艦これ艦娘“戦歴的”プロフィール「あきつ丸」編:“強襲”というか“ドック型”というか
艦これ×蒼き鋼のアルペジオのコラボイベントとあわせて実装した「大型艦建造」で新艦種が追加に。うほー、こりゃまたマニアックだわ。
正確には「ドック型揚陸艦」の祖先
「あきつ丸」は、陸軍に所属する船舶で航空運用能力を持つ2番目の船にして、1942年1月播磨造船所の生まれ。見た目は商船改造の空母のようにも見え、実際、船体は商船構造を採用しているが、最初から飛行甲板を持つ船舶として開発しており、その意味では、赤城や加賀より正統な空母だったりする。
最初から艦橋と煙突を右舷側に寄せて、格納庫と飛行甲板をつなぐエレベータも備えるなど、空母に相当する装置を備えていたものの、着艦した飛行機を止める「着艦制動索」や「着艦誘導装置」を持たず、また、艦尾付近に上陸用舟艇を移動するためのクレーン装置を搭載していたため、着艦そのものが困難であるなど、空母としての能力は制約が多かった。さらに、計画では搭載機として九七式戦闘機13機を予定していたが、速力20ノットでは運用がおぼつかなく、実戦でも航空機を搭載したことはない。
あきつ丸の能力で注目すべきは、外見で目立つ航空運用能力ではなく上陸用舟艇の運用能力だったりする。日本陸軍が日中戦争で数多く経験した上陸作戦の戦訓を反映したもので、従来、搭載した上陸用舟艇を甲板からクレーンで時間をかけて海に降ろしていたのを、船尾に設けたゲートから海に降ろすことで短時間で上陸できるようにした(船内のイメージと仕組みは青函連絡船とそこに搭載した鉄道車両に近い)。上陸用舟艇を母船の船尾ゲートから降ろして発進させる運用は、現代のドック型揚陸艦の原型ともいえる。これを陸軍所有で最初に航空機運用能力をもった「神州丸」で導入し、あきつ丸でも継承していた。
あきつ丸は、完成早々の1942年2月からジャワ島攻略作戦に、同じ陸軍所属の空母「神州丸」とともに参加した。神州丸が「吹雪」の撃った“流れ魚雷”で沈んだ(後に引き上げて復帰)のとは対照的に、無事に任務を果たして日本に生還している。ただ、本来の「揚陸艦」としての任務はこのときだけで、あとは、船内の格納庫を利用して飛行機や飛行機関連資材の輸送任務を地道にこなしていくことになる。
しかし、1944年になって、米潜水艦の攻撃で輸送船団が次々と沈んでいく戦況に対応すべく、あきつ丸は航空運用能力を向上する改装を行う。飛行甲板を拡張し、着艦制御索や着艦誘導装置を搭載して着艦をできるようにしたほか、搭載機として70メートルという短い距離で離陸できる「三式指揮連絡機」とヘリコプターの原型となる「カ号1型観測機」を用意した(どちらも1941年にはすでに初飛行を終えている)。その任務は、上陸作戦における上空支援ではなく、海上輸送における敵潜水艦制圧だ。
改装が終わって8月から三式指揮連絡機を6機搭載して日本各地と中国大陸の航路で運用試験をかねた船団護衛を行うが、そのときに実績から「あきつ丸は航空機の運用に適さず」という評価が下り、結局、搭載していた航空機はすべて陸上基地に取り上げられてしまった。そのまま、あきつ丸は同じ陸軍空母の神州丸とともに輸送船団「ヒ81」に輸送船として参加して、米潜水艦「クイーンフィッシュ」の雷撃を受けて11月15日に沈没してしまう。
なお、艦これ的には「強襲揚陸艦」と呼んでいるが、実際の強襲揚陸艦は、搭載する航空兵力で陸上兵力を投入することも任務としており、その意味において、搭載する航空兵力を上陸した陸上部隊の支援火力として使うあきつ丸を強襲揚陸艦に分類することはできない。
関連記事
- 艦これ艦娘“戦歴的”プロフィール「木曽」編
え〜! 木曽の戦歴ですか。これは書くのが難しいですよ。本格的に戦ったことがないですからね。生前は……。 - 艦これ艦娘“戦歴的”プロフィール「村雨」編
