国内初! トランスジェンダーの男性議員誕生 埼玉県入間市議選で

性同一性障害を公表していた細田智也さんが当選。市政にかける思いをうかがいました。

» 2017年03月27日 22時15分 公開
[鈴木なとせねとらぼ]

 3月12日投開票の埼玉県入間市議選で、トランスジェンダーであることを明らかにして立候補した細田智也さん(25)が初当選しました。トランスジェンダーの男性として公職に選ばれたのは国内で初めての例です。ねとらぼでは細田さんに取材し、市政にかける思いなどをうかがいました。

画像 街頭演説中の細田さん

 民進党公認で立候補した細田さんは、定数22のなか1134票を集め、21位で当選しました。

 選挙活動中には、性的指向や性自認などが原因で困難を抱える性的マイノリティーの人々だけでなく、障害者や高齢者などを含む多様な声を行政に届けると呼びかけました。また、性的マイノリティーが悩みを1人で抱え込まず、相談できるような制度の構築を訴えています。

 入間市をもっと暮らしやすい市にしたいと意気込む細田さん。立候補したきっかけは自身のセクシュアリティについて、相談する場所がなかったことがあげられるといいます。

 「私自身が悩んでいる時に、どこに相談したらいいか分かりませんでした。市に相談するかは分かりませんが、市にそのような相談体制がとられていることで言いやすい環境に変化していくと思います。そんな環境が広がることで、少しは暮らしやすい市になるのではと考えています」と過去の経験があったことを明かしました。

 全国的には神奈川県横浜市東京都渋谷区などが性的マイノリティー支援事業をおこなっていますが、国内ではまだまだ不足しているのが現状です。

画像画像 どこに悩みを打ち明けるべきかに悩んでしまう

 公職に選ばれたトランス女性の例としては、1999年にニュージーランドの国会議員として、ジョージナ・ベイアーさんが世界初。

 国内では上川あやさんが、トランスジェンダーの女性であることを公表して初めて当選しました。2003年に東京都世田谷区議会議員に初当選して以来、現在4期目の現職議員である上川さんも「FTMの方の公選者は初。ご活躍を」とお祝いのコメントをしました。

 現在、国内で自らが性的マイノリティーであると公表している現職議員は、男性同性愛者で東京都中野区議の石坂わたるさんや、豊島区議の石川大我さんがいます。

 入間市のある埼玉県では2月に、さいたま市と所沢市で性的マイノリティーに関する市民講座が開催されたばかり。今後は細田市議の活躍に加えて、埼玉県全体での動きにも注目です。

画像 2月に開催された市民講座

関連キーワード

埼玉 | LGBT | ネットと選挙


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」