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» 2019年04月16日 17時49分 公開

CAの制服にスニーカーを採用、なぜ? 新エアライン「ZIPAIR」に意図を聞いてみた

「女性だけスカートとヒール」の時代はもう終わり。

[不義浦,ねとらぼ]

 「ビジネスの場では、女性はヒールで」……これまで「常識」として扱われてきた靴にまつわるオフィスマナーが、今少しずつ変化を迎えようとしています。

 「女性はヒール」など、性別ごとに履く靴を指定される「マナー」を批判した「#KuToo」、ばんそうこうで有名なメーカー「ジョンソンエンドジョンソン」が始めたスニーカーでの就活を応援するキャンペーン「#スニ活」など、数多くのムーブメントが盛り上がりを見せました。

 そんな中で発表された日本航空の新しい国際線中距離LCCエアライン「ZIPAIR」は、客室乗務員の制服のカジュアルさが話題を呼んでいます。気分によって組み合わせを変えられるユニセックスな印象の制服にくわえ、靴はなんとスニーカーです。ワンピースにヒールなど、コンサバティブなファッションが多い客室乗務員の制服ですが、ZIPAIRはなぜスニーカーを選択したのでしょうか? 

ZIPAIR新制服 ZIPAIR新制服のイメージイラスト

 ねとらぼ編集部では、ZIPAIRの新制服について日本航空広報部に取材しました。

ZIPAIR新制服 こちらの記事でも取り上げた「#スニ活」キャンペーン

ZIPAIRインタビュー

――客室乗務員の制服にパンプスが多い中、スニーカーを採用したことにはどのような理由・背景があるのでしょうか。

 スニーカーは通常の革靴やパンプスに比べ耐久性に優れ、動きやすく、疲労を軽減させる効果も見込まれると考え、採用しました。まず第一に業務における動きやすさと疲労感の軽減を意識しました。

――気分などに応じて上下を選べるようにした意図は何でしょうか。

 日常服のように制服も着る人の意思で自由に組み合わせることができれば、スタッフはもっと自分らしく生き生きとした働き方で集中して業務にまい進できると考えました。

――デザイナーさんにはどのようなイメージで発注したのですか。

 「佇まい」ではなく「働き方」を表現するものにしたいという想いから、「着回し」というキーワードを据え、同じコンセプトのメンズブランド「th」を展開している堀内太郎さんに発注いたしました。

――今回のZIPAIRの制服について多様なジェンダーへの配慮が盛り込まれたポイントがありましたら教えてください。

 制服については、身体的特徴に合わせて男女それぞれの制服を準備しております。準備する制服のサイズや形などの制約は残りますが、ご本人の内面に従って、20のアイテムの中で自分が生き生きとパフォーマンスを発揮できるものを着用してもらいたいと考えています。

――ちなみに、日本の航空会社の乗務員採用の比率は女性に大きく偏っていると近年指摘されていますが、ZIPAIRではこの問題についてどのように考えていらっしゃいますか。

 社員の選考に当たっては、良材を集める考えのもと、適正・能力のみを基準として行っており、特に性別による差は設定しません。従来の航空会社とは異なり、客室乗務員の役割と同時に地上業務にも携わっていただきますので、多様な価値観を持った方々に応募いただけることを期待しております。

これからどうなる? 「職場服」問題

 ZIPAIRの制服については、「機能性」を意識した結果としてスニーカーが選ばれたことは重要なポイントになりそうです。職場のファッションにおいて尊重されるべきなのは実際に現場で働く人の使い勝手なのであって、根拠のない「見栄え」を優先したオフィスマナーを保持し続ける意味はありません。労働者には、性別や立場に関係なく、自らの体に合った服装で働ける自由が必要であるはずです。

ZIPAIR新制服 こちらはエールフランス航空日本就航65周年を記念した制服ファッションショーの様子。制服は「どの航空会社よりもおしゃれであることが求められる」というコンセプトでデザインされているそうだ。

 海外でも、航空会社の制服に関する問題提起は行われています。

 2016年にはイギリスの航空会社「ブリティッシュエアウェイズ」にて、2012年以降に入社した新人キャビンアテンダントにスカート着用を強制するルールを撤廃する運動が成功したというニュースがありました。2年間のキャンペーン活動の末に、乗務員全員にズボン着用が許可されたのです。

ZIPAIR新制服 ブリティッシュエアウェイズより。2012年以降に入社した新人キャビンアテンダントがスカートを着用するように強制されていた

 今も不平等な条件で実用的でない服を強制されたり、個人の意図とはなはだしく異なる服装を求められる仕事は数多く存在します。誰もが働きやすい環境づくりのために、変化を受け入れる企業が増えるよう期待していきたいところです。

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