傍若無人の妹のおかげで、なんとなく目立たない彼女だけれど、センターらしくきっちり仕事をこなしています。 - 艦これ艦娘“戦歴的”プロフィール「矢矧」編
艦これ秋のイベント「決戦! 鉄底海峡を抜けて!」もいよいよ明日の朝で終了。果たして彼女に逢うことは、できるのか! できないのか! - 艦これ艦娘“艦歴的”プロフィール「比叡」編
え、なに、 なんか思いっきり容姿が変わってしまったって? さすが、近代技術。なんとなく、あの“大和型”に似ているかも! そうでないかも! - “艦娘”ともっと戦いたい「艦これ」提督のための「日本海軍ウォーゲームガイド」
提督諸君、敬礼! 艦娘たちは元気かな。 諸君は彼女たちの「本当の姿」を知りたくないか? なに! 知りたいか! ならば“こっちの世界”にいらっしゃい。さあさあさあさあ! - 「艦隊これくしょん」特集
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
米津玄師、紅白で“205万円衣装”着用? 星野源“1270万円ネックレス”も話題…… 「凄いお値段」「びっくりした」
-
サバの腹に「アニサキス発見ライト」を当てたら……? 衝撃の結果に「ゾワっとした」「泣きそう」と悲鳴 その後の展開を聞いた
-
「箱根駅伝」10区ランナー、“父親が大物アーティスト”と判明し「息子が走ってたなんて」「イケメン息子」と驚きの声
-
「脳がバグる」 ←昼間の夫婦の姿 夜の夫婦の姿→ あまりの激変ぶりと騙される姿に「三度見くらいした……」「まさか」
-
「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」→こだわり満載の完成品に「すごすぎて意味わからない」と大反響 2024年に読まれたハンドメイド記事トップ5
-
【今日の難読漢字】「手水」←何と読む?
-
授業参観の度に「かっこいい」と言われた父親が10年後……「時間止まってる?」父子の姿に驚愕 2024年に読まれた家族記事トップ5
-
高校生息子にリクエストされたお弁当を作ったら……驚きの仕上がりに「うらやましい」 2024年ねとらぼで読まれた【お弁当記事トップ5】を紹介
-
小さなカエルを大事に育て、たった1年後…… 娘が「こわい!」と逃げ出すレベルの“ヤバい成長”に「デカすぎやろ」「僕でも怖いわ」
-
考え方も性格も“正反対”の2人が結婚→それから13年後…… 苦楽をともにした“現在の姿”に反響 「素敵ですね」
- 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
- 大谷翔平、妻・真美子さん妊娠公表→エコー写真に“まさかの勘違い” 「デコピン妊娠?」「どう見てもデコピンで草」
- 「すごい漢字!」 YouTuberゆたぼん、運転免許証公開 「本名の漢字」に衝撃の声続々
- 「麻央さんにそっくり……」 市川團十郎の11歳息子・勸玄の成長ぶりに驚きの声 「大きくなってる!」「すでに貫禄がある」
- チェジュ航空社長、日本語で謝罪 犠牲者は170人以上との報道 公式サイトは通常のオレンジからブラックに
- 「スマホ入荷しました」 ハードオフ店舗がお知らせ→まさかの正体に大横転 「草しか生えない」
- 母「昔は数十人もの男性の誘いを断った」→娘は信じられなかったが…… 当時の“想像を超える姿”が2800万再生「これは驚いた」【海外】
- 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
- 「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
- 「デコピンを抱き寄せたのはもしかして」 妻・真美子さん第1子妊娠発表で大谷翔平の発言と行動に再注目 「“もう帰る?”は気遣っていたのかも」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」