やりやすくやられやすい――新生「FFIV」は手堅いRPG:「ファイナルファンタジーIV」レビュー(3/3 ページ)
本作の戦闘全体に言えることだが、はっきり言って「敵が強いッス!」。前半はホントに油断してて死んだこと数知れず。ちょっとした雑魚だと思って甘く見ていると痛い目に遭う。ボス戦にいたっても、本作でボスの特性や行動が追加されたりしているようで、なかなか戦略的なプレイが要求される。戦略でしのげればまだいいが、戦略で勝つ以前にHPが足りない、防御力が足りない、という基礎的なところでの敗北感を感じることが多くあった。必然的に「レベル上げなきゃ……」と思い至り、付近で雑魚を狩りまくったりしたものだ。さすが初代「FFIV」にイージータイプが出るほどの難易度! 骨太なRPGファンをもうならせるハードな面を持つタイトルだと言っていい。初心者がプレイすれば苦労をするかもしれないが、前述したオートバトルなども駆使して地道にレベルを上げてボスの特徴や弱点を見つければ必ず突破できるので、理不尽ではなく、むしろやりがいのある難しさだと思ってもらっていい。最近のいつのまにかレベルが上がっててすいすい〜っとクリアできてしまうRPGとは一味も二味も違うのである。
新要素もあり、歯応えもあり、DS版「FFIII」から続く秀逸なリメイク作品
グラフィックなど演出面を強化しつつ基本的には初代「FFIV」に忠実な内容である本作だが、本作で初お目見えの新要素もいくつかある。まずはデカントアビリティ。これは各キャラがバトルコマンドとして選べる能力で、5つまでセットすることができる。中には「オートポーション」(ダメージを受けると通常のコマンドとは別に自動的にポーションを使用する)というデカントアビリティのように自動的に効果が現われるものもある。
デカントアビリティは仲間がパーティから去った後に残していくデカントアイテムを使うことで覚えさせることができる。注意したいのは一度覚えたデカントアビリティは忘れることができないという点。誰に何を覚えさせるのか、よくよく考えて選択する必要がある。全部で30種類以上あるデカントアビリティは入手条件が特殊なものもあるので、探りながらプレイしてみてほしい。
新要素と言えばネミングウェイの存在も忘れてはならない。ネミングウェイというキャラはプレイヤーキャラの名前を変えるキャラとして知っているファンもいるかと思うが、本作ではネミングウェイとして登場したキャラが、会うたびにどこかに行ってしまい、別の場所で見つけると○○○○○ウェイという別の名前に変わっているのだ。そのたびにプレイヤーに役立つ要素やオマケ要素を残していってくれる○○○○○ウェイを、全員見つけることができたらきっといいことがあるだろう。
さらにニンテンドーDSならではの新要素なのが幻獣ポーチカ(もしくはプレイ中に自分がつけた別の名前)によるワイヤレス対戦だ。本作は1人用のゲームだが、ポーチカのプレイはワイヤレスで2人による対戦が可能。各地にいるでぶチョコボに話しかけるとポーチカメニューが開く。ポーチカメニューでは「おえかき」でポーチカの顔を変えたり(タッチペンで落書きのように顔を変えられる。これが地味に楽しい)、「修行」と題したミニゲームでポーチカを育成したりできる。ここで育てたお互いのポーチカを友人と持ち合って対戦できる、というオマケ要素だ。対戦はポーチカにつけたアビリティに従ってバトルコマンドが自動的に繰り返され、どちらかのHPが0になったら終了するという単純なものだ。ちょっとした息抜きにはいいかもしれない。
2006年に「FFIII」がニンテンドーDSで劇的に進化して帰ってきたように「FFIV」も本作で大幅にリニューアルされた感はある。ビジュアル面で言えばニンテンドーDS版「FFIII」と同じベクトルの、ムービーあり、3頭身ポリゴンキャラという進化だが、本作はさらにボイスがついていたり、オマケ要素が追加されていたりして、開発者のサービス精神がうかがえる。ニンテンドーDS版「FFIII」とくらべてロードが短くなったことも大いに評価したい。ロードによるストレスはほぼなくなったと言っていいだろう。
戦闘画面が、従来の“右側に味方キャラ、左側に敵キャラ”という配置を基本としつつ、ボス戦などここぞというところで奥行きのある画面になる、という演出もユーザーの気持ちを汲んでいるな、と感心した。キャラは3D表現になっているが、やはり2D的な戦闘画面もいいものだ。また、さまざまな点で細かくプレイしやすくなっており、2周目プレイを前提とした要素もあるので、マニア向けなやり込み要素もバッチリだ。心配なのは、戦闘の難易度が高いため心が折れてしまう人もいるかもしれないという点。物語はかなりよくできているので、ぜひ最後までプレイして感動を味わっていただきたい。
詰まったらレベル上げ! こまめにセーブ! 回復もまめにね! と当たり前のようなアドバイスを残して、皆様のご武運をお祈りし、この記事を終わることにしよう。
「ファイナルファンタジーIV」 | |
対応機種 | ニンテンドーDS |
ジャンル | RPG |
発売日 | 2007年12月20日 |
価格(税込) | 5980円 |
関連記事
- 「ファイナルファンタジーIV」のオリジナル・サウンドトラック1月30日発売
- 「FFIV」メインテーマライブで全員を泣かす――「FINAL FANTASY IV トーク&ミニLIVE」
- 渋谷HMVで「ファイナルファンタジーIV」発売記念イベントを開催
- Yahoo!動画で「月の明り-ファイナルファンタジーIV 愛のテーマ-」をフル配信
- プロモーション映像公開――「ファイナルファンタジーIV」
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
-
「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
-
「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
-
餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
-
毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
-
「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
-
放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
-
脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
-
父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
- 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
- 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
- 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
- コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
- 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」