松茸のいい香りに秋を実感! 明知鉄道の「きのこ列車」に乗ってみた!(2/3 ページ)
のどかな車窓を楽しみながら、松茸のいい香りに包まれる「グルメ列車」!
【おしながき】
一、前菜盛り
- 鮎甘露煮
- ボイル海老 栗甘露煮
- 枝豆 花蓮根
- きんぴら
一、ロージ茸の生姜和え
- あみ茸のみぞれ和え
- 香茸の旨煮
- 桜占地(さくらじめじ)と法蓮草の和え物
一、松茸の天婦羅 舞茸の天婦羅
- いが栗揚げ しし唐
- 抹茶塩 レモン
一、松茸ご飯
- 松茸の土瓶蒸し
- 香の物
一、デザート
ふたを開けると、天ぷら、煮物、和え物ときのこづくしの料理が現れました。器と合わせて、彩りもよく、食欲がそそられます。松茸、舞茸、しめじといった定番きのこもさることながら、この日のイチオシ料理は、真ん中で黒く輝いていた「ロージ茸の生姜和え」。ロージ茸は、時として松茸よりも高価とされるきのこなのだそう。このような珍しい味覚が楽しめる場合もあることから、「きのこ列車」のリピーターになっているお客様もいらっしゃるとか!?
保温のジャーが持ち込まれた車内では、料理店のスタッフの方が自ら乗り込んできのこ御飯が温かい状態で提供されます。「きのこ列車」の料理は沿線の数社で担当していて、この日は、明智ゴルフ場のレストランが手掛けた料理が提供されました。松茸ご飯ということもあって、盛り付けが始まるや否や、車内には松茸のいい香りがフワ~ッと広がって、とても幸せな気持ちになってきました!
さらに汁物として、松茸の土瓶蒸しも温かい状態で配膳されていきます。こちらも、ふたを開けると松茸のいい香りが広がって、1両まるごと、松茸の香りに包まれているかのよう。車窓にはのどかな里山と稲刈りが進む田園地帯が広がり、ニッポンの秋が1つの列車にギュッと凝縮されています。明知鉄道のグルメ食堂車のなかでも、「きのこ列車」の人気がとくに高いのも十分に納得です。
恵那駅を12時25分に発車した急行「大正ロマン号」は13時19分、終着の明智駅に到着しました。なお、各駅に停まる明知鉄道の普通列車は、約50分で全線を走破。これに対し「大正ロマン号」は所要時間54分。急行なのに「急いで行かない」のが特徴です。もちろんこれは、「グルメ食堂車」を連結しているため、途中でゆっくりと走っているから。車窓からわずかに見える岩村の古い街並みを見てもらうため、徐行運転も行われます。
明知鉄道岩村駅近くの古い街並みは、数年前、朝のドラマでのロケ地として話題になりました。また、終着・明智の近くには「日本大正村」があります。さらに明智駅の構内では、気動車運転体験やSL乗車体験・運転体験をはじめ、鉄道の魅力を伝える取り組みも、積極的に行われています。鉄道開業150年のこの秋は、ニッポンの秋と鉄道の魅力を、満喫する旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
(初出:2022年10月10日)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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