同人と商業の「決定的な違い」とは? ついに完結『クズの本懐』横槍メンゴが大事にする”コミュニケーション”(3/3 ページ)
寸前まで悩んでいた「デコール」最終回
――完結を迎えた「デコール」は、『クズの本懐』本編最終回のあとの登場人物たちを描いたお話でした。麦に片思いをしていたモカや、花火に恋をしていた早苗など、花火と麦以外のキャラクターの掘り下げもありましたね。
メンゴ: それこそ、番外編で目指したものは「サービス」でした。本編でつらい思いをしても、それでも『クズの本懐』を好きでいてくれたファンの方が楽しんでくれるように……という“お返し”ですね。
――つらい思い……(笑)。確かに本編クライマックスの展開は、見ようによってはバッドエンドとも捉えられるラストだったかもしれません。
有田: ファンとしては本編ラストは、バッドエンドではなくて希望があるなと思いました。『クズの本懐』だけではなくて、『めがはーと』などもそうなんですが、メンゴ先生は暗いだけの話、鬱なだけの話を書かない。すごくエンタメだと思います。
メンゴ: 尊敬するルネサンス吉田先生の信条を継いで、「最後は絶対『嫌な気持ちになって終わる』だけにはしない」とするようにしています! 本編はアニメと同時進行で、「とにかくちゃんと終わらせないと」というプレッシャーがすごかったですね。ただ自分でもすごく気に入っている終わり方で、「やりきった」という達成感でいっぱいでした。
――デコール最終話は、麦と花火のお話でした。本編最終回であの決断をした2人の“その後”が描かれていて、ずっと追いかけてきたファンは心を動かされたのでは。
メンゴ: 本当ですか? よかったー! ラストはずっと迷っていて、2カ月くらい前は麦と花火がどうなるかは自分でも分からなかったんです。締め切りギリギリまでも実は違う展開で、「これしかないのかな」ともやもやしていたんです。でも「あれ、こうすれば……」と思って直したら、結果的にすごくよくなったと思います。
――本編ラストがあったからこその、新しいラストだったと思います! 最後に‥‥…『クズの本懐』がグランドフィナーレを迎えたばかりでこれを伺っていいのか分かりませんが、ズバリ次回作のご予定はありますか?
メンゴ: まだ何も言える段階ではないですが、新連載を考えてはいます! これまでは『レトルトパウチ!』のような明るいエロの“A面”と、『クズの本懐』のように素の状態に近い“B面”を両方やってきました。双方をやってみた上で、今描きたいと思っているものを描けたらと。今なら、一番描きたいものが、みなさんの読みたいものと重なっている気がしています。
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