どう見てもギリギリアウトな「機動少女 -GundamGirls」にあらためて中国ゲームの深淵を見た:モバクソ畑でつかまえて
そのタイトル大丈夫!? → 何一つ大丈夫じゃなかった。
ポスト「艦これ」として人気を広げる「アズールレーン」を筆頭に、ここ2〜3年で、中国産ゲームのクオリティーは飛躍的に上がったといわれています。グラフィック、ゲーム内容、運営姿勢などなど、中には国産ゲームといわれても分からないレベルの作品もかなり増えました。
しかしそんな中、4月下旬ごろからTwitterをざわつかせた作品がありました。タイトルは「機動少女 -GundamGirls」。タイトルの時点で既に「あっ」という感じはあるものの、果たして実際はどんなゲームだったのか。モバクソゲーサークル「それいゆ」発起人であり、「あっ」という感じのゲームに詳しい「怪しい隣人」(@BlackHandMaiden)さんに実際にプレイしてもらいました。
ライター:怪しい隣人
出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。
ゲームとしての作りそのものは悪くない、が……
パクりパクられ、というのはいろいろなジャンルで話題になるお話です。ですが、どこまでがパクりでどこまでがそうでないのか、なかなか判断が難しいものがほとんど。そんな中で、今回は分かりやすくアウトな感じのするゲームを紹介したいと思います。
ゲームの名前は「機動少女 -GundamGirls」。中国MfunGamesという会社が4月18日に配信を開始したゲームです。なぜかApp Storeでのデベロッパーは会社名義ではなくWang ZePingという名前で表示されています。こんなタイトルにもかかわらず、バンダイナムコエンターテインメントからリリースされてもいません。この時点でまず怪しいと思ってしまいましたが、勇気を出してダウンロードしてみました。起動してみると……なんかガンダムじゃないのもいます。というか、タイトル画面にはガンダム少女がいません。
自分は戦艦の艦長となり、こんなロボ少女たちを指揮しながらやはり敵のロボ少女たちと戦うことになります。ログイン時にFacebookのアカウントかゲストで入るかを選ばされますが、ここはゲストで大丈夫。ゲストで入り続けてもデータはサーバに保持されているようです。
ゲームの進行ですが、ロボ少女を編成してマップを進軍、自動で戦うロボ少女たちを見守りつつ、戦艦に実装されたスキルを使って彼女たちを支援しながら戦うことになります。この辺は中国語が読めなくても感覚的にプレイできるかと。
ロボ少女たちの強化については戦闘での経験値確保、装備やスキル強化アイテムの獲得とアップグレードと、この辺もなじみのあるシステムかと思います。また課金については、中国ゲームらしくVIPシステムが存在しており、課金額に応じたレアなロボ少女や装備の獲得が可能になっています。
ゲームのメインとなる戦闘ですが、レベル5になれば倍速化が解放、レベル10になれば戦艦の支援の自動化が解放されます。ロボ少女戦の前には自分が乗っている戦艦と敵戦艦の戦闘が発生し、ここで操作が要求されるため、完全放置でレベル上げやアイテム稼ぎというわけには行かないのが残念なところ。一度クリアしたマップは戦闘画面を省略してクリア結果だけを得ることが可能になっているのですが、これには専用のアイテムが必要で回数制限があります。
定期的に登場するボスを倒すと脱衣状態が表示されたりと、サービスもバッチリ。中国本土の規制もあってか脱衣自体はささやかなものですが……。操作性や反応速度も含め、ゲームとしての作りそのものは悪くない、という印象を受けました。
どこかで見たロボがワンサカと
問題は、やはりこのどこかで見たようなロボ少女たち。「GundamGirls」という名前なのに最初に手に入るロボにフルメタル・パニックのアーバレストがいたりするのはご愛嬌として、他にもどこかで見たようなリアルロボットやスーパーロボットがワンサカと。なお、このロボ少女たちは入手しなくても図鑑で閲覧できるというところは大変親切です。
