世界最大のゲーム競技大会「WorldCyberGames 2008」アジアチャンピオンシップ、シンガポールで開催――日本総合3位に入賞!!(2/3 ページ)
ストリートレーシングカーにコスプレ大会? シンガポールでは日本カルチャー大ブーム
今回のアジアチャンピオンシップは、テレビCM、ラジオCM、雑誌広告などさまざまな告知を行っていたせいもあってか、多くの人々が会場に足を運んでいた。その中でも、面白かったのが「コスプレ」コンテストと、「FASTEST GEEK(最速オタク)」イベント。
「コスプレ」は世界共通語だとは聞いていたものの、200名を越えるシンガポールのコスプレイヤーが会場に集まり、思い思いのコスプレをしている姿は感動をおぼえるほど。ちなみに、コスプレの種類は「ゲーム」、「アニメ」、「マンガ」、「軍隊モノ」と幅広く、日本とほとんど変わらないラインアップ。日本の多くのコスプレイベントで禁止されている「長モノ(刀や槍、銃器など)」も特に規制はされていないようだ。隣の会場では、シンガポール軍の兵隊さんたちによる慰労イベントが開催されている中、重装備のSWATコスプレをしている若者の集団と、休憩している迷彩服のシンガポール兵たちがなごやかに会話をしているという、なにやらわけの分からないワンシーンを目にすることもできた。
「FASTEST GEEK」は、展示ブースを出していたインテルのイベントで「自作PCを誰が一番早く組み立てて起動できるか」というもの。優勝賞品もかなり豪華で、多くの人々がエントリーしていた。シンガポールでは自作パソコン文化が普及しているらしく、大きなショッピングモールにPCパーツショップが軒を連ねている。自作PCとハイスペックパーツ、そしてPCゲームという好循環がシンガポールのe-sportsシーンを支えているのだろう。
また、ひときわ大きなブースには日産の新型GTRをはじめ、カスタムカーが3台鎮座していた。そして、中央のスクリーンにはなぜか日本のドリフト映像が。ブースの方に聞いてみたところ、シンガポールでは日本車が大人気。しかも「頭文字D」や「ワイルドスピード3」で日本車が繰り出す「ドリフト」がブームを巻き起こしているという。ちなみに、シンガポールでは自動車の取得税が非常に高く、場合によっては車両本体価格の2〜3倍の費用がかかるため、ニューリッチの両親が子供にプレゼントすることが多いのだとか。
筆者も多数海外のゲームイベントに参加しているのだが、ここまで日本のサブカルチャー文化がとけ込んでいるイベントは初めてのこと。会場にいる多くの人に「日本から来たのか! ○○は知っているか?」と問いかけられたのだが、そのいずれもがコアなもの(「秋名に行ってみたいんだが、東京からどのくらいかかるんだ?」、「日本のコスパは今何がブームなんだ?」などなど)ばかりで、彼らの熱について行くだけで精一杯だった。
e-sportsイベントが隆盛を極めるシンガポール
シンガポールでは、年間を通してさまざまなe-sports大会が開催されている。その多くは企業がヘッドスポンサーについているもので、インテルやサムスン、nVidia、AMDなど、日本でも有名な企業ばかり。今回、アジアチャンピオンシップに大きなブースを出展していたインテルテクノロジーアジアセールスマネジャーのKoh Su Hock氏に、なぜe-sportsイベントに協賛するのか、お話を伺うことができた。
Koh氏は「選手、観客、すべてがインテルテクノロジーの顧客となる人々だからです。シンガポールでは多くの人々が自作PCを使用するカルチャーが根付いており、e-sportsに参加する選手はもちろん、高スペックのものを使ってくれますし、その試合を見ている観客も『選手たちが使っているものだから信頼できる』と我々の製品を選んでくれます。今後もインテルはシンガポールの様々なe-sportsイベントに協賛していくでしょう」と語ってくれた。
会場にいるのは、いわゆる「ゲーマー」風の若者だけではなく、試合を見に来た、あるいはイベントを楽しみに来たカップルや、親子連れなども多く見受けられた。このため、単なる「ゲーマー向け」のイベントではなく、「会場に来る様々な人向け」のイベント展開を行っている印象が強い。ここは、日本のゲームイベントと大きく異なっている点といえるだろう。
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