艦これ提督的ウォーゲーム要務令「日本機動部隊」編弓道部の艦娘と戦いたい提督は購入急げ!(2/2 ページ)

» 2013年12月08日 10時53分 公開
[長浜和也,ねとらぼ]
前のページへ 1|2       

「零戦1機とはワイルドキャット2機で対戦しろ!」

 練習シナリオの最後は、「翔鶴」「瑞鶴」姉妹と「エンタープライズ」「ヨークタウン」が戦う空母戦だ。それぞれ、輪形陣を組んだ空母部隊同士で、空母航空隊の運用と戦闘機を交えた空戦のルールを覚える。航空隊は空母の上で、格納庫にいる状態から武装して攻撃や上空護衛のため発艦していく。武装した状態で攻撃を受けるとミッドウェー海戦のように誘爆する危険もある。

 空戦を対空砲火を受ける前に行うのも艦これの戦闘処理と共通する。このゲームでは、零戦は米軍の戦闘機「F4F ワイルドキャット」に対して圧倒的に強く、1枚のユニットを裏状態2枚に分割(9機編隊を5機と4機の部隊に分けるようなもの)して、その分割した裏ユニット1つと表状態のF4Fワイルドキャットがほぼ互角の戦いを展開するほどだ。ただ、その代わりというか、米軍には強力な対空砲火を有する戦艦(ノースカロライナやサウスダゴタとこれも艦これ提督にはおなじみの戦艦)や防空巡洋艦のアトランタ型が登場して、日本の攻撃隊をばったばったと撃墜する。


日本機動部隊における航空機運用ルールでは、航空機ユニットが空母で「着艦」(格納庫にいる状態)→「発艦準備」(武装して飛行甲板に並んだ状態)→「上空」「攻撃」(出撃した状態)と進む(写真=左)。航空戦では、ユニットの数だけ攻撃する相手を選べるが(写真=中央)、零戦は表状態1ユニットを裏状態2ユニットに分割してそれぞれで相手を選ぶことができる。まさに縦横無尽の活躍ぶり(写真=右)


海戦は空母だけで決まるものではないことを知る

 練習シナリオまでこなすと、いよいよ実際に太平洋戦争でおきた空母戦を再現するシナリオだ。歴史上初めての空母戦となった珊瑚海海戦に、空母4隻を失って日本海軍が大敗したミッドウェー海戦、艦これ秋のイベントのモチーフにもなったガダルカナル島をめぐる戦いでおきた第二次ソロモン海戦と南太平洋海戦と、それぞれの海戦で実際に参加した兵力と戦況を再現したシナリオで、艦隊を指揮して戦うことになる。

 そのため、珊瑚海海戦では米空母部隊を撃滅して輸送船団をポートモレスビーに突入させなければならないし、ミッドウェー海戦では、敵の索敵機にほぼ確実に発見された状態で事前の計画通りに朝一番で敵基地攻撃を攻撃しなければならず、第二次ソロモン海戦と南太平洋海戦では、敵空母部隊とガダルカナル島の敵基地の両方を相手に戦って輸送船団を守らなければならない。さらに、このボードウォーゲームでは、複数の空母戦を行ってその総合ポイントで勝敗を決める、まさに艦これ秋イベントのような「キャンペーンシナリオ」や、史実の設定とは関係ない、日米海軍が総力で戦う“決戦シナリオ”も用意している。


珊瑚海海戦では敵空母撃沈といった戦術的成功のほかに輸送船団のポートモレスビー攻略といった戦略的勝利も重要になる(写真=左)。ミッドウェー作戦では、敵に発見される状況で朝一番に陸上基地を攻撃しなければならないハンディを課せられている(写真=中央)。第2次ソロモン海戦は、輸送船団の突入に加えて両軍とも空母3隻を擁して戦況も逆転に次ぐ逆転という、日本機動部隊で最もエキサイティングな展開になることで人気も高いシナリオだ(写真=右)


 空母戦をシンプルなルールで再現し、短時間で体験できる「日本機動部隊」は、現在日本で流通している唯一の空母戦ウォーゲームだ。オリジナル版の登場から30年を過ぎているが、2009年に国際通信社が再販した「ジャパン・ウォーゲーム・クラッシクス」シリーズ版が、国際通信社のアナログゲームオンラインショップ「a-game」のウォーゲーム>国際通信社で並ぶラインアップや、イエローサブマリン、書泉グランデといったゲームショップで購入できる。2013年夏からの艦これブームで販売数も増えているので、興味のある提督諸君はなるべく急いで購入しておくのが無難だ。

 ボードウォーゲームにおいて実際にあった作戦を再現した状況で艦隊を指揮することで、空母戦は敵空母を沈めるだけではなく、空母部隊と戦艦主力の水上打撃部隊、陸上基地が連携して輸送船団をいかに守って目的地まで送り届けるのかが最終目標となることを身をもって経験できる。

 それは、軍艦に関するたくさんの文献資料を読んだり写真や図面を見るより、ウォーターラインシリーズのプラモデルを1隻でも作るほうが、軍艦をより直感的に理解できるのと似ているかもしれない。ボードウォーゲームに“参戦”すると、海戦に関する文献資料を何冊も読み解く以上に、海軍作戦の“仕組み”を直感的に知ることができるはずだ。

 艦隊これくしょんで、太平洋戦争の逸話に興味を持った提督の諸君には、ぜひ、このボードウォーゲームの世界に参戦して、逸話の意味を身を持って感じてもらえれば、と思う。


日本機動部隊に登場する主な日本艦艇ユニット(写真=左)。日本機動部隊の艦艇ユニットは、表側の正常状態から(写真=中央)耐久力と超える損害を受けると裏側の「中破」状態となり(写真=右)、さらに耐久力を超える損害を受けると撃沈となる。艦これ提督ならここで言いたいことが分かるはず……だ……


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」