これらのどこかで見たようなロボだけが突っ込みどころではありません。例えばグフイグナイテッドと思しきロボ少女のポーズやら衣装なのですが、艦これの摩耶改二に大変似ているような……。というか、上半身の衣装はほぼ同じような気がします。
怪しいお話はこれだけではありません。この「機動少女」ですが、ロード画面に表示される「StrikeGirls」という別の名前が気になって調べてみたところ、このゲームにそっくりな「鋼鉄戦姫」というゲームが存在していることが分かりました。
こちらは機動少女リリースのおよそ3カ月前、2018年1月18日にリリースされたゲームなのですが、「機動少女」とアイコンがほぼ同じ、中身もほぼ一緒となっています。起動時に表示されるロゴから、開発元が同じなのでは、というところは想像できるのですが、ここまでそのまま同じゲームが違うタイトル、違う会社からリリースされるというのは一体どういうことなのでしょうか。ただ、「鋼鉄戦姫」の方は去る5月3日15時でサービスを終了しています。
少しほじっただけでなんだか違和感をおぼえる出来事がモリモリと現れる中国ゲームの世界。おそらく深淵を端っこからのぞいただけなのかなと思いますが、ゲーム自体の出来は悪くないものだったので、ちゃんと許諾を取って日本語化してリリースして欲しかったなぁ、と思ってしまいます。さすがにこの状態からそれは難しいとは思いますが……。
現在、告知の一部だけは半端に日本語化されていますが、このままローカライズが進んでいるのかは全く不明です。いつか突然サービス終了するのか、それともじわじわと生き延びるのか。しばらくは様子を見てみたいと思います。そんな「機動少女」の公式Twitterはこちら(@StrikeGirlsClub)。こんなゲームインストールしたくない、という方もムービーでその一端を見ることが可能です。
以下、編集部注
念のためサンライズに問い合わせましたが、「弊社の監修物ではありません」とのことでした。
関連記事
モバクソ畑でつかまえて:話題の擬人化艦船ゲーム「アズールレーン」はなぜ突然ブレークしたのか
ただの「艦これ」フォロワーにとどまらないその魅力とは。モバクソ畑でつかまえて:もうちょっと加減しろ! 「ときめきアイドル」のネタがあまりにも濃すぎるのでがんばって解説する
合言葉はbee!モバクソ畑でつかまえて:「どうしてこうなった」「960円払えば実質無料」 スマホゲーム「ネギマテ」の何がどうマズかったのか
赤松健さんの漫画『UQ HOLDER!』および『魔法先生ネギま!』を原作とする同ゲームでしたが……。モバクソ畑でつかまえて:スタドリが仮想通貨のように使えた時代のお話
今では考えられない、ソシャゲ興隆期のちょっと面白い昔話。モバクソ畑でつかまえて:「データがtxt形式で保存されてる」「ここまでいじれるとか本当やばい」―― 混乱広がる「きららファンタジア」で一体何が起こったのか
既に運営側が見解を発表していますが、実際は言われているような「いじり放題」ということはありません。モバクソ畑でつかまえて:「中毒性が異常」「どう森を超える神ゲー」――無名のフリーゲーム「どうぶつタワーバトル」がなぜか突然流行りはじめた4つの理由
動物を落として交互に積み上げていく、それだけのゲームがなぜ突然流行?モバクソ畑でつかまえて:「深夜1時に引く」「ちひろを蒸す」――根強い「ガチャ宗教」は“運営不信”の裏返しか 「ドッカンバトル」騒動が浮き彫りにしたもの
「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」騒動は、これまで積み重なってきた「運営不信」が爆発したもの?モバクソ畑でつかまえて:「アイドルマスター ミリオンライブ!」更新終了が意味するもの “深く濃い”シリーズの異端児は何を遺したか
「ミリマス」とはどんなゲームで、なぜ終わらなければならなかったのか?モバクソ畑でつかまえて:「FGO」の新シナリオが『魔界転生』のパクリ? → いやいやちょっと落ち着こう、という話
パクリ? それともオマージュ?モバクソ畑でつかまえて:終わったスマホゲーのヒロインを呼び出し戦うゲーム「終幕彼女」の光と闇 なぜファンは“シナリオがアイコネの人”でざわついたのか?
