やりやすくやられやすい――新生「FFIV」は手堅いRPG:「ファイナルファンタジーIV」レビュー(2/3 ページ)
声の話が出たので、音楽にも触れておこう。元々の「FFIV」からそうなのだが、本作の音楽は個人的に名曲ばかり!初代「FFIV」あたりの植松伸夫氏の音楽というのは、ゲームミュージックとしてかなり脂がのっているように思う。少ない音源でファンタジックな世界をドラマチックに演出するという点で、職人的にいい仕事をしていらっしゃる。そんな元々の楽曲を、音質や音感をアップさせつつもちゃんと再現しているので、植松氏のファンにも安心していただきたい出来だ。
本作の物語は、軍事大国であるバロン王国の飛空艇団「赤き翼」(元々は「赤い翼」。本作で“赤き”に変更された)の部隊長セシルを軸に展開していく。セシルは罪もなき魔道士たちを駆逐し、ミシディアからクリスタルを奪うことに成功するも、王の命令に疑念を抱く。王に進言するセシルは反逆の意図ありと解釈され部隊長の座を追われてしまう。親友カイン(竜騎士隊の隊長)とともに幻獣討伐へと向かうセシル。そこから波乱の物語が幕を開ける……。
セシルは、行く先々でさまざまな人々に出会う。幼き召喚士リディア、ダムシアンの王子ギルバート、双子の魔道士パロムとポロム、ファブールのモンク僧ヤンなど、いずれも個性的で頼もしい味方たちだ。反して、行く手を阻むゴルベーザとその配下にいる四天王など凶悪な敵キャラの面々はニクらしいほどにアクが強い。とにかく各人のキャラが立っており、それぞれにドラマがある点が、永く愛されている理由のひとつだろう。
すでにクリアして知っているファンにはご紹介する必要はなかろうし、いまだプレイしていないユーザーにはネタバレが多くて色々くちごもってしまうところだが、ここでまた極めて個人的なことを言わせてもらうと「壮大なスケールで描かれる出会いと別れの物語がたまらん!!」という点を推しておきたい。
本作の主人公パーティは編成がとにかくよく変わる。これはプレイヤーの意思ではなく、物語の必然としてパーティ構成メンバーが変遷していくのだ。初めて「FFIV」をプレイした時には「おいおい、こいつメチャクチャレベル上げて育てたのにここで別れるんかい……」と思ったりもしたのだが、その出会いと別れを覚悟した上でプレイしてみると、物語のうねりに重きを置いた本作の演出意図を改めて味わえたりして、何だか感慨深い。中盤のとあるキャラたちの運命には分かっていても涙してしまったし、ラスト付近の盛り上がりもいい。名作は色あせないのだな、と思い知らされた。また、ゴルベーザに関するエピソードが追加されているなどファンサービスもバッチリで、未プレイの人はもちろん、プレイ済みの人もぜひプレイしてほしい内容になっている。
元祖アクティヴタイムバトル! そしてらくらくオートバトル!
「FFIV」と言えば初めてATB(アクティヴタイムバトル)が採用されたタイトルとしても有名だ。
ATBとは、コマンド入力をしてから次のコマンドを入力するまでの待機時間が各キャラごとに存在し、リアルタイムで敵味方入り乱れてのバトルが行える戦闘システム。ATBを採用していないコマンド形式の戦闘システムだと、味方キャラの行動を決定するまでは敵が動くことがないので、極端な話、コマンド決定前にトイレに行ってきても何の問題もないわけだ。これがATBのある戦闘だと、トイレに行っている間も容赦なく敵が襲ってくるので、トイレから帰ってきたら全滅していたということも大いにあり得る。少しの油断もならない緊張感のある戦闘が楽しめる、秀逸なシステムだと言えよう。戦闘中に急に中断しなくてはならなくなった場合は、本体を閉じてスリープにするか、スタートボタンを押してPAUSE状態にすれば大丈夫だ。
そんなATBはもちろん本作でも健在。ゲームボーイアドバンス版以降の要素として各キャラの待機時間を表すATBゲージが表示されているので、さらにプレイしやすく分かりやすくなっている。基本的に上画面がメイン画面で、下画面がサブ画面となる。タッチペンによる移動操作は可能だが、ボタンだけで問題なくプレイできる。フィールド移動時は下画面にワールドマップが表示され、行ったことのないところは非表示になっている。ダンジョン移動時も下画面にダンジョンマップが表示され、進んだ分だけ表示されていく。ダンジョンは各階ごとに踏破することでアイテムが得られたりするので、すみずみまで探索したくなるはずだ。細かいところでユーザーフレンドリーになっており、快適なプレイが実現している。
快適なプレイという点で言えば、本作の戦闘で特筆すべきはオートバトルだ。戦略的に立ち向かわなくてはいけないボス戦や実力が伯仲している敵との戦闘では有効ではないが、明らかに弱い敵と戦う場合には重宝する。メニュー画面のアビリティでオートバトル時に選択する行動をあらかじめ設定しておくと、戦闘時にXボタンを押すだけでオートバトルに突入してくれるのだ。
例えば攻撃力が高いキャラは全員「たたかう」にしておいて、回復が得意なキャラや魔法メインのキャラはひとまず「ぼうぎょ」にしておく。これでガンガン戦って、ほどほどにやられた頃に戦闘終了後にケアルをかける。雑魚との戦闘の繰り返しならこれで十分だったりするわけだ。筆者は「レベル上げなきゃ!」というケースではこのパターンで雑魚を倒しまくった。戦闘中に手があくので、Webを見たり正月の特番を観たりしながらレベル上げができちゃって、何だか得した気分になったものだ。レベル上げのためのバトルも、これなら精神的に楽に済ませられる。もちろん使う使わないは個人の判断次第だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
-
「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
-
「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
-
餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
-
毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
-
「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
-
放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
-
脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
-
父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
- 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
- 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
- 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
- コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
- 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」