東京都現代美術館で「ピクサー展」開催 アーティストたちの創作活動にフォーカス 500点もの貴重なアートワークを展示
これを東京で観られるなんてすごい。
スタジオ設立30周年を記念して、2016年3月5日〜5月29日まで東京都現代美術館にて「スタジオ設立30周年記念 ピクサー展」が開催される。ピクサー展では、アーティストたちの創作活動にフォーカス。約500点にも及ぶ貴重なアートワークが展示されている。
展示は、世界初のフルCG長編アニメーション映画「トイ・ストーリー」から最新作「アーロと少年」まで。実は、ピクサーには技術スタッフと同じくらい多くのアーティストやデザイナーたちが在籍しており、映画制作の過程で生み出された彼らが描いた貴重な資料を見ることができる。
今回の展示会の見どころを3つ挙げるとするならば、第一に、世界巡回展のために特別に開発された15分のオリジナル高解像度映像「アートスケープ」。第二に、立体フィギュアを暗闇の中で高速回転させ、ストロボライトで照らすことでキャラクターが動いているように見える装置「トイ・ストーリー ゾートロープ」。そして「カーズ」に登場するキャラクターのために制作された「約150の虹彩の映像」の3つである。特に「アートスケープ」は、平面に描かれたアートワークをデジタル技術を用いて動きのある動画コンテンツへと生まれ変わらせた作品。実際に自分がアニメーションの中に存在するかのような立体的な作品で、観る者の目を奪う。
ピクサーがアニメーション制作で大切にしている3つのキーワードは、「ストーリー」「キャラクター」「世界観」。ピクサー&ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサー ジョン・ラセター氏は次のように話している。
「私はずっとこう思ってきた。真に偉大なアニメーション映画を作るためには、3つのことをする必要がある。まず、観客が座席から身を乗り出すような、人々の心をつかんで離さないストーリーを考えること。そして、本当に印象深い魅力的なキャラクターたちを、そのストーリーに登場させること。最後に、真に迫る世界を創り上げ、人々の心をつかんで離さないストーリーと印象深いキャラクターたちを、その世界に融合させることだ。この3つを本当にちゃんとできれば、観客は心を動かされ、心から楽しんでくれるだろう」(ジョン・ラセター氏)
内覧会には東京都現代美術館館長やピクサー・ユニバーシティ&アーカイブ・ディレクター兼ピクサー展キュレーターのエリース・クレイドマン氏らが出席。オープニングを記念してテープカットが行われた。
チケットは一般が1400円、高校生・大学生が1000円、小学生・中学生が500円、未就学児は無料。10時から18時まで(入場は17時30分まで)開催している。
ちなみに、ピクサー映画の初めに出てくるルクソーのボールは、全ピクサー作品に登場しているのだとか。1つの映画を作るのに掛かる年月は4〜5年。親から子へ何代にも受け継がれ、何度も繰り返し観られる作品の貴重な姿を観られるチャンスがやってきた。
(太田智美)
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