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» 2011年11月08日 10時36分 公開

見えないものの見える化、シャープの「プラズマクラスター空気清浄機」売れるのには理由がある(1/2 ページ)

空気は目に見えない。見えるゴミを吸い込む掃除機と違って、空気清浄機の効果はそれに比べると分かりにくい。「プラズマクラスター空気清浄機」はどう認知されどう普及したのか。

[種子島健吉,ITmedia]

見えないからこそはっきりさせる

 前回の電動アシスト自転車(創業者の想いを受け継ぐ、パナソニック サイクルテックの電動アシスト自転車「ビビ」 )も見ただけでは良さが分からない製品だったが、今回の空気清浄機も“空気が見えない”だけに性能や効果がはっきりと分かりにくい製品だ。

 そんな空気清浄機のシェアを46.6%にまで育て上げ、さらに効果をアピールして販売を拡大しようというのがシャープの「プラズマクラスター空気清浄機」だ(シェアは2010年のもので、Gfk Japanの調査結果による)。

「効果が見えないから分かりくい製品であるというのは、当初から認識としてありました」と、健康・環境システム事業本部 プラズマクラスター機器事業部 商品企画部 副参事の西田敬子(にしだ けいこ)氏は語る。

「買ってからしばらくの間24時間、電源を入れっぱなしにしていたらタバコの臭いが消えた。社員寮に入ったら、前に住んでいた人がヘビースモーカーだったみたいで諦めていたのに」といったエピソードが物語るように、使ってもらうことで効果は分かってもらえる。

 しかし、購入希望者全員に製品サンプルを貸し出すことは不可能である。

 効果が視覚にならないのも問題だが、空気清浄機を製造しているのはシャープだけではないから、効果が分からなければ比べることもできない。他社製品との明らかな違いを示し、差異化する必要もある。

 そこで役立ったのが「アカデミックマーケティング」という手法である。これは技術の効果・効能について、学術研究機関と共同で科学的データを検証し、それをもとに商品化を進めるマーケティング手法とのことで、広報・宣伝に主眼を置いたものではない。

 しかし、手元のプラズマクラスター空気清浄機の総合カタログ(2011年10月版)を見てみると、試験を行った第三者機関として、26もの組織名が連なっており、製品の根拠、説得力を増す役割も果たしている。

 例をあげると広島大学院 先端物質科学研究科(ダニのふん・死がいのアレル物質)、ドイツのアーヘン応用化学大学(カビ菌)、アメリカのハーバード大学公衆衛生大学院(菌)、イギリスのレトロスクリーン・バイロロジー社(ウイルス)といったぐあいだ。

 カタログには、それらの機関の試験によって「ダニのふん・死がいの浮遊アレル物質の作用を抑える」「浮遊カビ菌を除菌」「付着カビ菌の増殖を抑える」「浮遊菌の作用を抑える」などの実証データが得られたことが書かれている。

画像 空気清浄機の開発は大阪で行われているため、西田氏の勤務地も大阪である。今回は、東京の市ヶ谷ビルで開催されたプラズマクラスター関連新製品発表会の後に、インタビューさせていただいた

実証データがあっても効果が書けない

 さて、先ほどから文章の様子が変である。やたらに引用が多いし、アレルゲン、アレルギー物質ではではなく「アレル物質」などと聞き慣れない言葉もある。

 本来ならかみ砕いて一般的な言葉で説明を試みたいところである。しかし、それが難しい事情がある。医療関係に造詣が深い読者諸兄姉がおられれば薄々気が付いていると思うのだが、薬事法の存在である。

 薬事法は、薬品や医療機器などの品質や効果・効能、有効性及び安全性の確保のために必要な規制などを行うためのもので、医療機器として承認・認証を受けていない空気清浄機の広報宣伝活動(効果・効能の表現)にも関わってくる。

 筆者も医薬品関連記事の編集経験があるのだが、一般的な原稿ではチェック項目に当たらない部分に監修者のチェックが入ったり、インタビューさせていただいた医療関係者の言葉そのままの言い回しができなかったりした。

 そのため毎回、同じような独特な決まり文句のような文章を強いられもし、別の取材、別の医療関係者の話なのにまったく同じ発言内容になってしまったりと、苦労させられた記憶がある。

 例えば空気清浄機の場合では、カタログやCMで菌やウイルスに対する有効性を示す際に「殺菌」という表現をすると薬事法違反になるため、「抑制」という言い方をすることとなるなどの対応を迫られるのだ。

画像 カタログに使用されている「浮遊アレル物質 除去イメージ」。薬事法に抵触するため、「アレルギー」という表現はしていない

エア・コンディショニングは、エアコンだけでは不足

 筆者も小学生の頃からハウスダスト(ダニ)のアレルギーで、アレルギー経験ではベテランの域に達していると自負しているが、自分の周囲だけでも花粉をはじめとしてアレルギー症状を訴える人が年々増えている。

 加えて、密閉率の高い集合住宅などで、乾燥によるドライアイやノドの不調にも悩まされがちだ。

画像 最高峰モデルのプラズマクラスター加湿空気清浄機KI-AX70。空気を清浄するだけでなく、除菌、脱臭など、エアコンが行う温度調整以外の空気ケアを担う

 エアコンは空気を冷やしたり暖めたりしてくれるが、空気中のホコリを取り除いてはくれない。それに除湿はできるが加湿はできない。湿度調整に関する機能を持つものもあるにはあるが、根本的な対策をするならば加湿器を用意することになるだろう。

 それをふまえて、現在販売されている「プラズマクラスター空気清浄機」のほとんどのモデルには、加湿機能も付いている。正確に言うと、「プラズマクラスター加湿空気清浄機」になり、シャープが「空気ケア」というキーワードを使うゆえんの1つだ。

 プラズマクラスター空気清浄機が空気を循環させることで、エアコンの冷却・暖房効率を上げ、電気代の節約に貢献するというのもプラズマクラスター空気清浄機を使用することで得ることができる効果だ。1台で空気清浄機、加湿器、サーキュレーターの役目も果たすということだ。

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