これには聞くも涙、語るも涙の物語が……。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
昨日の総合アクセスTOP10
この写真の中に“ドラえもん”が紛れています 難易度の高さに「ギブです」「ドラえもんは僕の心の中に」と諦める人続出
がん闘病の秋野暢子、激しい副作用とポジティブに格闘 治療で真っ赤な首筋に心配の声も「痛々しい」「見ていて辛い」
笑福亭鶴瓶、背中いっぱいの「昇り鯉刺青」にファン仰天 “悪瓶さん”の貫禄あふれる後ろ姿が「迫力ハンパない」
娘が路上で子猫を発見→近づくと、突然倒れてしまい…… 保護子猫とのかわいすぎる出会いに「感動した」の声
「この世で一番憎んでる」 画面左上に“謎の入力フォーム”が現れる現象に「ホンマにいらん」「何のためにあるのか分からない」の声
ゲオのPS5抽選販売、「購入時にPS4売却」が条件で物議 「なぜPS4を手放さないといけないの?」ゲオに意図を聞いた
坂口杏里さん、「離婚は成立」と投稿 金銭貸し借り巡るDMさらし「これで終わり」「家族対1ってあまりに酷すぎる」とぶちまけ
「ガムは75円。ガムはクッキーより40円安いそうです。チョコは何円?」 小2向けドリルの難問が誰にも解けない
HIKAKINさん、イベント中に不審者に絡まれマイク奪われる 視聴者から「ガチの放送事故」「無事でよかった」の声
全力イヤイヤ中の黒柴犬、突然背後を気にしだし…… “何か見えてる”様子に背筋がゾッとする
先週の総合アクセスTOP10
- この写真の中に“ドラえもん”が紛れています 難易度の高さに「ギブです」「ドラえもんは僕の心の中に」と諦める人続出
- 坂口杏里さん、「離婚は成立」と投稿 金銭貸し借り巡るDMさらし「これで終わり」「家族対1ってあまりに酷すぎる」とぶちまけ
- がん闘病の秋野暢子、手足の浮腫みで“見たこともない体重”に 抗がん剤の副作用を「しっかり受け止めます」
- HIKAKINさん、イベント中に不審者に絡まれマイク奪われる 視聴者から「ガチの放送事故」「無事でよかった」の声
- 愛犬に「僕の子猫がいないんです」と呼ばれた飼い主 必死に探すワンコの姿に優しさと愛情があふれている
- マックのハンバーガーを食べる娘に「今日のお昼ごはん何?」と聞かれ…… 青ざめる父の1コマに「うちも言う」と反響続々
- ダレノガレ明美、韓国でお気に入りのホクロを“ゴミ”だと除去されてしまう 「ドS Dr. ありがとう!」
- 笑福亭鶴瓶、背中いっぱいの「昇り鯉刺青」にファン仰天 “悪瓶さん”の貫禄あふれる後ろ姿が「迫力ハンパない」
- 娘が路上で子猫を発見→近づくと、突然倒れてしまい…… 保護子猫とのかわいすぎる出会いに「感動した」の声
- がん闘病の秋野暢子、激しい副作用とポジティブに格闘 治療で真っ赤な首筋に心配の声も「痛々しい」「見ていて辛い」
先月の総合アクセスTOP10
- 安倍元首相、銃で撃たれて意識不明か 事件時のものとみられる映像投稿される
- 野口五郎、20歳迎えた娘と誕生日デート 家族同然の西城秀樹さん長女も加わり「楽しい時間でした!」
- 「大阪王将」店舗にナメクジやゴキブリが発生? 元従業員の“告発”が衝撃与える 大阪王将「事実関係を調査中」
- この画像の中に「さかな」が隠れています 猫に見つからないように必死! 分かるとスッキリする隠し絵クイズに挑戦しよう 【お昼寝編】
- ダルビッシュ有&聖子、ドレスアップした夫婦ショットに反響 「ハリウッド俳優やん」「輝いてます」
- 「auの信頼度爆上がり」通信障害でも社長の“有能さ”に驚く声多数 一方で「まだ圏外だぞ…」など報告続く
- スシロー、“ビール半額”で今度は「ジョッキが小さい」との報告? 運営元「内容量に差異はない」と否定
- スシロー「何杯飲んでもビール半額」開始前にPOP掲示 → 注文したら全額請求 投稿者「態度に納得いかなかった」 運営元が謝罪
- TKO木下、海外旅行先で総額270万円のスリ被害に エルメスの財布奪われた“瞬間映像”も公開「くっそ〜……」
- パパが好きすぎて、畑仕事中も離れない元保護子猫 お外にドキドキしながら背中に乗って応援する姿があいらしい