高知の常識「ちくわにきゅうりを1本丸ごと詰める料理」、Twitterで衝撃 ちくわを心配する声相次ぐ

県外勢からは「ちくわが破けない?」「きゅうり4分の1に切るでしょ」の意見が。

» 2019年04月19日 21時05分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 ちくわの穴にきゅうりを詰める小料理「ちくわきゅうり」。一般的にはきゅうりを縦に4分割して入れるものですが、高知ではきゅうりを切らずに1本そのまま詰めている――というローカルネタがTwitterで人々に衝撃をもたらしています。え、ちくわが破けてしまうのでは……?

話題となっている高知流のちくわきゅうり(画像提供:@miinya_nyaさん)

一般的なちくわきゅうりは、きゅうりをこのように半分か4分の1に切るものですが……

 話題のきっかけとなったのは、高知に住んでいるTwitterユーザー・みぃにゃ(@miinya_nya)さんです。ちくわにきゅうりを丸ごと詰めているのは高知だけだと知った、と普段作っている「ちくわきゅうり」の写真を投稿。写っていたのは、ちくわの穴いっぱいにきゅうりがギチギチに詰まって、白と緑の二重丸を作っている姿でした。斬新なビジュアルに驚く声が続出し、1日で1万6000回以上リツイートされるなど大反響に。

 いやしかし、本当にこの「きゅうりを1本丸ごと詰めるスタイル」は高知だけなのか。特に高知の自治体や観光協会のサイトで「高知のローカル料理」として紹介しているところは一切なく、別の地域でも好んで食べられている可能性もありえます。

 ねとらぼ編集部では「ちくわきゅうり」を食べたことのある人にアンケートを実施(Googleフォーム、回答期間:2019年4月18日19時〜19日14時42分、回答数:404件)。“1本丸ごとスタイル”を食べたことのある人は404人中147人と、4割弱と意外にも多い結果となりました。

“1本丸ごとスタイル”を食べた/作ったことのある人は3人に1人程度

 しかしそのなかで「どこで食べたか」を聞くと、106人……72%が高知県内と回答。もちろん北は新潟、南は佐賀と食べたことのある人は全国的にあちこちいましたが、多くても3、4人。やはり1本丸ごと詰め込むのは圧倒的に高知で親しまれているスタイルでした。しかも高知では「ちくきゅう」と呼ぶのが一般的のもよう。語感かわいい。

 アンケートの回答によれば、高知でちくきゅうは家庭や居酒屋での定番料理であり、「週に何回も食卓にのぼる」「病院食で出ていた」という人も。全国ではきゅうりを半分か4分の1に切るのが一般的だと知り、「一本丸ごとが当たり前だと思っていた」「逆に丸ごとじゃないと違和感」「半分に切るとか考えたことがなかった」とカルチャーショックを受ける声がほとんどでした。

 “1本丸ごとスタイル”を知らなかった人からは「インパクト大。隣の県なのに愛媛では見たことない」「そんな発想があるのか」と驚きの声ばかり。何より「きゅうりが一本丸のまま詰められるちくわなんてあるの??」「ちくわが破れるのでは」と物理的な心配をする声が大半を締めていました。確かに、スーパーのきゅうりって、ちくわと同じ太さかそれ以上のものばかりでは……?

「太いちくわ」と「生産盛んなきゅうり」が生んだ融合体

 なぜ高知でこのような食文化が生まれたのか。高知市観光協会の女性職員と、高知県須崎市のかまぼこ製造業社「けんかま」に取材したところ、「高知のちくわは穴が大きめ」と「高知ではきゅうりの生産が盛ん」、この2つが要因ではないかと共通の見解を示しました。


 高知市観光協会の職員は、「ちくきゅうは高知の家庭でよく出てくるのですが、今いる他の職員4人とも“きゅうりは切らずにそのまま詰める派”だそうです。私の家庭でも幼い頃から1本そのまま入れるのが普通でしたし、私が親になって作るときもそうでした」と、定番メニューであることを説明します。

 「個人の見解にはなりますが、高知はお魚がよく捕れるためかまぼこは家庭でも親しまれていて、ちくわも人気です。またきゅうりもハウス栽培や促成栽培で盛んで、どちらも食卓でよく扱う食材です。しかし高知のちくわは穴が大きい物が多く、白の中に緑の輪っかができる彩りもきれいなため、きゅうりを丸ごと入る場合はそのまま入れています。ただし面取りしないと入らない場合は皮の部分を何カ所か切りますし、スーパーで安く売っているような穴が細いちくわの場合は縦に分割しますね」(高知市観光協会の職員)

けんかまの「土佐須崎ちくわ」

 「けんかま」は1961年の創業当時からちくわを製造、今は商品「土佐須崎ちくわ」を年間400万本を生産しています。「県外できゅうりを4分の1に切っているちくきゅうを見たときは本当に驚きましたし、高知の人にそれを伝えるとたいていびっくりされます」と担当者。

 「全国的にも四国の中でも、高知のちくわの穴が大きいのが理由だと思います。昔ちくわは『竹輪』と書くように竹に巻いて作っていましたが、高知の竹が比較的太かったため穴も大きくなったと聞いたことがあります。最近は県外のちくわが入ってきますが、やはり穴が細いですね」(けんかま担当者)

@miinya_nyaさんが扱っていたちくわ。確かに穴が大きい

 「同時に高知はきゅうりの生産が盛んです。ちくわの穴に入れやすい細めなサイズも含めいっぱい採れるため、それを消費するために『きゅうりを1本そのまま詰める』ちくきゅうが生まれたのではないでしょうか。4つに切るよりも1本入れたほうが楽ですし、高知の県民性もあるのでは(笑)」

 高知では穴の大きいちくわと、ちょうどいい細さのきゅうりが手に入りやすいため、ちくわが裂ける心配も少なく「1本丸ごと詰めたちくきゅう」が生まれ継がれていった、とのことでした。なおアンケートでは高知スタイルのちくきゅうは「かみごたえがいい」「見ばえがキレイ」「マヨネーズとの相性が最高」という意見も。ちょうどいい大きさのちくわときゅうりを入手した人は、丸ごと詰め込んで食卓に「これがちくきゅうだよ」と出してみてはいかがでしょうか。斬新なビジュアルに晩御飯が盛り上がるかも……?

あらためて、ビジュアルの差が激しい


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」