00分 公開
[水野隆志,ITmedia]
前のページへ 1|2       

笑っているだけじゃスコアは延びない

 ここまで、ゴースト・スカッドがいかに楽しいか、というか“おバカ”に徹しているかをご紹介してきた。それは紛れもない事実だし、ここまで貫くとある種の魅力になるのも間違いない。ただし、もうひとつ、絶対に見逃してはならない点がある。それはおバカな要素こそあれど、いわゆるバカゲーなどでは決してない、ということだ。Wiiザッパーを構え、ただバンバン撃っているだけでも楽しい。しかし、本当の楽しさ、面白さはその先にある。それは、いかにハイスコアを挙げるかという、ガンシューティングの本質だ。

画像 各ステージにはミッションレベルが設定されている。同一ステージを繰り返しクリアすることで上昇していき、それにともなって敵の配置や反応速度が変化していく

 ここからはゲームシステムについてご紹介していこう。

 ゴースト・スカッドはFPS(一人称視点シューティング)と呼ばれるタイプのガンシューティングだ。用意されているステージは、リゾートホテル、大統領専用機、密林地帯の3つ。各ステージのクリアまでの時間は約10分、全体でも30分もあればエンディングに辿り着ける。元アーケードゲームらしく、非常にコンパクトな作りだ。

 ステージ構成の中で注意すべきは、途中で行動分岐が発生することだ。数か所の分岐があるので、どういったルート取りをするかでミッション内容がずいぶん変わってくる。

 このルート取り、ハイスコアと密接な関係を持っている。各分岐には、通常の銃撃戦だけでなく、トラップの解除、狙撃、格闘などの特殊イベントが用意されており、これらをいい成績でクリアできるかが最終的にハイスコアに大きく影響するようになっているのである。

 ハイスコアを挙げるには、各ルートで起こる特殊イベントを把握したうえで、分岐ごとにどのルートへ進むか考えておく必要がある。時には苦手な特殊イベントがあるルートを避けるといった策が有効なこともある。ガンシューティングといっても射撃センスだけが求められるのではなく、それに先立ってステージの全体的な構成を考え、ゲームを組み立てていく戦術性が問われるのである。

画像 最初はあまり分岐がなく、一本道に近い構成なのだが、ミッションレベルを上げていくといろいろなルートが出現するようになる
画像 特殊イベントには、Excellent、Good、OKなどの評価値がある。高い評価でクリアすることが高得点に繋がる

プレイスタイルへのこだわりがさらなる面白さを呼ぶ

 3ステージを最後までプレイすると、スコアに応じて経験値が入り、それによりプレイヤーキャラクターはレベルアップをしていく。この時、武器やコスチュームが追加される。高得点を挙げることは、こうしたボーナスフィーチャーを獲得するという点でも意味があるのだ。

 コスチュームは雰囲気の問題で、ゲームの難易度とはあまり関係ないのだが、それでも見た目が変わると気分も変わっていい。シークレットモードほどではないにしろ、なかなか楽しいセンスの服もあるので集めて損はないだろう。

画像 用意されている武器、コスチュームはかなりの数に上る。なるべく早くすべてを集めるためにも、高得点は欠かせない
画像 追加コスチュームのひとつ、Tough Guy。上半身裸になるので服とは言い難いが、マッチョさではトップクラス。クラシカルなWorld War IIもいい

 一方の武器は、ゲームの難易度をかなり左右する。大別してマシンガン系、ハンドガン系、ライフル系、ショットガン系のタイプがあり、さらに各系統ごとにいくつもの種類が用意されている。

 このうち、基本となるのがマシンガン系だ。速射性と攻撃力に優れ、非常にバランスがいい。一気に大量の弾を吐き出すため、短時間で弾切れになってしまう恐れもあるが、少数の味方で多数の敵に挑むのだから、弾幕が張れるマシンガンは重宝する。最初に使える武器がこのタイプになっているのもうなずける。

 これに比べてハンドガン系は上級者向きのクセの強い武器だ。装填弾数がマシンガンに比べると少ない代わりに再装填のスピードが速い。一般的には威力が低く、マシンガンよりも多くの銃弾を撃ち込まないと敵を倒せないが、盾や障害物などを貫通する強力な銃弾を使える武器もあるので、扱い慣れればそれなりに使い勝手がいい。多人数でプレイする場合は、誰かこの貫通能力を持つ銃を選んでおくと、意外に楽に道が開ける。とはいえ、この手の武器は装填弾数の少ない武器が多く、1人でプレイする場合は、それなりの覚悟が必要だ。

