キメラはそのころ、とっくに日本を制圧していた!?:「レジスタンス2」Insomniac Games現地取材(2/5 ページ)
協力プレイについて
新たに取り組んだオンラインについては、ジェイク・ビーゲル氏から説明を受けた。オンラインではコミュニティーサイトやSNSの機能で、情報の入手だけでなくクランやパーティーを作る手助けも担っている。ビーゲル氏は協力プレイについて、従来あるものではない見たこともないものを作りたかったと切り出す。それは今までのパラダイムに追随するような形でありながら、彼らの哲学に則するものとしなくてはならない難しさを意味していた。兵士、特殊部隊、衛生兵という3つのクラスが相乗効果を発揮し難関を突破していくという構図と、1体から100体以上の敵と相対することもあるという戦闘バランス、そしてペース配分の密度で緊張感をいかに持続させるかを綿密に組み立てなくてはならないのだ。
さらに、ミッションは動的に生成されるので、2つと同じものはないとビーゲル氏。6つの協力プレイ用のマップに多様性を表すために、無作為に生成されるステージでは、敵の出現すらプレイヤーの規模やパーティー構成で変わっていく。ミッションクリアの条件をその都度変更して提示、何を得られるのかなど変えていくことで、プレイヤーの飽きを減退させることに成功しているというのだ。
肝心のストーリーは、キャンペーンモードの内容を取り組みながら、そのバックストーリーとして補完していく形を取っている。ちなみに、キャンペーンでも登場するブレイク率いるスペクターチームが、グレイテックを求めて進むという内容(グレイテックは通貨の代わりにもなり、武器などを獲得するのに使用)。
対戦プレイについて
また、1つの戦いで60人が対戦できる対戦プレイについてはマイク・ロールソン氏から説明があり、そのコンセプトはまさに“戦場”と明かす。60人同時プレイという脅威のオンライン対戦は、なんのラグも感じられないほど快適なのは、スクワッド(分隊)制を取っていることが起因している。スクワッドは1つのエリアを60人として扱うのは厳しいし、プレイヤーの役割を理解させるための工夫としても機能している。なお、協力プレイおよび対戦プレイについてはさらに詳細にレビューとして掲載しているので、こちらを参照していただきたい。
世界観や視覚について
ちなみにシニアアーティストのグラント・ホリス氏からは、本作の世界観について補足があった。前作から時が流れた1950年代のアメリカを舞台にしている「レジスタンス2」では、キメラの出現により我々が知る歴史とは異なる時間を経た似て非なるアメリカを表現しているという。西洋文化から孤立している地理的要因と、キメラの出現で第2次世界大戦の影響を受けていない歴史背景から、アメリカの古きよき時代の景色とキメラの近代的かつ異様な建造物とが融合した世界が表現されなくてはならない。
そこで、ホリス氏はスーパー8という8ミリのフィルム感にこだわった。この8ミリフィルムが、1950年〜1960年代に使用されていた視覚的色味を再現し、赤のもつ暖かみや青の冷たさを表現できたのだ。ムービー部分もキャラクターの置かれた環境を視覚的に表現するために、戦場であれば手持ちカメラの臨場感を意識している。
フランチャイズについて
プライス氏が再び登場し、本作のフランチャイズがどう進展したかに触れる。それは、PS3がローンチする以前の2003年にさかのぼる。当時、インソムニアックではSF的なFPSを開発するべく世界観の構築に取りかかっていた。着手した当初は今のものとはまったく異なるスペースオペラであり、トカゲやタイムトラベルが設定として存在していたとのこと。しかし開発開始から数カ月経過したころ、内容的によくないのではないかという意見が多数出るようになったのを受け、この方向性ではまずいのではないかとプライス氏は考えるようになったのだそうだ。
こうして再度設定を構築していく中で、舞台を地球に、そして第一次世界大戦の時代にするというアイディアが採用され、コンセプト画の製作にとりかかる段に。当時の武器にSF的なひねりを加えてみたのだが、当時の軍事技術を考えると開発陣がイメージする武器とはギャップがありすぎ、おのずと第2次世界大戦のころにシフトするに至ったとのこと。しかし、これでも問題があった。いわゆる第2次世界大戦を扱ったFPSがほかにも多く存在していたのだ。そこで、新しい工夫が必要と、キメラという異種を歴史の中に放り込んだらどうなるのかを考えたとプライス氏。こうしてキメラが侵攻し、もし第2次世界大戦が起きなかったらという“if”の歴史を横軸に、キメラの技術をも取り込んだ新たな軍事技術と世界観を縦軸に前作は誕生したのだ。
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