「給食のご飯がアルミパック」は静岡だけ!? 静岡県民に衝撃 「マジか!」「全国区だと思ってた……」

フタに爪でよく絵とか書いてました(静岡県民)。

» 2017年05月18日 18時46分 公開
[池谷勇人ねとらぼ]

 「給食のご飯が四角いアルミパックで出てくるのは静岡だけ」という衝撃の事実に、「マジで!?」と衝撃を受ける静岡県民が続出しています。あれは本当に静岡県だけなのか、静岡県学校給食会に取材しました。



 きっかけとなったのは、とあるTwitterユーザーが5月17日に投稿した写真。あの銀色のアルミパックご飯の画像とともに、「静岡だけって聞いたけど、マジで?」と驚きをツイートしたところ、「全国区だと思ってた……」「他県は違うの!?」と大騒ぎになりました。すいません、筆者も静岡出身ですが、正直他県もアレだと思っていました……。


アルミパックご飯 左下に写っているのが「アルミパックご飯」(写真は展示用のレプリカ/静岡県学校給食会提供)

アルミパックご飯 フタを外すと、中には1人分のご飯が入っています(写真は展示用のレプリカ/静岡県学校給食会提供)

 他県民のために一応説明すると、筆者の場合は小学1年から6年まで、このアルミパックご飯でした(中学以降は弁当)。銀色の四角いアルミ容器の中に、ちょうど1人分のご飯が入っていて、同じくアルミのフタで密閉されています。フタで密閉されているのは恐らく、この容器でそのまま炊いて配っているため。毎回1人分ずつご飯を炊いていると考えると、実はけっこうすごいシステムなのかもしれません。


なぜ静岡だけ? 実は意外な理由が……

 静岡県学校給食会に取材したところ、この方式は“個人別炊飯方式”と呼ばれており、「確かに静岡県で多く採用されていますね。一部ですが、他の県でもこの方法を採っているところがあるというのは聞いたことがあります」とのこと。ただ現在は、他県でもメジャーな「クラス別炊飯方式」(クラスの人数分をまとめて炊飯し、食べる時に器によそう方式)への移行が進んでおり、今でもこの方式を採っているのは、浜松市や藤枝市、焼津市などごく一部の地域だけなのだそうです。


アルミパックご飯 静岡県学校給食会のサイトより。「個人別方式」というのがいわゆる「アルミパックご飯」のこと

 では、なぜ静岡だけこの方式が主流になったのか。理由を聞くと、そもそもこの方式が普及したのは、米飯給食が導入された昭和51年(1976年)のことだったと言います。それまでの給食はパンが中心だったため、当時はまだ大量のご飯を一気に炊ける施設がほとんどありませんでした。

 そこで、今まで使っていたパン窯を使ってご飯を炊くにはどうしたらいいか……? と開発されたのが、この「アルミ容器」でした。これなら容器に米と水を入れて、フタをしてパン窯にまとめて入れれば、あとはパンを焼く要領で大量のご飯を炊くことができます。特に静岡県ではこの方法がいち早く確立・導入されたため、一気に「個人別炊飯方式」が主流に。逆にアルミ容器の導入が遅れた他県は、給食センターや専用の炊飯施設などで炊く「クラス別炊飯方式」が主流になっていったのだそうです。


失われつつある、静岡のローカル文化

 また「アルミパックご飯」ならではの人気メニューも。

 「これでご飯を炊く時に、少ししょうゆを加えると、ほんのり茶色い『さくらご飯』になります」(静岡県学校給食会)

 そうそう、さくらご飯! 要はただのしょうゆごはんですが、給食で出てくるとなぜか異様においしく感じた記憶があります。一部では「桜飯」や「茶飯」とも呼ばれ、静岡のローカルフードとして話題になったこともありました。


アルミパックご飯 クックパッドより、「簡単!静岡県民 給食の味 さくらご飯

 使った容器は後日回収し、アルミサッシなどの材料として再利用するなど、環境にもしっかり配慮。ただ、静岡県内でもやはり最近は「クラス別炊飯方式」が主流になっており、「個人別炊飯方式」を採用する学校は年々減ってきています。静岡県学校給食会によると、静岡市もこの4月からちょうど、アルミ容器からクラス別炊飯に切り替わったとのこと。「これ全国区じゃなかったの!?」という静岡県民も、やがては少数派になっていくのかもしれません。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/26/news158.jpg 元横綱・貴乃花、再婚後の激変ぶりに驚きの声 ヒゲ生やした近影に「ショーケンみたい」「ワイルドー」
  2. /nl/articles/2403/27/news130.jpg 中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
  3. /nl/articles/2403/26/news169.jpg 「『ちゅ〜る』の紅麹色素は大丈夫?」 小林製薬の「紅麹」報道で飼い主に不安広がる
  4. /nl/articles/2403/27/news126.jpg ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
  5. /nl/articles/2403/26/news161.jpg 【まとめ】小林製薬「紅麹」問題 味噌や酒など紅麹原料使用メーカーの自主回収相次ぐ 20社以上が発表
  6. /nl/articles/2403/27/news127.jpg 日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
  7. /nl/articles/2403/20/news067.jpg 「紫のトトロ買った」 “ジブリを1ミリも知らない”友だちから連絡→まさかの正体に爆笑 友だちはその後ジブリを見た?
  8. /nl/articles/2403/26/news016.jpg ドイツ人家族が日本のバウムクーヘンを実食、一番おいしいと絶賛したのは…… 満場一致の結果に「参考になります」「他の食べ比べもお願い」
  9. /nl/articles/2312/30/news041.jpg 「紫のトトロ買った」 “ジブリを1ミリも知らない”友人から連絡→まさかの正体に爆笑「それトトロやない」
  10. /nl/articles/2403/26/news145.jpg 「ご安心ください」 “紅麹ショック”でDHCとファンケルが声明…… サプリ販売は継続中 小林製薬では死亡患者がサプリ摂取
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」