講師は個性派クリエーター3名! 一夜限りの「夜のゲーム大学」がふたたび開校:日々是遊戯
麻野一哉氏、飯田和敏氏、米光一成氏ら3人のゲームクリエイターが、時におかしく、時にマジメにゲームを語るイベント「夜のゲーム大学2」が、去る2月8日に東京・阿佐ヶ谷のAsagaya/Loft Aにて行われた。
こんな大学なら喜んで通います!
土曜日の「ボードゲーム交流会」に続いて、日曜日には東京・阿佐ヶ谷で行われた「夜のゲーム大学2」というイベントに参加してきた。
「弟切草」「街」などを手がけた麻野一哉氏、「アクアノートの休日」「巨人のドシン」の飯田和敏氏、そして「ぷよぷよ」「バロック」の米光一成氏という、個性派クリエイター3名が繰り広げる「新感覚ゲーム授業ライブショー」も今回で2回目。日曜夜という、社会人にとってはなかなかキビしい時間帯の開催ながら、会場には早くから多くのゲームファンが詰めかけ、一夜かぎりの貴重な「授業」を楽しんでいった。
授業の内容はというと、1時間目が麻野氏による「ゲームの歴史」講義、2時間目が飯田氏による「遊び格差社会の到来」、3時間目が米光氏の「ゲームアイデアを出す現場」と、マジメに役に立ちそうなものから、限りなくエンターテイメントに寄ったものまでさまざま。途中、飯田氏の最新作「ディシプリン 調律帝国の誕生」や、3人が現在手がけている新作モバイルゲームの情報も飛び出すなど、参加者にとって嬉しいサプライズもあった。
以下、それぞれの講義内容は大体こんな感じ。
1時間目:「ゲームの歴史」(講師:麻野氏)
麻野氏は、テレビゲームの誕生から現在に至るまでの歴史を振り返りつつ、ゲーム市場がいかにして生まれ、どのように成長してきたのかを、ところどころユーモアも交えつつ説明。なぜアタリは失敗し、ファミコンは成功したのか? そしてファミコンの成功がゲームメーカーにどのような問題をもたらしたのかなどを、開発者の視点から振り返っていった。
2時間目:「遊び格差社会の到来」(講師:飯田氏)
「GTA4」や「Guitar Hero」シリーズ、そして「Call of Duty:World at War」などの海外タイトルを例に挙げ、ついにゲームの分野にも「格差社会」がやってきたと提言した飯田氏。日本のゲーム市場が持つ「保守性」は思考停止に等しく、このまま鎖国状態が続くなら、日本と海外との「ゲーム格差」は広がっていく一方だと問題を投げかけた。
3時間目:「ゲームアイデアを出す現場」(講師:米光氏)
「角砂糖が水に溶ける様子」を観察させたり、麻雀牌を使った「あるゲーム」の一場面からそのゲームのルールを推測させたりと、米光氏の講義は体験形式で進行。何かテーマを決めたら、まずそれについて脳内で想像してみて、次に実際にそれを観察してみる。想像と観察の間を何度も往復しながら、徐々に具体的なアイデアを固めていく――というのが米光氏なりのゲームの作り方だそうだ。
4時間目:「『携帯ゲーム化会議』製作秘話」(講師:麻野氏、飯田氏、米光氏)
最後は、3人が現在開発中の携帯電話向けゲーム「さくら」を例に、携帯ゲーム開発の裏側では日々どんなことが行われているのかが語られた。なおこのゲームは米光氏の発案によるもので、はらはらと舞い落ちる桜の花びらを、風を吹かせてより遠くまで届けるのが目的。モバイルサイト「三文堂」にて、2月19日リリース予定とのことなのでお楽しみに。
授業中もアルコールOK(もちろん講師陣も)という自由な校風もあって、講義は終始なごやか……というか、時間帯相応の混沌とした雰囲気のなか進行。途中、飯田氏によるギター弾き語りや、ここでは書けないような裏話なども披露され、とにかくアッと言う間に時間が過ぎていった。飲んで、食べて、笑えて、それでいてためになる「夜のゲーム大学」。ぜひ第3回の開催にも期待したいところだ。
最後に紹介した「さくら」のダウンロードはこちらから
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