 ライフル系は基本性能として貫通能力を有している。これはなかなかの強味なのだが装填弾数がかなり少ないので、頻繁な再装填が不可欠。この手間は銃弾の威力を考えてもかなりのロスだ。装填弾数を2倍にするアイテムがあるので、これを手に入れれば強力だが、つねに手に入るわけではないし、手に入っても無限に使えるわけではない。従って、クリアには相当な慣れが求められる。

 ショットガン系は攻撃範囲の広さが魅力だ。敵がまとまっているところへ撃ち込めば、一撃で複数が倒れてくれることもあり、装甲の堅さが厄介なボートやヘリなども比較的早く破壊できる。最大の弱点は装填時間の長さ。装填数も少ないので再装填中に敵の攻撃を受けるとどうにも困ってしまう。また、人質と敵が入り乱れている場所などでは、うかつに射撃もできない。強さと不便さを兼ね備えた、やり込み派向きの武器である。

 どのルートを、どの武器で進んでいくか。扱いやすい武器でハイスコアを狙い、それをニンテンドーWi-Fiコネクションを通してアップロードし、世界のプレイヤーとの腕を比べるのもいいだろう。あるいはあえて扱いにくい銃を選び、どこまで行けるか、何点取れるかに挑むのもいい。すべての武器でノーコンティニュークリアを狙うなどの途方もない遊び方もあり得る。プレイヤー1人1人が自分なりの楽しみを探せるだけの深みがゴースト・スカッドにはあるのだ。

 こうしたプレイスタイルへのこだわりは、一見おバカなシークレットモードですら、きちんと盛り込まれている。忍者モードの手裏剣。この武器は装填弾数という概念がない。つまり投げたい放題。何ともありがたい話だが、その代わりスピードは銃より劣る。同時に撃ち合えば、こちらよりも先に敵の弾が命中する。まあ、手投げ武器と銃器で勝負しているのだから当然だが、そのため、銃であれば反撃を受ける前に倒せる敵から容赦ない銃弾の雨を見舞われる。しかも軌道が微妙にカーブする。遠くの敵にはその分当てにくい。遊びのモードだから適当に、などということはまったくなく、むしろ難易度という点ではアーケード版よりも難しいくらいなのである。

 パラダイスモードの水鉄砲となるとさらにキビシイ。撃ち出された水は放物線の軌道を描く。だからかなり近い敵でも狙った場所でも下に当たる。離れた敵になると胸を狙って足に当たるくらいのズレを生じる。しかも銃弾速度が遅い。手裏剣と違って弾切れになるので、そのたびに再装填しなければならない(この時、バケツにつける音が聞こえる。細かい)。水着のお姉ちゃんをほけーっとながめていたら、一向に進みゃしないのだ。

画像 忍者モードでは、キャラクターやオブジェクトの一部が時代劇風に変化する。オールドファッションな人々が現代兵器を構えている光景はなかなかシュール
画像 水着のお姉ちゃんと水鉄砲で戦うパラダイスモード。このお姉ちゃんたち、水があたると「あっ、あっ、あっ、うう〜ん」とあえぐ。ああ、パラダイス……?

 ステージ構成を考え、敵の配置と出現数を覚え、どの敵から倒していくかを判断し、お好みの武器の扱い方を研究していく。そうした積み重ねが約30分という短時間に凝縮している。この時間の密度は限りなく濃い。

 ゴースト・スカッドは隅から隅まで、緻密に計算されたゲームだ。それでいて、初心者からベテランまで、1人から最大4人まで、幅広いユーザーが遊べるだけのバランス感覚にあふれている。ゲームオーバーになっても、あるいはクリアしても、次はもっと上手くいけそうだ、と思ってしまう。そして再びスタートボタンを押し……ゲームセンターではそのたびにコインを入れることになるが、そこはコンシューマのありがたさ。ただ、金を使わないものだから、ますますのめり込んでしまう。気づけば結構時間が経っているが、その頃には腕も上がっているからさらに続けたくなる。かくしてハマりから抜けられなくなる。本当に、実に見事にできている。

関連キーワード

Wii | セガ | 水着


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/14/news189.jpg 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. /nl/articles/2411/15/news009.jpg 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. /nl/articles/2411/15/news058.jpg 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. /nl/articles/2411/14/news023.jpg “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声
  10. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた